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私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために環境危機に現代アートはどう向き合うのか?

ニカ・カネル(スウェーデン)の《マッスル・メモリー(5トン)》(2023)は床に敷き詰めた5トンの貝殻の上を観客が歩くことができ、貝殻は押しつぶされ、音を立てながら粉砕されます。

コンクリートの原料である石灰石は、貝殻やサンゴ、海洋生物の骨が堆積し、数億年かけて作られます。本作において貝殻が粉砕されていくプロセスは、生物の一部が建築に近づいていく過程を示唆しています。この貝殻を建材として利活用するためには、洗浄や焼成というプロセスが必須であり、その過程では重油を原料とする多大なエネルギーが消費されるという矛盾があります。

森美術館開館20周年記念展
私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために
環境危機に現代アートはどう向き合うのか?
会期:2023年10月18日(水)-2024年3月31日(日)
会場:森美術館(東京都港区)
取材日:2023年10月17日(プレス内覧会)

6noviembre2023