見出し画像

花弁の言い訳

自分を作り変えるために
私はたくさんのあなたたちを必要とする

でもあなたたちをたくさん従える手段を間違うと
私はわたしに戻されてしまうので
私はあなたたちを丁重に扱うし心底愛を与える

時々逢いたいと血を流すような告白もされるし
色んな人の皮膚の裏側を目に焼き付けたりもする

そういった強引な運命を与えられて引付た私は

右も左も全く分からない場所で
穏やかに微笑んでいたわたしを可哀想だったと

私は自己憐憫は恥かしらとか呟いて、
思いのままに切先から身を投げると

そこら中で咲いていたわたしは
長い間あなたたちの言いなりだったけれど

それは輪が閉じる前の短い祭の鼓動
汗ばんだ肌はもう少しづつ冷めているので

いつものように虚脱した朝焼けの中、
私はまだ隣で寝ていた兄の腕を噛んだ

それは古い血の味がして
花の蜜のように私を引き寄せた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?