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9. 出し惜しみしないで歳を重ねたい

わたしは昔から、2番手や安パイを狙う傾向にある。

受験もそうだったし、副○○といったサブ的な役割とか、興奮するほど欲しい洋服や靴が見つかっても値段を見ると怯んで、結構イイ感じだけど一番欲しいものよりはやや安いもので、分相応に、今の自分にはこっちだろうって納得させるようなところがある。

高望みはしない、安パイを取る

こういう「モノの取って行き方」になったのは、恐らく中3のときの高校受験がきっかけだ。

高校受験のとき、わたしは市内でもトップの進学校に行きたかった。ただ、結構頑張らないと手に届きそうにはなかったので、学校の先生と母との三者面談では、「高望みはせず、市内2番手の高校を志望校として、確実な合格を狙おう」という結論に達した。

そんなもんか、と素直なわたしはそれを受け入れた。2番手の学校も自由な校風っぽいし、楽しそうだからまあいっか。早々第一志望だったトップの進学校は諦めて、2番手の高校を志望校としてセットし、勉強に勤しんだ。

ここで、イヤイヤ、絶対もともと志望してた高校へ難しかろうがチャレンジする!という人もいるだろう。もしくは親が上を狙え!とケツを叩くこともあるかもしれない。

ただ、我が家ではわたしが長女で、両親にとってはわたしが第一子、初めての子であり、初めての子育て。特に母は、わたしが不登校だったり、中学受験に失敗したのを見てきて、慎重になったのかもしれない。
娘が傷つかぬよう、安パイを取る選択肢を常に考えてくれていたのだ。

結局2番手の高校には合格したが、繰り上げ合格でギリギリだった。

その時思った。トップの進学校を受けてたら絶対無理だった。わたしって結局、1番じゃなくて、2番手のものがギリギリ手に入るくらいのヒトなのかもって。

その後の大学受験のときは、自分が行きたいなとかほんのり憧れた大学はあったものの、どうせわたしは2番手女なのだ、夢ばっかり言ってても仕方ないよねってことで早々と志望校に挙げるのはやめた。

自分の中で入れそうな&楽しそうな学校ばかりを受験し、結果、ほぼ全ての学校に合格した。

そのときも思った。やっぱりわたしは高望みしないほうがいいな、って。

この時の経験がわたしの自己肯定感の低さである、どうせ1番狙っても無理、2番手の安パイの人間なのだよ、わたしは・・・というのを作ったのだと自分では分析している。

オトナになって振り返ってみると、中学も高校のときも、本当に行きたかった少し難しめの学校を狙ってちゃんと勉強していたら、もしかしたら合格していたかもしれない。高望みしないようにと目標自体を低く設定していたのは自分だったな、と。

永遠の下っ端でいたかった

社会人になってから職場でリーダーを命ぜられたときも、マネージャー職を目指せと言われたときも、「わたし、そんなタマじゃないっすから」という理由で、断り続けた。

役職なんてつきたくない。
永遠の下っ端で良いですから、みたいな感じ。

自分でもマネジメントはやりたいことではないし、やれるはずもないと思った。だってわたしは2番手の人間、高望みは致しません、雇っていただけるだけで本望です。

しかしながら派遣会社で働いていた頃、仕事自体がわたしにマッチしていたのだろう、成績がどんどん上がってそれなりの評価も受けるようになり、さらに年次も上がってきたこともあって、上司から「ニシさん、もうあなたがやるしかないんだよ。そういう時期だよ」と言われ、リーダーをしぶしぶ引き受けざるを得ない状況になった。

リーダーって、1番手狙うような、役職付きたい!スキルアップしたい!みたいな人がやるようなもんでしょ。
マネジメント職って、人の上に立つことだと思っていたし、自分自身もハイパフォーマンス(=1番になれるようなひと)でなければ、誰も言うことを聞いてくれないって思っていた。
だから、しがないわたしなんて…ていつもの自己肯定感の低さから、リーダー職なんておこがましい、というプレッシャーでしかなかった。

チャレンジしないとわからないこと

でも、実際やってみたら全然違った。
人の上に立つこと、自分で全部できることがリーダーだと思っていた自分を今なら全力で殴りたい。そういうことじゃねえんだよ、と。

みんなで助け合う、その交通整備をしてみんながハイパフォーマンスを出せるようにするのがリーダーの役割なんだ、ということがわかった。リーダーとかマネジメント職って、メンバーや部下に命令するわけじゃないし、全部自分でやろうとするリーダーの方が大迷惑だ。

かつて一緒のチームや支店で働いたひとはみな、わたしを助けてくれた。わたしが見えてない部分を指摘してもくれたし、わたしが悩んだら一緒にも考えてくれたし。わたしは自分のノルマ達成よりも、周りが達成していくことのほうが何倍も嬉しかった。

実際にリーダー職をやってみたけれど、どのチームも本当に良い雰囲気のチームだったし、「持ちつ持たれつ精神」で、みんなで達成し、みんなで喜び合えるような最高の人たちだった。

そして、そういう雰囲気づくりをするのがわたしは得意だということもわかった。何せメチャメチャ空気読みますからね。

アラフォーともなると、転職活動でマネジメントの経験があるかは大きい。そして、マネジメントをやれる、やりまっせと言い切れることも大事だと思う。
それなりの収入や仕事へのやりがいを求めるならなおさら。

わたしは去年2回も会社を辞めたので、正直人生詰んだなと思った。ちゃんと働く正社員のレールから外れてしまったんだ、と。アラフォーの転職回数が多い人を欲しがる会社もないだろうな、って。

だけど、自分の意に反して、色んなところから声をかけてもらった。ありがたすぎるほどに。

で、思ったのだ。
今まで自分は2番手だし、高望みすべき人間では無いと思っていたけど、リーダー職もやってやれないことはなかったし、転職回数を重ねているわたしにも声をかけてくださる方もいた。

だから、次に働くときはもう遠慮はしない、自分を出し惜しみするのは止める!
来たチャンスをちゃんと受け止めて、自分の得意なことをやっていこう!

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