チマチョゴリ戦記㉕

宿命

（前回までのあらすじ）
フェンスを破って突然襲ってきた朝鮮高校のヤンキーに母親をボコられ復讐を誓うエレン。熱意がみとめられ、裏口からトンキン帝国大学に入学できることが決まったものの、朝鮮人を憎むエレンもまた朝鮮人であり、戦うことに葛藤を抱え始める。そんな時、ミカサとアルミンに、朝鮮人は強制連行されてきた人々、或いは、日本軍の人体実験によって怪物にされてしまった人々の可能性があることを教えられる。さらに、日本人と朝鮮人をわざと戦わせている存在がいることをエルヴィンから示唆され、真の敵は朝鮮人ではなく、日本人と朝鮮人を戦わせている何かだということに気付く。エレンは抱えきれなくなった心の葛藤をライナーに吐露してしまうが、日本はそもそも朝鮮王アマテラスが作った国であることを知ってしまう。ライナーとアニは、日本人の始祖であるアマテラスの血筋を探すために朝鮮半島から日本に密入国して来たのだった。トンキン帝国大学・壁外調査団はエレンのルーツを調べるためエレン宅の地下室へと向かったが、そこで見つけた戸籍抄本に記されていたのはラピュタ。エレンは、朝鮮王の称号・アマテラスを意味するラピュタの名を受け継いでいたのだった。ライナーとアニは、エレンが自分たちが探していた始祖の血脈だと知って襲い掛かるが、エレンも怪物に変身して応戦。そこに突如、猿の怪物が現れライナーとアニを助けに入るが、なんとその猿はエレンの腹違いの兄・ジークだった。ジークによれば、日本では、王のエゴによって朝鮮人が在日朝鮮人と日本人に分断され、わざと対立させられているということだった。王の意図を知り怒りに身を震わせるエレンだったが、エルヴィンからさらに新しい事実を聞かされる。実はアマテラス家は既に滅ぼされており、王政がチンム家に乗っ取られているというのだ。

登場人物相関図

・トンキン帝国大学・壁外調査団（朝鮮高校と対立している）
　　エルヴィン（団長）
　　リヴァイ（アマテラス（始祖）の分家だった）
　　エレン（アマテラス（始祖）の本家だった）
　　ミカサ（アマテラス（始祖）の分家だった）
　　アルミン

・朝鮮高校（トンキン帝国大学・壁外調査団と対立している）
　　日本に強制連行されてきた人々
　　怪物になれるのは日本軍の人体実験の影響

・朝鮮半島からきた日本軍の特殊部隊（朝鮮人で構成されている）
　　ジーク
　　ライナー（トンキン帝国大学・壁外調査団から離脱）
　 　アニ（トンキン帝国大学・壁外調査団から離脱）

・王家
　　アマテラス家（日本にやってきた最初の朝鮮人の家系だが、それを隠すために、ラピュタという隠語で呼ばれている）
　　チンム家（アマテラス家を滅ぼし王政を乗っ取った勢力）

補足：エレンは朝鮮人だと知らずに日本の学校に通っていた在日朝鮮人だった。エレン以外の日本人も、もともとは朝鮮王アマテラスの末裔であり、みんな朝鮮人だった。そんなエレンたちが壁外にある朝鮮高校と対立している。つまり、「日本に住む人々」を、三者の朝鮮人として描いている。ライナーとアニは本土から来た朝鮮人である。

大朝鮮帝国建設局・日本支部オープニングテーマ

（トンキン帝国大学・英文科談話室）

エレン

じゃあ、アマテラス家は既に滅んでるんですか？
そのチンム家は、、なぜ、アマテラスの記憶、、俺たちが朝鮮人だっていう記憶を消したんですか？

エルヴィン

ああ。アマテラス家はとうの昔に滅んでる。
でも、王族は細々と生き延びてる。
記憶が消されたのは、、、それは、王家の宿命みたいなもので、次の勢力に倒されると、記憶（歴史）が改変され、都合よく利用されるんだ。日本という国が形成される過程において、あたらしい王家にとって都合の悪い過去の歴史は消され、アマテラスは都合よく神として利用されたんだ。そして、律令制（法体系を基礎とした統治機構）という仕組みのなかで、国家において差別の構造が作られ、それが利用されてきたんだ。国家は、、差別の構造を欲しがるんだ。国を安定させるために。リベラルを謳う新聞社が弱者を欲しがるようにね。

エレン

なんだって！
エルヴィン団長、なんだか歴史の宿命みたいに言うけど、あんた頭がおかしいんじゃないのか！！歯を食いしばれ！ぶん殴ってやる！

リヴァイ

おいエレン。いい加減にしろ。
お前は始祖の血脈のようだが、頭はいまひとつ弱いようだな。
エルヴィンはそんな話してないだろ。カッカするな。
抑肝散を飲んで落ち着け！

ミカサ

リヴァイ兵長は黙ってて。エルヴィン団長は、腰抜けだ。
エルヴィン団長は腰抜けだ。

アルミン

まあまあ。みんなおちついてよ。
きっと、もっと構造的なんだよ。システマティックに管理されてるんだよ、きっと。

エルヴィン

そうだ。
王家のエゴだけで歴史が消されるわけじゃない。
王家を中心とした統治機構がシステムとして歴史を消すんだ。
政治家や、新聞社や、そして国民の意思が。

エレン

国民の意思！
は？何言ってんだオッサン！！

アルミン

まって、エレン。
エルヴィン団長の言う通りだよ。
だって、エレンだって。自分が朝鮮人だって知る前は、朝鮮人を差別していたでしょ？自分が在日だって気付く前は、、、エレンも差別主義者だった。そうじゃないの？エレン。

エレン

うぅ、うぅぅ。
おいアルミン、、、胃薬もってるか？
おまえ、、ストレートすぎだろ。
言葉の力を軽視しすぎてるぞ。言葉は簡単に人間を殺すこともできる。

アルミン

その通りさ。
国家を外側から援護する新聞社だって、統治機構に組み込まれてる。
夏目漱石だってその構造の中にいるんだよ、エレン。
そんな新聞の役割なんて知らずに、毎日お金をはらって新聞を買って自分から洗脳されたいと願う家畜である僕らも、、、統治機構に組み込まれてるんだ。
だから、、、みんな気が付けない。
だから、、、、、気が付いた人がやるしかない。
そうだろ？
真実を知ってしまった人がやるしかないだろ！！じゃないと、いつまでたっても世界は変わらない！そうだろ！エレン！
Go for broke（当たって砕けろ）だ！！

エレン

おいおいアルミン。マサ斎藤で俺を鼓舞するのか！！
アルミン！おまえ！
マサ斎藤で俺を鼓舞するのか！！！！！！！

Go for broke！（猪木より強い！）

つづく

大朝鮮帝国建設局・日本支部エンディングテーマ