兄のマウント型/嘲笑型コミュニケーションを考える

兄が子を授かって7年ほど経つ。弟である私の不安を煽るような情報が入って来た

「つい冗談で」、子どもをからかっていませんか?

アメリカ、カナダ、スウェーデンの共同研究では、親の嘲笑・敵対・拒絶的な教育によって子どもの感情コントロールが機能不全に陥り、いじめの加害者になるリスクが急増することが判明しています。

しかも、そうした子どもたちは、加害者だけでなく被害者になるリスクも同様に高まるとのこと。

上記より引用

子供をからかうのは止めた方が良い、と云うシンプルな記事だが、この内容は私が弟として常々感じていた危惧を、かなりピンポイントで突いており、とてもビックリした。あまりこういった記事を真に受ける事はしないのだが、残念ながら首肯せざるを得ない。
兄は人を滅茶苦茶からかうタイプなのだ。このからかい行為は彼の息子へも向けられてしまう

兄はどうしてからかい行為をしてしまうのだろうか、と考えた事が有る。
私の体感では、兄がコンプレックスを沢山抱えている点が重要だと感じる。彼の嘲笑型コミュニケーションはコンプレックスの裏返しであり、周囲へのマウントでもあると、そんな風に感じられるのだ。
兄は友人を招いて庭でバーベキューパーティーを開いたりするので、彼が友人達とどのようにコミュニケーションを取るのかは良く知っている。私もバーベキューに参加するからだ。
私の交友関係と比較して、兄の交友関係はマウント型/嘲笑型コミュニケーションがかなり多い。俗に言う陽キャをイメージしてもらうと近い筈だ

男性とは不思議なもので、こういったマウント型や嘲笑型の交友関係は意外と長続きする。強固な信頼関係が有るからこそ成り立つのだろう、と予想出来る。
私の淡白であっさりした交友関係が脆かった事を鑑みると、男子は本来なら兄の様なコミュニケーションを取るべきなのかも知れない

しかし、こういったやり取りが子供へも向いてしまうのは頂けない。兄は子供を滅茶苦茶からかうし、子供へのマウント行為もかなり取っている。
もしかしたら、奥さんにも同様のコミュニケーションを取っているのかも、と頭をよぎる事はしばしばだ。正直、嘲笑型コミュニケーションの女性ウケは最悪だと思う。私は女性経験がないので予想に過ぎないが、母や姉ならばブチキレているだろう

そして非常に悩ましいのが、兄の子もマウントや嘲笑を進んで行う事だ。子供だからしょうがない、とは思えない程の量である

・ダサいと思った人に面と向かって「ダッサ」と言ってしまう
・自分の方が格好良い/優れていると主張する
・出来ない事を「出来る必要が無い」と主張する
・他人の持ち物を貶し、自分の持ち物を褒める
・他人が自分よりも劣っていると主張する
・あの子には罰を与えるべきだと進言する
・人の失敗を笑う
・「詰まらない」「要らね」などと、他者の価値観を一刀両断する
などなど。
1つ1つは子供ならば誰でもやってしまう事であり、別段危惧する事ではない。しかしどう見ても量がかなり多いのだ。
私は母園に顔を出したり、甥っ子の友人達と接したり、姉が連れて来るママ友の子と接したりして、兄の子は少し浮いている事を度々実感する

私だって無駄に学生時代を過ごしてはいない。どんな男の子がどんないじめに遭うのかをハッキリと覚えている。記憶の中に居るいじめられっ子達と兄の子は結構似ていると思うし、記憶の中に居るいじめっ子達には瓜二つだと常々感じていた。
そこへ冒頭の記事が飛び込んで来たのだ。楽観的な私も流石にちょっと不安を覚えた

私はフロイトなどをあまり支持していないので、コンプレックスが形成される過程を全然覚えていないが、周囲と比較する事でコンプレックスが生まれるのだろう、と想像は付く。兄はよく周囲と自分を比較していたのだ。
頭脳・体格・収入・家柄・家屋などへの愚痴をよく零していたと思う

私の家は散らかっているので、家屋への愚痴は分からないでもないが、兄は建築面での貧相さを嘆いており、随分贅沢な感性の持ち主だなあ、と不思議に思っていた。どうやら金持ちのクラスメイトが居たらしい

そんな兄のコンプレックスは子供に伝染しており、兄の子はみすぼらしい家を見つけると「わあ、ボロッちい家。信じられない」などと抜かしてしまい、母の叱責を買っている。
彼は周囲の反感を買わずには居られない男の子に見える。今時の大人は基本的に怒らないが、クラスメイトは協調性の無い子を甘やかしてはくれない。いずれそういった大切な事には自分で気付くと思うので、そこまで心配は要らないとは思っているが、時々冷や冷やするのは間違いない

とは言え、マウントや嘲笑が世渡りをする上で大事なスキルである可能性も高いと思う。兄は生涯独身に成る事を避けたかったらしく、コンプレックスをバネに幾つかの目標を達成している。兄の子もそういった道が開けているのだ、と考えようと思う

ネットだと成功者は虐めっ子側に多いと云われる。あながち間違いでもないと思う。冒頭の記事では「子供をいじめっ子にしない為に、からかい行為は控えるべきだ」と主張するが、案外そういったコミュニケーションを取る両親は成功者なのではないかとも思うのだ

私は今まで沢山ブログを読んで来た。お金持ちや経営者のブログもかなり見かけたと思う。そして成功者は案外いじめられた経験も豊富だと知った。
彼らのコミュニケーションは嘲笑とマウントを基幹にしている。私はそういったコミュニケーションを好まないが、全否定する事ではないとも思っている。
社会の中で担う役割が、兄と私では異なるのだろう、と思っているのだ。兄の子を危惧するのは余計なお世話かも知れない、と結論して於こう

2024年10月03日