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久喜東中学校のみなさんに、ウォーターエイドとともに「水」についての授業を行いました

10月初旬に、日本鋳鉄管が工場を構える久喜市の久喜東中学校にて、ウォーターエイドと共同で「水」についての出張授業を行いました。

当社は、2021年9月に「水が途切れない世界を実現する」というパーパスを発表し、ウォーターエイドジャパンへの寄付も始めています。今回の出前授業は、このウォーターエイドの支援活動の一環によるコラボレーションとなります。

久喜東中学校1年〜3年の285名の生徒に向けて実施された、授業の様子をご紹介します。

進行はオンライン。それぞれ教室内で5名程度の班に分かれ、グループディスカッションも交えながら授業は実施されました。

まずは、水の使用量についての質問が。

普段日常的に使っている水の量はどれくらいなのかを考え、学んでいきます。

例えば、歯磨き中に水道を出しっぱなしにしていたら、1分間で10リットルの水を使用することになります。

洗濯は1回で80リットル、お風呂は180リットル。

予想以上の水量を使用していることに、驚きの声が上がっていました。

水の使用量を知った後、続いて、ワークシートを使ったディスカッションがはじまりました。

お題は、「もしも一日に使う水が25リットルに限られていた場合、何にどのような内訳で水を使うか」です。

いつもどおりに洗濯やお風呂に入ることは、限られた水の量ですとそもそも困難です。
ですが、もしも災害が起こり、水道が使えない環境となれば、現実に起こり得ることなのです。

内訳に正解はありませんが、自分ごととして考えてみることはとても大事ですよね。

続いて、もしも水が一日25リットルしか使えない状況が続いたら、どうなるかを考えていきます。「一日目」「一週間後」「2ヶ月後」それぞれどういうことが起こるか。どう感じるかを話し合いました。

心がボロボロになるかも…
お風呂に入れないのは嫌だ
一週間なら耐えられるかな…

ディスカッション中に様々な意見が飛び交いました。

発表では、「一日目は、まだいけると思う。でも一週間後には水のありがたさを感じる。
もっと時間が経つと、病気になってしまうかもしれない。」という意見が。

数日ならば「不便」で済むかもしれませんが、水がないことで、健康に影響があるかも知れない。水道をひねると水が当たり前に出る日常を過ごしていると、気づけない視点です。

続いて、マダガスカルの「水」にまつわる現状を学び、さらに「水」について考えていきます。

マダガスカルの西部地域は、年間降水量が500ミリ程度。東京の年間降水量1500ミリ程度と比べると、水不足なことがわかります。

マダガスカルでは、人口の半分が清潔な水を使えず、80%がトイレを使うことができません。

日々水を汲みに行って、少量の水で生活をしている人がたくさんいます。

一例でいうと、

飲み水や手洗、洗面に10リットル
洗濯に8リットル
炊事に7リットル

合計25リットルの水で生活をしています。
そして、5キロ先の湖への日々水汲みに、一日5時間を費やしており、他の仕事に時間をほとんど割けません。

さらには、マダガスカルの日常の水の量は先程考えた、災害の非常時の水量と同じなのです。

水を汲みに行く時間が無くなれば、豊富な水があれば、もっと豊かな暮らしが送れるかもしれないことに気付かされます。

最後に、この街に井戸ができたらどんな好循環が起こるかについても考えてみました。

井戸ができれば、水汲みに割いていた時間を、野菜の栽培など生産的なことに使うことができるようになります。

さらに、きれいな水を飲むことや、頻繁な手洗いもできるようになるため、健康的な暮らしも手に入ります。

栽培した野菜を売ることで、収入を得られるようになり、生活が豊かになります。

水がないことは、生活に悪しき循環を生み、逆に水があることは好循環を生むのです。

普段考えたことがないとはいえ、身近な話題でしたので、どの学年もたくさんの意見が出ていました。クラスメイトと話合うことで、自分ごととして考えていただけるきっかけにもなったようです。

サポーターとして参加した、日本鋳鉄管の社員にとっても、生徒のみなさんの意見を聞いたり、ともに考えることで、改めて「水は大事だ」という事実と、きちんと伝えていくことの大切さを実感することができる良い機会でした。

参加した生徒からは「私たちが当たり前に使っている水の量を使えない人が世界にはたくさんいるということがこの授業で学べた。これからは、手洗いの時には一度水を止めるなど、水を大切にしようと思った」という、素晴らしい感想をいただくことができました。

水道水を飲める国は、世界で10カ国だけ。

水はかけがえのない資源で、決して当たり前のものではありません。

でも、水道をひねれば水が出る。そんな恵まれた環境で生まれ、過ごしてきた私たちは、水がもたらしてくれているものについて、なかなか気づけずにいます。

水道管を製造するメーカーとして、この事実を多くの方に知ってもらいたいと改めて思いました。
ウォーターエイドのみなさんとともに、今回のような活動を続けていけたらと思います。

私たち日本鋳鉄管が目指したい「水が途切れない世界」については、​​コーポレートサイト特設ページでも紹介しています。ぜひこの機会に「水」について考えてみてください。

久喜東中学校のみなさん、ウォーターエイドのみなさん、どうもありがとうございました!

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