一人語り台本

お時間があれば見てアドバイス頂けたら光栄です。よろしくお願いします。

俺はかっこよくない。けどそこまで不細工だとも思っていない、中の下くらい。中トロの中でも大トロに近い中トロと、赤身に近い中トロがあるように、俺は赤身に限りなく近い中トロ、もしくは赤身の中でも中トロに近い赤身なのかもしれないけど、身長はそこそこ高いので、すこし中トロに近づけることを許して欲しい。

 そんな僕にも好きな人がいる。その子は大トロだ。別にその子を知らない人から見たら中トロ、もしくは中トロに近い赤身かもしれないけど、僕にとってその子は間違いなく大トロだ。

 最近思うことがあって日本には、「爪の垢を煎じて飲む」と言うことわざがある。意味は優れた人の行動や発言を真似るみたいな意味だったきがする。けどこのことわざ別に「爪の垢を煎じて飲む」にする必要はなかったんじゃないかと思う。だってめっちゃきもいじゃん、爪の垢を摂取するのに、一工程挟むんだよ?

 俺だったらこの言葉、友達と喧嘩して謝るために、君の爪の垢を飲めるほど反省してる、だからごめんて、謝罪の意味にするな、これもこれで違う気もするけど。

 だって優れた人の、爪の垢は煎じて飲んでも意味なし。まず飲みたくないし、あくまでことわざだからほんとに飲むわけではないのはわかってるけど、もっと他の言葉があったんじゃないかな。

 爪の垢も煎じて飲むなんてありえないと思っていけど、最近になって考えが変わった。大トロのあの子の爪の垢は飲める。なんなら少し飲んでみたいという、興味まで湧いてきた。 

 これが愛というものなのかな、多分その子の爪の垢は、フルーティーな香りがして、甘くて、その甘さの中にも奥行きがあるような味なんだろうなと、いつも想像している。いつか飲みたいな。

 だけど、多分それはできない。僕はその子に嫌われている。怒らせちゃって、しばらく話せてない。もう学校も卒業で、一生会えなくなるかもしれないから、最後に言うんだ、言うの恥ずいけど、このまま卒業したくないからね。
 「君の爪の垢を煎じて飲みたい」って

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?