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O.メシアン「トゥーランガリラ交響曲」を聴きに


3月16日は、こちらに行って来ました

地球の絵が氣になったフライヤー

旅行は、綿密に下調べをして計画を立ててから出掛ける旅や、ポイントだけ決めておいてあとはフリーで臨機応変にという旅など、ある程度情報を入れておいてから行くことが多いのですが

音楽や美術に触れる時には、出来るだけ真っ新な状態で自分の感覚を自由に広げて味わいたい…という氣持ちもあり、自分の中に知識・情報のフィルターや枠が先に出来てしまわないよう、メシアンのことも、トゥーランガリラ交響曲のことも下調べはせず、ミューザ川崎シンフォニーホールに聴きに行って来ました

ミューザ川崎シンフォニーホール外観

さて

ここから、真っ新な状態で感じた素朴な感想です

シンフォニーホール

コンサート開始前には

指揮者とソリストの3名でのプレトークがありました

指揮者・夏田昌和さんの装いは、黒

ソリスト・大須賀かおりさんは、赤

ソリスト・大矢素子さんは、萌黄色

…まず、ここで、女性2人の衣装の色は、打ち合わせをされていたのか自由だったのか、氣になりました

色のバランスが良かった
色は、氣になります

指揮者・夏田さんのナビゲートでトークが進みます

“どうしてその楽器を?”と質問された時、大矢さんは

“変さ”と即答!!

その楽器と出逢い見そめたきっかけが
“変さ”だったという素敵な理由にニンマリ

その“変”と言われた楽器…オンド・マルトノ
私は初対面でしたが
プレトーク中に音を聴いて期待が膨らみました

演奏が始まると


途中で

宇宙音のような鳥の鳴き声のような不思議な音が…

オンド・マルトノ✨

人間世界の中に、時々、とぼけたように
鳥が遊びに飛んで来るような感じで

だんだん想像が膨らんでいきます

そのうち

「人間だけでなく、鳥も座って一緒に演奏していたら面白いな…」と思うようになり、思うようになったら、人間と同じ位の大きさの黒い燕尾服を着た鳥が舞台の上手前列の椅子に座って演奏している姿が見えてくるように…

「でも、鳥は座ってはいないか…自由に飛ぶだろうな…それに決められたところでは鳴かないだろうな…スコアがあるから《そこ》で鳴くことになっているけど…」と思い始めると、頭の中はどんどん飛んでいき

 
自分の体験と重ね合わせて
いろいろ思いが飛び回ってしまうモードに

ところで

野外で踊る時、小鳥や烏や虫が鳴いたり飛んでくることがあるのですが、その絶妙なタイミングに驚いたり嬉しくなったりします

鳥や虫が、その場で、響鳴…演奏
しているように感じることがあります

なので

「この演奏会が森の中で行われていたら、
鳥たちは、どこで、どんな風に鳴くのだろう…」
と想像しながら演奏を聴いていました

そして

「鳥と打ち合わせは出来ないから(…ひょっとしたら将来的には出来るようになるかも知れないけれど)鳥や虫、風や天候などと生きる時には一期一会な即興でしか成立しないけれど、再現性…作曲の中で、鳥の鳴き声や自然現象の音を入れる時には、どこにどんな風にどんな音で入れるか…矛盾や板挟みを感じながらも音符に祈りを込めて《そこ》に置いて、魂を宿していくのだろうなぁ…」などと、作曲家メシアンに勝手に想いを馳せながら演奏を聴いていました

音楽の専門的な知識はないので、
今の自分が、自分の五感で感じるもの
でしかないのですが

その中で一番感じ入ったのは

夏田昌和さんの指揮がとても美しかったこと

まるで、踊りを観ているようでした

優雅・エレガント

鳥が羽ばたいているようにも見えました

踊る時
動きから音が聴こえてくるように
動くことで(動かなくても)空氣を動かせるように
“自”の響きが粒の振動・波動で伝わって
“自の外”にも響くよう…心がけ精進しているのですが
そんな視点で
指揮者と音楽と空氣との関係性を味わいました

演奏のクライマックスでは

鳥のように羽ばたく指揮者の動きに、演奏家も音も聴衆も会場の空氣もギューッと吸い込まれていき、空氣が極限まで凝縮圧縮したところでパッと手放し緩んだ瞬間、フワッと全体が浮き上がった浮遊感を味わえて

氣持ち良かった

そして

カーテンコールでは

指揮者・夏田さんが、演奏家ひとりひとり讃える姿も、舞台袖にハケる時に人を敬い心遣いされる姿も、その行動がとても美しく印象的でした

カーテンコール

終演後は

鳥の声を奏でていた 
オンド・マルトノ
ピアノ
チェレスタ
ジュ・ド・タンブル

舞台の近くに行き、楽器にご挨拶したあとロビーへ

開演前には氣づかなかった当日パンフレットが、出口近くに置いてあったので一部頂いて、帰途へ

そして

帰宅後

感じてからの学びが始まる
パンフレットを読んでみる

『メシアンは自他ともに認める鳥類学者で、特に鳥の鳴き声についての膨大な採譜で知られる。自然の事物の中でも、なぜとりわけ鳥の鳴き声に強い執着を示しているのかについて、メシアン自身も「なぜだかわからないが」としている』と書かれてあった

「何故だかわからないが」という理由に本質はある
…と思っているので
このエピソードを知れて何だか嬉しくなった

そして、パンフレットの中に
「共感覚」「色聴」という言葉も見つけ
言葉としては知らなかったけれど
実感としてある別の共感覚が氣になり
その周辺を調べてみて納得することもあり
演奏を聴けたことだけでなく
行って、知れて、良かったと思いました

ところで

【トゥーランガリラ】という言葉は
サンスクリット語の組み合わせとのこと

この日に聴いた演奏は

【トゥーランガリーラ】と感じました

この曲が好きかどうかは別にして

いつか

サンスクリット語の組み合わせが意図する

【トゥーランガリーラー】

な交響曲の演奏も

聴いてみたい

森の中で人間がこの曲を演奏したら

鳥は

どこで

どう鳴くのだろう…

現代の矛盾に満ちた人間社会を写す鏡のように

宇宙に於ける

神の

遊戯


「70才でHIMIKOを踊る」の天啓を受け、アーティスト名「ERIKO・HIMIKO」とし、人生を賭けて舞道を探求中。宇宙と魂と意識の関係性を研究。70才までに「HIMIKO」からのメッセージの謎を解き真意に辿り着くことは出来るのか。メッセージの向こうに何があるのか。