仕事をバックレました
人生は初体験に満ちている。今週私は初めて仕事をバックレた。
「なんだ初めてか。まだまだだな。ガハハ!」と言う人が居るかも知れない(居て欲しい)
先日、最低賃金の上昇に伴い全ての時給が上がった事を喜んだばかりであるが、お局さんとの関係が急激に悪化したため、私の貢献意欲が遂にゼロと成ってしまった。4年以上掛けてじわじわと悪化し続けて居たが、ここ1年くらいの悪化ぶりは凄まじかった。原因は分からない。私と彼女のソリは絶望的に合わなかった。初日で価値観が合わない事を理解した程である
辞めたバイトは収入のメインにしていた物で、残りのバイトは2つとも不定期バイトである。よって今週からちょっとした無職状態に成った。こんな時、子供部屋おじさんは少し余裕を持っているのが強みだ。私には理解ある父と母が居るのだ。彼らは何も聞かないし、もし聞かれても事情をちらと話せば「お前が怒るなんて、よっぽどムカつくババアだったんだろうなぁ」と、きっと気持ちを汲んでくれるだろう
私には至らない点が沢山有った。
高機能な頭脳を持っていない私は、とにかく沢山走り、とにかく手を動かし、気を回したり周囲を手伝ったり、清掃や整頓に努めまくるしか無かった。とにかく動いて動いて動きまくるのだ。
ハッキリ言おう、こういった態度を責める男性はそうそう居ない。ガムシャラに動き回る男を男性陣は肯定的に見てくれる。
だがお局さんには通用しなかった
私はそこそこ貢献意欲の有る男だと自負している。この点は少し誇りにも思っている。共同体意識とか仲間意識とかを持っている。しかし職場では口下手なので行動で示しがちだ。
お局さんは言葉で示して欲しかったのだろう、と予想している。まあ今と成ってはもう関係ない
外国人実習生もある日、「アノばばあクソうざいね」と言っていたので私以外も割と困っていたのかも知れない。彼女は業務内容に対して常に完璧である事を私に望んでいたと思う。実習生達も同様に望まれていたのだろう。
だが他人の思い描く完璧な業務手順を、こちらが脳内にトレースして完璧にアウトプットする事はとても難しい。彼女の思い描く100点は、私にとっては130点に等しいハードルだ。このハードルを思い切り下回ってしまう日が、遂にやって来たのだ
彼女は今まで毎日怒っていたものの、今までは大声の愚痴が飛んでくるに過ぎなかった。だが遂に目の前でハッキリと憤怒の言葉を私に投げ入れた。大声の愚痴と憤怒に依る直接の言葉は文法がまるで違う。遂に一線を越えた、と私に知らしめた(過去に何回かは有ったと思うけれど、少しボルテージが低かった)
ペルーから来た派遣労働者と彼女が思い切り衝突した時も、そんな感じの物言いで相手を泣かせていたな、と記憶している。そのペルー人は間もなく契約解除された。ただ衝突は契約解除に関係ないと思う
お局さんも派遣社員である。契約解除されたペルー人を見て「次は私かも知れない」と泣き始めたのには驚いた。凄く不思議な光景を見た気がする
彼女が私達の前で泣くのは2度目だった。1度目は「母が亡くなって…コロナで面会謝絶で…」という、それなりに納得出来る事情だ
私は知りたい。
私とお局さんの間に出来上がった、日々の積み重ねが生んだと思しきこの亀裂は、私の能力不足が主要因なのか、それとも彼女の要求が青天井過ぎたのだろうか。まあ両方なのだろうけど。
世間はどちらかと言えば彼女を評価すると思う。会話量が多く、思った事は全て口に出し、周囲への要求や業務命令をためらわない。いわゆる仕事出来る人だ
しかしどうも一緒に働いていると、彼女が仕事出来る人扱いなのは首を傾げてしまう。
もちろん彼女を安易に、繊細さんだとかテイカーだとか、一方的な要求をして利益を引き出すフリーライダーだとは思わない。だが、何か近しい物を感じる
もし叶うなら、誰かを私の替わりに4年くらい彼女と働かせて、是非とも感想を伺いたいものだ。皆はどう感じるのだろう?とても気になる
仕事をバックレるのは初めてだが、10代の頃は色々とバックレていた。
移動教室や宿題全般、ラグビー部の応援観戦、特別授業やイベント、朝礼とか全校集会、そして専門学校を丸々バックレている。何だか懐かしい気持ちに成った。
よく夏休みの宿題をギリギリまでやらない、という例えが用いられるけれど、私は1つも手を付けずに2学期を終える男だった。
振り返ってみればどれもこれも、人生には別段必要の無い、価値が薄い物ばかりである。
お局さんと働いた経験も、これらの仲間入りを果たすに違いない
2024年09月20日