見出し画像

アリババと40人の盗賊

 むかしむかし、ペルシャという国にアリババという若者がいました。
 ある日、アリババが森へ木を切りにいくと、なにやら奥の方から声がします。そっとのぞいてみると、大きな岩の前に、たくさんの荷物を持った40人の盗賊たちがいました。
 その親玉らしい男が、大声でさけびました。
「ひらけ〜、ゴマ!」
 すると、岩がスウッと開き、目の前にほら穴があらわれました。盗賊たちは、穴の中に荷物をしまって、帰っていきました。
 アリババも、おそるおそる真似をします。
「ひらけ〜、ゴマ!」
 同じように岩が開きました。穴の中は金貨や宝石でいっぱいです。
「すごい!ここは宝のかくし場所だ!」
 アリババは大よろこび。運べるだけの金貨を持って、家に帰りました。

 しばらくして、盗賊たちは、金貨がずいぶんへっていることに気がつきました。そして、アリババが急にお金持ちになったことを、うわさ話で耳にしたのです。
「くそう、あいつのしわざに違いない!」
 ある日、盗賊の1人が、ついにアリババの家を見つけてきました。
「おかしら!やつの家の玄関に、目印をつけてきやしたぜ!」
「よし、今夜、やつの家をおそってやるぞ」

ここから先は

516字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?