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白雪姫

 むかしむかし、あるお城に、女の子が産まれました。色白でかわいらしいことから、『白雪姫』と名づけられましたが、お母さまは、すぐに病気で死んでしまいました。

 お城には新しいお妃(おきさき※王様の妻)がやってきました。お妃は、毎日ふしぎな鏡に話しかけます。
「鏡よ鏡。この世で1番美しいのはだあれ?」
「それは、このお城にすむ白雪姫です」
 怒ったお妃は家来を呼びつけました。
「白雪姫を森へつれていって殺しておいで!」

 しかし、それをかわいそうに思った家来は、白雪姫を森の奥へにがしてあげました。

 白雪姫が泣きながら森を歩いていると、かわいい小さな家が見えてきました。
 家の中には、小さなテーブルと7枚の小さなお皿。白雪姫は、お皿のごちそうを少し食べると、小さな7つのベッドをならべてねむってしまいました。

 やがて、仕事を終えた7人の小さなこびとたちが、歌いながら帰ってきました。
「あれ?お皿のごちそうがへっているよ」
「ごらんよ!だれかがねむっているよ」
 こびとたちはびっくり。でも、美しい白雪姫を、朝まで休ませることにしました。

 朝になると、今度は白雪姫がこびとたちを見てびっくり。
「勝手に入ってごめんなさい」
 白雪姫の話を聞いて、こびとたちは白雪姫にいいました。
「ずっと、ここにいてもいいからね」

 それからしばらくたったある日、お妃がまた鏡に話しかけます。
「鏡よ鏡。この世で1番美しいのはだあれ?」
「それは、森で暮らしている白雪姫です」
「白雪姫は死んだんじゃなかったのかい!」

 そこでお妃はリンゴに毒をぬり、リンゴ売りの姿で白雪姫のいる家にいきました。
「おいしいリンゴはいかがかね」
「まあ、ありがとう」
 毒のリンゴをひと口食べたとたん、白雪姫は倒れてしまいました。

「白雪姫が死んじゃったよ!」
 なげき悲しむこびとたちのそばを、遠い国の王子さまが通りかかりました。
「なんて美しい人だろう」
 わけを聞いた王子さまは、白雪姫をお城へつれて帰ることにしました。

しかし、ガラスの棺を運ぶ家来がつまずいた拍子に、口の中からリンゴのかけらがポロリ。白雪姫が目をさましました。
「おお! 生きかえったぞ!」

 それをふしぎな鏡で見ていたお妃は、怒って鏡を床に投げつけました。
 ガシャーン!
 鏡の割れたかけらが胸にささり、お妃はとうとう死んでしまったのです。

 やがて白雪姫と王子さまは結婚し、いつまでもしあわせに暮らしました。

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