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自転車置き場のおっちゃん

私の最寄りの駅の自転車置き場のおっちゃんは、自転車置き場ヘビーユーザーの帰宅時間を覚えている。
それは自転車置き場を一時利用する人が帰る時に自分の自転車が他の人の自転車に埋れて取り出しにくい、なんてことがないようなお心配りからのサービスである。

仕事をしている人はだいたいの帰宅時間が決まっているんでおっちゃんは「はい、今日も19時やな」といいながらピンクの長いシールをハンドルに巻き、マジックでキュッキュと「19:00」とシールに書き込む。

私のように帰る時間がバラバラだが毎日自転車置き場を利用している人間には、自転車を止めるなり「今日は何時や?」と聞いてくる。



毎日繰り返しているうちに、母親に怒られているような気分になる。おっちゃんの言葉は「あんた今日も遅いんか」と脳内で変換される。


「22時くらい…やけど出来るだけ早く帰って来ます。」

と言ってしまった。

おっちゃんには未確定の時間の情報は不要なのに。


おっちゃんは「よっしゃ」と言った。




なんでや。

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