ロックマニアはなぜ共産主義に否定的なのか

ロックマニアへの偏見として、「共産主義を支持していそう」とか「左翼的な思想を持っていそう」という言説が稀に挙げられる。
これは近年、とある有名なバンドマンがネット上で政治意見を表明してしまった為に、かなり拡散されてしまった(誰とは言わないが)

実際には反・共産主義者がロックマニアに多い。理由はとても単純だ

「共産党/共産主義国家がロックンロールを弾圧していたため」である

ロックンロールを弾圧していた主な国家は以下の通りだ。
・ソビエト連邦
・中国
・北朝鮮
・東欧
・バルカン半島諸国
・東南アジア
・キューバ
・イスラム教圏域
・スペインやポルトガル

上記の一覧を見て気づく方も多いだろうが、ロックを弾圧した国家はほぼ共産主義国家である。
そしてイスラム教が支配している地域と、独裁政権を敷いていたスペインやポルトガルとなっている

次に、世界7大音楽市場(20世紀後半)をご覧いただきたい
・アメリカ合衆国
・イギリス
・フランス
・西ドイツ
・オランダ
・イタリア
・日本
以上の7か国である。共産主義国家は1つも無い。
ロックンロールの発展に大きく貢献したのは主にこの7か国だった。
ロックという音楽は資本主義の象徴的存在であり、西側を代表する文化だと東側諸国から目の敵にされていた。
また、ロックの他にはフォークとジャズが弾圧対象となっていた

なお少々特殊なロック規制の例として、
韓国・日本・インドネシアが挙げられる

韓国は立派な西側諸国のはずだが、北朝鮮を恐れるあまりロックバンドとフォークミュージシャンを逮捕して投獄していた。
この影響で韓国にはロックバンドが非常に少ない時期が長く、韓国と言えば多くの人がK-Popを連想してしまう

日本ではキリスト教婦人矯風会の圧力でテレビ業界からロックバンドが締め出されたことが有る。一方でフォークは見逃されていたため、1970年代のテレビで育った方は、フォークバンド以外の日本人バンドマンには1978年が来るまで馴染みが薄かった筈だ

インドネシアはかつて共産党が強かったためロックバンドはいなかったが、早々に共産党が弱体化しロックバンドが現れ始めた。
しかしイスラム教がインドネシアで勢力を伸ばしていったために、再びロック規制が敷かれていった

上記の弾圧/規制は1950年代から1990年近くまで続いている例もあり、ロックが輝いていた時期とかなり重なっている。
この歴史を踏まえているため、ロック愛好家には反共産主義者が多いのだ。
近年では中国でヒップホップが規制されてしまったというニュースが話題に上っており、これは聞き覚えのある方も居るだろう

そして事実上、宗教もまた私たちロックマニアの敵である

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注意点として挙げられるのは、ロックミュージシャンの側には共産主義者や左翼活動家が結構居る事だろう。
これは勤労者音楽協議会という団体の影響が今も残っているためだ。
加えてロックミュージシャン以上にクラシック系の音楽家や、音楽評論家に共産主義者/左翼活動家が多い事は覚えておいても損はしないだろう。
評論家達が展開する論壇に取り込まれてしまうバンドマンは案外多いのだ。ロック産業自体は資本主義らしい純然たる商売だと思うのだが、彼らは心の中でどのように折り合いをつけているのだろう。少々気にかかる

そのような評論家連中はもう年寄りばかりなので、放っておけばそのうち全員居なくなるだろう。
彼ら評論家たちもロックマニアの敵である

2024年06月07日