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競艇を競馬に例えると─そこに見えてくるもの

競艇の予想は、主に「選手の技量」「モーター」「展示航走」という3要素から組み立てられます。
選手の技量には、レースの巧拙だけでなく、モーターの整備力も含まれます。つまり選手は、競馬でいえば騎手と調教師の役割を担っています。
モーターは、いうまでもなく競走馬そのものですね。その勝率が、血統ということになるでしょうか。勝率40%超なら一流馬。とはいえ、次のモーター交換時期までの儚い系譜ではありますが。さらに、勝率30%台なら騎手の腕しだい。20%台以下は、なんやかんや整備に手がかかるようです。
そして、展示航走。これは、競馬でいう追い切りからパドックまで。調教過程を最終確認する場になります。
馬主や生産者、厩舎の技量、距離やコース、馬場状態の巧拙などもかかわってくる競馬にくらべ、競艇は予想のファクターが圧倒的に少ない競技です。ゆえに、レース直前まで知ることのできない唯一の不確定要素である展示航走にかかる比重は大きい。最重要視するべきもの、と考えています。

展示航走って難しい?

競艇選手は勝率などにより、A1、A2、B1、B2に格付けされます。A1レーサーは、競馬ならルメール騎手や武豊騎手、福永祐一騎手クラスに該当します。しかし、名騎手には一流馬の騎乗依頼が殺到しますが、競艇のモーターは抽選制。一流選手が駄馬に手こずることもあります。だからこそ、数百倍の配当を獲るには、展示航走を見る目を養うことが、いちばん手っ取り早いのです。
モーターの調子は日替わりで、昨日よければ今日もよし、とはなりません。外枠のB2レーサーも、昨日までさっぱりだった6着量産レーサーも、整備が当たったら、モーターが連れて来てくれます。そしてその兆候は、前日あるいは前々日に潜んでいるケースがままあります。
あれ、今日は展示の動きも遜色ないな、といったB2選手が最内を鋭く差し伸びたけど4、5着とか。外枠からのマクリを内の選手にはねられ6着とか。でも、おとといの着外選手なんてどんなだったか忘れちゃったよ、なんていうソソッカシイのが意外と多い。
「そうはいっても、展示航走って初級者にはハードルが高いんじゃ」と思うかもしれませんが、そんなことありません。
展示航走はスタート展示から始まり、通常は2マークを1回、次にバックストレッチを走り、最後に1マークを2回見せます。簡単にいうと、ターンマークに寄り沿って、スケーターが氷上を滑走するスムーズさで、あるいは後ろからグイッと押されるような力強さで回っているか。バックストレッチでは、相対的に前の艇との距離を詰めているか。例外はありますが、とりあえずはそれらを注意深く見るだけです。慣れの問題で、すぐにわかるようになります。
そのうち、いい見本があったら紹介したいと思います。

写真は、新潟競馬場のパドックです。指定席の発売時刻に合わせ、東京から深夜高速をカットバシたことも幾度か。真正面に遠望する山なみを借景に、見おろすターフの緑あざやかな、たぶん日本一美しい競馬場です。もう一度行ってみたいナ。カメラマンに感謝。


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