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血の繋がりって何なんだろう

あなたの人生で1番大きな決断は何ですか、と問われたとしよう。
私の場合、子宮を摘出し特別養子縁組で娘を迎えたこと、だ。
このことについて、今までどこにも書いたことはない。
でも、備忘として書き記しておきたいと思う。14年経った今が、そのタイミングのようだ。

振り返って思うに、自分が下した人生最大の決断は、幼少期に無意識に受けた影響が大きく作用していた。

NHK海外ドラマ 大草原の小さな家

小学生だった当時、学校から帰ったら「大草原の小さな家」が放映されていた。原作とはずいぶんとストーリーが異なってはいたが、わたしはこのドラマが大好きだった。
シリーズ終盤になるにつれて、主演と製作総指揮を兼ねていたマイケル・ランドンの思いが反映されてか、宗教色(プロテスタント)が強くなっていった。

ドラマのインガルス夫婦は何人かの子どもを養子に迎える。実子と何ら変わらず、養子をこんなにも愛することができるのか。思春期に入りかけの少女にとって、カルチャーショックとも言える衝撃だった。

赤毛のアン

母の蔵書棚には『赤毛のアン』があった。
母は子育てに疲れた時に『赤毛のアン』シリーズを読んでいたらしい。
村岡花子が訳したそれを読めるようになったのは小学校高学年。あまりにも有名お話なので詳しくは書かないが、アンはようやく辿り着いたグリーンゲイブルズで夢を持ち成長していく。
最初は男の子が欲しかった(労働力をあてにしていたから)養親の老兄妹は、
アンを迎えたことで、その人生も幸福で彩られていった。

上記の2つのコンテンツにたまたま触れたことで、「養子」という家族の在り方をわたしは知った。海外のコンテンツだったこともポイントだったと思う。日本人が養子縁組に持っている心理的バイヤスをクリスチャンはあまり
持っていないのだろう。

そして、養子を迎える制度もわたしは幼い頃から知っていた。

毎日新聞 あなたの愛の手を

両親は毎日新聞をとっていた。
新聞の4コマ漫画を読める頃になると、毎週日曜に掲載される子どもの写真に目が留まった。とびきり可愛い写真の子は、親を探しているという。
それから毎週(今日まで)わたしは「あなたの愛のを」の記事を読み続けている。

このように書いていると、最初から養子縁組意識高い系に思われるかもしれないが、そうではない。他人事だった。
30歳で子宮体ガンと診断されるまでは。

子どもが欲しいのに、子宮を取れとな!

結婚して2年目。特に焦ってはいなかったが、年々ひどくなる月経痛もあって、婦人科を受診した。
年齢も若かったので、自然に妊娠するよ~と先生には言われていた。
ただ、子宮内膜にある小さなポリープが着床の邪魔をしているかも、ポリープ取ってきて~と軽く言われ、近所の医大付属病院を紹介された。

ポリープを取ること数回、付属病院の担当医から電話が掛かってきた。
「今回採ったポリープからがん細胞が見つかりました」

卵巣を含む子宮全摘出した方がいいと告げられた。


琵琶湖 日常の風景

1回では書き切れないようです。
この夏の間、少し時間をかけて「人生最大の決断」を振り返らせてください。










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