eSIMは規制されるべきだ

時に自由経済主義者はこう宣う
「商品の選択肢が増えるのは良い事だ。消費者は自分に合う最も優れた物を選ぶだろう。AよりもBが好まれると分かれば企業は決してBを無視しないからだ。そうして優れた物が生き残り、市場を覆い尽くしていくのだ」と。
果たして本当にそうだろうか?




iPhoneがeSIMに対応しているという。面白そうなので興味本位で使ってみた。
①通信会社にeSIMを契約したい旨を打診し、
②スマホのEIDと呼ばれる32桁もある番号を提出し、
③メールアドレスに受付番号(8桁くらい)が送られてくるので、
④マイページで上記の受付番号を入力すると、
⑤QRコードが表示されるのでスマホで読み取る(スマホなどがもう1台必要)
という手順を踏む

一方で物理SIMはというと、
①物理SIMを入手
②SIMをスマホに入れる
以上だ

次にeSIM契約状態で機種変更をする場合は、
①マイページで機種変更の旨を打診し、
②新機種のEIDを送信して、
③免許証の写真を複数の角度から2枚撮影して提出し、
④顔写真を複数の角度から撮影して2枚提出し、
⑤自撮り動画を撮影して提出し、
⑥メールアドレスに受付番号(8桁くらい)が送られてくるので、
⑦マイページで上記の受付番号を入力すると、
⑧QRコードが表示されるので新しいスマホで読み取る。
⑨440円を支払う
以上だ。
なお、誤ってeSIM契約をスマホの設定画面から削除してしまった場合でもこの手続きが必要になるので気をつけよう(これも440円かかる)

そして物理SIMで機種変更する場合は、
①SIMを差し替える(0円)
以上だ。
どちらが優れているだろうか?




さて、冒頭の自由経済主義者の主張は幾つか欠陥を含んでいる。
それは

「消費者に選ばれる事が優れているという保証はどこにも存在し無い」
という事と

「結果的に淘汰される製品を購入した消費者は損をしている」
という事だ

消費者に選ばれれば優れているのなら、中古車業界最大手のビッグモーターは業界で最も優れた会社の筈であり、国内最大のアイドル事務所であるジャニーズが最も素晴らしい事務所だという事だ。
水素水だろうが偽ブランドバッグだろうが売れれば優れている商品と呼べる。
そんなわけはない。
きっと特殊詐欺やぼったくりバーに遭遇しても「あなたはお金を払いました。この取引が優れていると考えたんですよね?はい自己責任です」とでも自由経済主義者は言うつもりなのだろう

そして淘汰されてしまう製品を買ってしまうくらいなら、最初から選択肢など無い方が庶民のお財布には良い事である。生涯で稼げる金額には限りがあるためだ

eSIMという長所が特にない選択肢は政府介入で叩き潰しておくべきだ。
なにせ機種変更をする際には、eSIMを第3者に手渡す事は契約をうんぬんかんぬん、詐欺の可能性がどうのこうの、などと注意書きが飛び出してくる

こんな選択肢はそもそも存在しない方が世の為である

2024年06月10日

(ただし海外旅行をする上では非常に便利である)