ちょっと思い出したコト

ふとした瞬間、思い出す人のこと。
誰かに聞いて欲しいわけでもないけど
日記みたく書いてみます。ちょっと恥ずいケド。

出だし唐突なんですけど、
『私のおばあちゃん、世界一美味しいもつ煮作れるんです。』
これなんかちょっと気恥ずかしくてあんまし言ったことなかったんだけど、
おばあちゃんが作るもつ煮がいっっちばん美味い!!!!
そのことを唯一めちゃくちゃ共感してくれた人が居たんです、、!

井上さん。
おばあちゃんのお店によく来てくれたおじさん。
私のオカン(60)よりも5,6個年上って言ってたな。ぐらいのおっさん。
決してハンサムではないんだけど(超失礼)
大好き!五つ子のお父さん役の俳優に似てて
愛想はかなり悪いのにどこか柔らかくて。
超たまに笑ってる顔は可愛くて。

うちのばあちゃんのお店ほんと特殊で
メニューは一応あるし頼んだら作ってくれるけど、
注文一切聞かず有無を言わせずに、ひたすらその日作った料理出すんだけど。
そんなめちゃくちゃな店に毎日のように来てくれた人。

友達いないから一人で黙って酒飲んでさ、
ちょっとつまんで帰るの、

バツイチで私と同じぐらいの歳の娘さんがいて
カウンターで頭抱えながら慣れない携帯操作して、
娘さんの写真よく見せてくれた。
その写真もう8回ぐらい見たけど〜〜ってなる

娘さんによく会いたがってて、一年に2回だけ
会えるタイミングがあるらしく、
その日が近づくと何かプレゼントしたいって
同じ年頃の私に聞こうとするんだけど、
「ももちゃんじゃ、何も分かんなそうだな」
最初ムッとしちゃったけど、
井上さんがあはははって笑うとどうでも良くなるね。ずるいよ。
写真見る限り、娘さん相当美女でした。。

コロナ始まってすぐぐらいの時期に、
店半年ぐらい閉めたんだけど、
コロナが少し落ち着いた時期に一回復活させたの。
ばあちゃんのお店。

復活初日、手伝いに行ったんだけど、
あんなにお客さん入ってたのに閑古鳥鳴いちゃってて。
ちっちゃい頃からばあちゃんのお店行けば賑わってたから
あの景色はもう見れないのかなぁって思ったら、
すんごいショックだった。すごい泣きそうになった。

そしたらさ、井上さんが来てくれたんだよ。
すんごい嬉しかった〜〜!もうめちゃくちゃ嬉しかった。
私がこんなに嬉しかったんだから、
ばあちゃんもっともっともっと嬉しかったと思うよ。
ばあちゃんは照れ隠しで「またお前か!」って突っ込んでたけど。

聞いたところによると、井上さん家からお店結構離れてるみたいで
ばあちゃん告知もしないでお店再開させたから、
閉めてた期間も毎日とは言わずとも、
お店の前通ったりしてくれてたんじゃないかね。
愛しすぎるなぁ〜〜。井上さんの株爆上げです

再開させてから2、3ヶ月はお店開けてたんだけど
コロナがまた流行ったのと、じいちゃんの介護が本格化してきて
ばあちゃんのお店たたむことになって。
私は隠れてめちゃくちゃ泣いた。
ばあちゃんのもつ煮が世界一美味いって言ったけど
里味で食べるもつ煮が格段うまかったんだもん。
お母さんと喧嘩した日は、ばあちゃんのお店行って
もつ煮食べてほわぁ〜ってなって力抜けてって怒り収めてた。
商店街の人の溜まり場だったから、愚痴とか噂話がおもろくて
永遠聴いてられたし。
わたしのオアシスで、
永遠の憧れ昭和にスリップしたみたいな空間で。
よく「ママの孫でよかったね」って言われたけど、
本当そうなんです!ばあちゃんの孫でよかった!
ばあちゃんが里味をやってくれて良かった。

それ以来、井上さんとも会っていない。
会う機会もないし。
井上さんSNSやってないし。連絡もとれないし。

そしたら笑えない出来事が起きちゃって。
井上さんがお家でお酒飲んでお風呂入って、お風呂の中で。って。
一人暮らしだったから、誰にも気づかれずあとから発見されたらしくて。

お別れも言えないっていうのは本当に切ないんだね。
でも不思議なことにあれからだいぶ経つけど、
未だにどこかでお酒飲んでる気がするんだよね。赤羽あたりで。

未だにふと思い出して嬉しくなる井上さんとの思い出。

「井上さん、食べたいものとかあったら言ってくださいね」
「俺これでいいよ。ママ怖いから」
「ばあちゃんじゃなくて私に言ってくれたら、
美味しいかは知らんけど作るよ」
「じゃあ卵焼きが食べたい」

ちょっと火加減ミスって、ちょっとだけ焦げた卵焼き。
不器用に褒めてくれた。

私もスーパーシャイだからわかるよ。
褒めるのって難しいよね。だから伝わってきちゃって恥ずかしくて
ありがとうとか素直に言えなかった。くそぉ〜悔やまれる。。
こういうとこ直さなきゃネ。。

「ママのもつ煮が一番美味い。」
世界一とは言ってなかったけど、一番って世界一のことだよね?
何でもいいけど、自分の好きなものを褒められるのって嬉しいね。
さまぁ〜ずが褒められてるとこっちまで嬉しくなってくるのと同じ現象。
例えが偏ってました。

井上さんー!
あんまし酒飲みすぎずにねー!
お酒飲み過ぎを止めてくれる人いるか?
あとちょっとは愛想よくしないと、友達できないぞ!
おっせっかいなばあちゃんも同じことよくいってるわ。
「あいつの焼酎割は水を多めにしてやってたんだ」
ネタバレです。ばあちゃんなりの優しさ。さすがに味でわかってたか。

人に読まれるのがとても恥ずかしいけど、
ふとした時思い出す人のお話でした。
またふと書くかも・・!


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