こどおじFIRE問題など存在しない(に等しい)

みずほ銀行のレポートが話題らしい

https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/report/2024/pdf/insight-jp240829.pdf

長々語っているが要点は1つだ。「単身者の増加によるインフレ圧を警戒せよ」と言っているだけに過ぎない。みずほ銀行の河田皓史さんは大切なことを見落としている

インフレすれば良いじゃん!

という視点だ。何故かインフレを悪し様に語っている。インフレに恨みでも有るのだろうか?

まず、そもそもインフレ圧に成る程のFIRE民は発生しないと思う。FIREは1億円近い資産が必要だ。
過去を見渡すと、アベノミクス期間中に富裕層が70万世帯増加した。投資家の男女比は65:35くらいだったと思うので、男性は45万人くらいだと思う

個人資産1億円以上の人の割合はどう変化している?

同じく株式会社野村総合研究所の調査によると、2011年~2021年までの10年間で「超富裕層」は4万世帯、「富裕層」は63万5000世帯増加しています。合計すると、資産1億円以上の世帯が67万5000世帯も増えているということです。

ヤフーニュースより

そして同じく、アベノミクス期間中に外国人労働者は100万人増加している

https://www.works-i.com/column/wage/detail004.html

これを無視して労働供給量の低下に依るインフレを考えるのだろうか?

FIRE民は何だかんだ言っても高学歴/高収入である。年収500万以上とかが殆どだろう。サイドFIREとかいう概念もあるらしいので断言はし辛いが、高収入の人間が早期退職してもインフレへの影響が有るとは思えない

もっと継続的な最低賃金の上昇や、石油などの価格を警戒すべきだ。
例えば最低賃金が上昇すると103万円の壁に到達するスピードも速くなるので、兼業主婦や学生は労働投入量を減らす筈だ。しかし需要は簡単に低下しないので、経営者はより多くの労働者を雇うか、フルオートメーション化する選択を迫られる。
すると価格転嫁も出来ずオートメーション化も出来ない会社は倒産しがちに成る。外国人労働者を幾ら雇おうが大して節約には成らない。彼らも最低賃金以上を貰うからだ

与党は2035年までに全国で最低賃金1500円以上を目指している

「舐めた企業はさっさと倒産しろ」

と言っているのだ。実に手厳しい。コテコテのマッチョイズムである。
補助金ビジネスに手を染めている経営者はしぶとく生き残るかも知れないが、今後は倒産が日夜世間を騒がせるだろう

実際に2024年の時点で結構報道が有る。
飲食業の倒産過去最多
医療機関の倒産過去最多
介護事業の倒産過去最多
ラーメン店の倒産過去最多
老舗企業の倒産過去最多
などなど。数多くの業界が倒産しまくっている

子供部屋おじさん達が労働供給を減らすまでもなく、日本はインフレまっしぐらだ。何故なら日本政府がインフレを望んでいるからである。河田さんはプラスアルファに過ぎない要素を懸念し過ぎだと感じる

将来を不安視する性格の人は投資を考えて良いと思う。日本国民ならば税金を納めていると思うので、実質的に税金で投資をしている状態である。政府は税金で色々と投資をしているので、私達は金融資産と無関係では居られない

なお、みずほ銀行のレポートでは少子化にも若干触れているが、少子化の現実的な打開策など存在しない以上考えるだけ無駄だろう

このレポートをもって子供部屋おじさんを批判するのは不当である。
社会の重責を中高年男性や独身男性達に背負わせるのは、いい加減に止めるべきだ。私は90年代生まれだが、やたらと批判されてばかりの氷河期世代には同情する。
社会なんて崩壊したらしたで、それで良いのだ。未来の国民達は上手くやって行くだろう

というか、本当にレポートを読んだのだろうか。
単身者の増加に依る消費傾向の変化を考えたり、単身者は貯蓄が少ない事を述べたりなど、子供部屋おじさんにはデフレっぽい面も有る。親の介護をしている人も多い筈だ。
FIREする子供部屋おじさんなどレアキャラである。多くは質素倹約だろう。
労働供給量低下に依るインフレを本気で気に掛けるならば、政府は就労移民をもっと大々的に招くという選択肢が有るし、最低賃金を上げないという選択肢も有った

未来とは何だかんだで上手く行く物だ。人間の認知機構はどんな社会へだって適合し得る

今後の日本では私達が労働供給を減らすまでもなく、最低賃金の上昇で企業側が淘汰され、仕事の量自体が減って行くだろう。
働かずに楽しく生きようぜ、なんて言葉が跋扈する社会も訪れるかも知れない

労働供給量が低下した未来の社会は、なかなか貢献し甲斐に溢れた社会だと私は思っている

2024年09月30日