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ツバメの巣作り:小さな職人たちの、愛と努力の物語


春の訪れを告げる、愛らしい小さな職人

日が少しずつ長くなり、陽気な声が聞こえてくる頃、私たちの街には、愛らしいゲストがやって来ます。そう、旅鳥のツバメです。

彼らは、長い旅を経て、再び私たちのもとへ帰ってくるのです。そして、その帰国とともに始まるのが、彼らの精緻な技が光る「巣作り」です。

ツバメが低空飛行すると雨が降るという言い伝えは、みなさんも耳にしたことがあると思います。

ツバメは、昔から人々の生活に身近な鳥であり、様々な言い伝えが生まれてきました。それだけ、私たちの生活に馴染みのあるツバメのお話をしたいと思います。

泥と枯れ草で紡ぐ、愛の巣

ツバメの巣は、泥と枯れ草を唾液で混ぜて固めて作られます。その形は、まるで椀をひっくり返したような、可愛らしいもの。

泥集め、巣の形作り、枯れ草集め、内装仕上げ、それぞれの工程を、オスとメスが協力して行います。

巣作りに、小さな体で懸命に泥を集め、丁寧に巣の形を整える姿は、まるで小さな職人のよう。その根性には、感服せずにはいられません。

約2週間かけて完成!愛の結晶

2週間ほどかけて、ようやく巣が完成します。完成した巣は、まるで芸術作品のよう。泥の滑らかさ、枯れ草の絶妙な配置、そこには、ツバメたちの愛情と努力がぎゅっと詰まっています。



春から夏にかけての、かけがえのない時間

巣作りが終わると、ツバメは卵を産み、子育てを始めます。卵は2~3週間かけて孵化し、雛は2~3週間かけて巣立ちます。子育ては4月末から始まります。

一般的に1シーズンに1から2回子育てをしますが、条件が揃えば3回子育てをすることもあります。子育ての1回目のピークは5月、2回目のピークは7月と言われています。

また子育て1回あたりの産卵数は4から5個で、卵は1日に1個ずつ生んでいきます。巣立ちが終わると、ツバメたちは再び旅立ち、夏に子育てを終えたツバメは秋になると東南アジアへ渡ります。

暖かい東南アジアで冬を超えたツバメは春になるとまた日本へやってきます。
ツバメの巣作りは、春から夏にかけての、かけがえのない時間です。

私は、彼らの精緻な技と、愛情に心を動かされました。


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