ジャパニーズ・インヴェイジョンには賛同出来ない
ロックンロール愛好家でなければピンと来ないかも知れないが、かつてイギリスのバンド達が米国の音楽市場を席巻した際に、アメリカの評論家は「ブリティッシュ・インヴェイジョン」と名付けて危機感を煽っていた。これは「英国による侵略」という意味だ
現在、地球ではアメリカン・インヴェイジョンと呼ばれるべき現象が起こっている
ネットフリックスなどではアメリカの作品が世界市場を席巻しており、これはアメリカによる文化侵略であると評されても文句は言えないだろう。
自分たちはイギリスに対して「インヴェイジョン(侵略)だ!」などと言う権利は有るが、世界から自分たちが言われるのは言語道断、といった理屈は通用しない
近年、日本のアニメは海外でかなり興行を伸ばしているようだ。自国文化の隆盛は不思議と嬉しく感じるものの、私達もジャパニーズ・インヴェイジョンと成らぬように気を付けねばならない
全ての国には、その国民に依る、国内向けの芸術や文化が必要であり、1ヶ国が世界市場を蹂躙するような事は芸術の理想に程遠い。
そして日本のアニメは日本人の為に在り、輸出する為に在る訳では無いのだ。
官僚が日本のオタク産業は金に成ると目を付けているようだが、その考えは浅薄と言えよう。それは他国を侮った考えであり、自国を侮った考えでもある
真のグローバリゼーションとは全ての国がしっかりとナショナリズムを持つ事に依って完成へと至る
アニメを輸出するのではなく、どちらかと云えばアニメの創り方などを輸出すべきである
がしかし、
アニメ制作の現場環境に輸出される価値が有るのだろうか?
アニメ会社はブラックだと言われて久しい。外人に見せられる労働環境にきちんと成っているのだろうか?
外貨を稼ぐ事も良いと思うが、制作現場に金がきちんと降りて来る事の方が大事である。
アニメ愛好家にとって、アニメーターなどの待遇は気に掛かる所なのだ。興行が伸びていると聞く割には、彼らの年収が増えた形跡は薄い(私が知らないだけかも知れないが)
アメリカン・インヴェイジョンに打ち勝てる自国文化を持つ国は少数だ。こういった文化を支えている労働者の待遇が良くならないと、日本文化の輸出を伸ばす事がそれほど有意義だとは言えないだろう。
私は世界を席巻する物こそが素晴らしいなどとは一切考えない。
例え外国人が誰1人褒めなくとも、日本のアニメは素晴らしいのである
日本の文化を愛するのは私達の役目なのだ
2024年07月24日