『増資インサイダー』??

【無料コラム】『株式市場の“盲点”を斬る!』
株マイスター バックナンバー(2012年7月5日更新)

野村など証券大手で相次ぐ『増資インサイダー』…横行する黒い取引の“裏事情”に迫る!

インサイダー取引

TOB(株式公開買い付け)や公募増資などに絡んだ、証券会社による内部情報漏洩が相次いでいます。証券取引等監視委員会は今年に入りすでに、野村証券の3件を含む4件のインサイダー取引を摘発。元執行役員が逮捕されたSMBC日興証券は、4月にも公募増資に絡んだ情報漏洩で金融庁から業務改善命令を受けました。

現行の金融商品取引法では、インサイダー情報の提供者を立件するハードルが高いため、いずれの4件の違反に際しても証券会社側は罪に問われず、課徴金処分の対象にもなっていませんでした。しかし今回、横浜地検はSMBC日興証券の元執行役員が情報漏洩を繰り返した悪質性を重視し、証券会社側も立件に踏み切ったとみられます。

野村証券では、外部の弁護士からなる調査委員会が29日、調査報告書を公表しました。情報漏洩は機関投資家営業部が主導し、部長らが投資銀行部門などから情報を入手していたといいます。この部署について報告書は「収益の数値目標を達成するためには、手段を選ばない営業姿勢だった」と指摘。中込秀樹弁護士は会見で「部を挙げて(不正を)やっていた」と述べました。

しかし、このような調査結果を待つまでもなく、野村のような古参の証券会社がインサイダー取引に手を出すという流れは、はるか以前から予言できたことなのです。

証券業界

証券業界にとって、この10余年は“大変動”の時期。手数料の自由化とネット証券の参入から、大規模な価格破壊が起こりました。野村や大和といった古参企業はこの流れについていけず、長らく苦戦を強いられています。

製品・サービスに特色や優位性がなく、業界他社と大差ないものを売っている企業を「コモディティ企業」といいますが、証券業界自体がこのような特性をもっているため、価格競争に晒されるのは当然の流れ。投資家からしてみれば「株はどこで買っても同じ。それならば、安いところで買おう」と考えるのがふつうです。しかし、野村のような企業には価格破壊以前の“高コスト構造”が今だに残っているため、あっという間に格安手数料を売りにした新参の企業に遅れをとってしまいました。

手数料ビジネス

普通に株式取引の仲介やファンドの手数料をとっているだけでは利益が上がりません。そこで「他社が持っていない、大きな価値のある商品はなんだろう」と考えたとき、たったひとつ残されたのが「インサイダー情報」でした。

証券会社は、企業から依頼されてTOBや公募増資の実務を引き受けますが、これらの情報は株価の動向と直結しているうえに、競合他社が持っていない“希少性”の高い情報。TOBや増資などの情報を顧客に提供することで販売につなげられるため、苦境に陥っていた古参企業にとっては又と無い“挽回のチャンス”となったわけです。

価格競争に晒される手数料ビジネスから、顧客利益を追求する“情報ビジネス”へとシフトした点は正解でしたが、インサイダー取引が違法であることに変わりはありません。合法かつ商品価値のある情報は当然あるわけですが、仕入れコストがないため“手っ取り早く”利益につながるインサイダー情報に目が向かってしまうあたり、野村をはじめとした古参証券の“無法者ぶり”はかなり根深いとみられます。

しかし、すべての証券会社がこのような黒い取引に手を染めているわけではありません。低価格で高品質のサービスを提供している新興ネット証券などは、インサイダー取引などに手を出す必要はありません。経営の効率化をすすめて“真っ当に”利益を上げる新興証券と、旧態依然たる経営のまま相変わらず違法取引に逃げ道を求める古参証券。証券業界においてこのような“二極化”が進んでいくのは間違いのないところでしょう。

情報至上主義

経済評論家・堺屋太一氏が1985年に「知価社会」(情報が価値をもつ社会)の到来を予言して以来、世界は確実に“情報至上主義”の道を歩んできました。株式投資の世界においてもこれは顕著であり、投資で成功するうえで無視することができない“現実”といえます。

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振り返りの一言

インサイダーに関するニュースは、いまだに良く聞きますね。

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