LØISLOID『DRAWING』リリースへよせて

6月30日。"ロイロイ3ヶ月連続リリース"の第二弾としてLØISLOIDが世界へ送り出した『DRAWING』が最高〜〜〜!!という話をします。


最近はもうずっとロイロイの音源たちといっしょに暮らしているから、どちらもとてもすきな曲で、表題曲のDRAWINGは、はじめてライブで聴いたとき、ああこれは、きっとずっと思い出していく だいじな曲になるって思った。それからずっと特別です。

作詞作曲は井上卓也さん。歌、LØISLOID。

君が落として無くしたあの夢を
もう一度描き出そう

とにもかくにも!まず、時雨水曜日さんによるこの、心震える歌い出し。いちばん最初に鳴る音を聴いて、もしかしたら、さみしさとかくやしさとか、そういう感情を主にした曲なのかなって思ったけど、そのなかから立ち上がるみたいに聴こえたのがこの声だったから、ひたすらかなしみに徹する曲ではないんだなってすぐにわかったし、でも、感じてきたことをなかったことにはしない、きちんとここに残しておいて目印にしていこうとするひとの声だな〜って、"あの夢"のこと、これからどんなふうに歌うのか、どうしようもなく知りたくなってしまう。こんなにも曲の行く先がたのしみになる歌い出し、他にあったかな〜〜


あの日夢中で不器用に書いてた
クレヨンのお姫様
いつから自由に描けなくなってた
クシャクシャのメモ用紙

すがれなちゃんのこのパート、聴くひとの心情とか生きている環境とか、それこそ年齢とか、によって意味が変わるんだろうなぁって思うし、だからこそすがれなちゃんが歌う意味がありすぎるって思う。なんだろうなぁ、言い方まちがえていたらごめんなさいなんだけど、自分のなかにもある歌声っていうか、たぶんぜんぶのひとが思い浮かべる自分の歌声にいちばん近いのがすがれなちゃんの声な気がしていて、だから、すっごく、聴くとほとんど同時に、自分の心に深く潜っていけるかんじがする。

自分がどの程度なら叶えられるか、を、抗いがたく知って、叶えられない願いを持つことをやめてしまうっていうのは、あることだとは思っていて。だからこそ、叶えたことより叶えられなかったことのほうが自分のなかで大きく残っているっていうのも。でも、叶えなかった願いとしてまだ自分で持っているのなら、それはやっぱり、なかった願いにはならないんだろうなぁ、大人になるって、思い出せることが増えることだと思うから。叶えられないと決めた願いだって、どうしたって自分の願いで、叶えないままで自分の一部になっているとしたら、それはとてもすごいことだよね。そういうことをね、とてもとても、思ったな〜


その手伸ばして伸ばしてその先に
君が望んだあの未来
振り向かないできっとこの日々も
君を照らすだろう

サビの歌詞ね、もうなんていうか、出会うことが決まってたみたいに、すぐにすきになった。どこかにも書いたけど、「あの未来」って、あの日あの場所であの人(たち)と話し合った、未来なんだろうなっていうか。「あの未来」も「あの夢」も、そこにいたひとだけがピントを合わせられる「あの」のなかに込められたぜんぶの時間がすき。だし、だからこそ、ここでその「あの」を躊躇なく伝えてくれるのは、もうすでに、自分も圧倒的に、関わっているからなのかも、みたいなちょっとのうれしさ。大事な日にはいつもあの未来の話をしてきたよね(だからいつもどおり今日も、)みたいな。歌われるたびに、もうみんなに出会っていない自分には戻らないんだって再確認できる、だれかにとってのセーブポイントになるんだろうなって思う。

「振り向かないで」のところの振り、顔に手を当てながらすこしだけ振り返りそうになる、みたいな動きとして見えていて、ちがうかもしれないけどわたしにはそう見えて、ああなんか、そういうことって、あるな〜〜って、だいすきなところなんですけど。まぶしかったのかも、って思う。振り向いた後ろが思ったよりも。だからすぐ前へ向き直す。やっぱりその日々は光っているし、ちゃんと照らしてくれている。安心して背中任せられるなぁって、それを知るために、あの一瞬の動きはぜったいに必要なんだろうな〜〜 というか、必要じゃない振り付けもよぶんな気持ちも、そんなのひとつだってないんだし、毎瞬間見逃せないのはずっとそうなんだったね。

どれだけ泣いたって
どんなに叫んだって
誰もわかってくれないや
でも一人じゃないんだって
ずっと君が言うから
少し信じていい?教えて

ここの歌詞がめ〜〜っちゃすごいと思っていて。もうほんとうに、こうやって自分で文字として打ってみただけで指先がどきどきしてくるくらい。

泣いても叫んでもわかってもらえなくて、それでも、一人じゃないって言ってくれるなら、それは、わからなくてもわからないまま、いっしょにいるってことなんだろうなぁって。これよりすごいことなんてほかにあるのってかんじだよ〜〜 わからないそのままのあなたでいいし、変わらなくていい、 あなたの気持ちがなんにもわからなくても、ただ、それでも自分はいっしょにいたいっていうことだけはわかる。それって、ひとが使える魔法だなって思います。

苦しさから守るわけじゃなくても、苦しさから自分を変えてしまうことから守ることならできるんだなぁっていうか。苦しいなら苦しいまま、あなたの気持ちはちゃんとここにあるよと、それぜんぶでもってあなただよと、あなたの良さだよと、得意ではないと思ってきたことを、あきらめて手放すべきところではなくて 自分で獲得したすてきなところだよと、そう伝えてもらえることが、どれだけ力になるんだろ〜って、わたしには想像もつかないけど笑、それでも聴くたびに心の温度がひとつ上がるところです。


その手伸ばして掴んだその中に
君が望んだあの未来

「その先に」から「その中に」に変わっている、ちゃんと掴んでいる、こういう時の進め方だいすき……あまりにもときめきの方法すぎる…… なんだろうな〜、自分だけが手を伸ばしても届かない距離でも、両方から手を伸ばせば届く距離になるなぁっていうか、"あの未来"もちゃんと、掴んでくれる日を待っていたんだろうなって、思う。しかも一人じゃ届かなくても、いっしょに手を伸ばすひとがステージの上に4人もいるって、超〜すごいね。


どれだけ泣いても笑えばいいから
涙の道筋も君を照らすだろう
どんなに辛くても負けたくないから
君の手を取って未来を描いていく

「涙の道筋も君を照らすだろう」ここを歌うすがれなちゃん、ほんとうにほんとうに、かっこよくて。すきに順位をつけるなんて野暮なことでしょうとは思うけれど、どう考えてもいちばんすき。すがれなちゃんって、なんていうか、表情を動かすとき、ゆっくり笑顔に変えていく、みたいな印象があって。ちゃんと気持ちの順を追って、しゃらららん〜ってウィンドチャイム鳴らしたみたいなかんじで、笑顔にたどりつく。にっこり。ほほえむときに音がするひと。やっぱりね〜、涙の道筋が照らしてくれるのは、自分が、笑って、光っているからなんだろうな〜って思う。その光が涙に反射して、照らしてくれる。照らされるのは自分で、だから自分が光そのものなわけではなくて、光っているのは自分自身だよ、なところがすき。「照らすだろう」っていうのも、これからきっとそうなるといいなの未来への希望にも、いつだってそうしてきたっていう過去への確信にもどっちにも聴こえて、歌声が、体温そのものになっていく感覚。ここを聴きたくて、見たくて、ライブへ行っているのかもしれない。それくらいすき。

あとね、「負けない」じゃなくて「負けたくない」だったことも、かけがえなくだいすき。よりいっそう自分の気持ちとしてつよく響くし、とらえて離さないでいられるから、そう決めたことを忘れないでいられるんだろうなって思う。こうやって書いて、歌って、残しておく意味って、そういうところにある気がする。たくさんの気持ちたちを生きながら、負けたくない理由を忘れないし、忘れたくない理由を忘れない。すごいひとたちです。

やっぱりね〜、どこを終わりと決めるのかなんだろうなって、負けたって自分がそこで決めなければ負けてないし終わりじゃないんだと思うから、進みつづけるひとの歌だなって、だからわたしもそんなひとたちの姿を見つづけていきたいよ〜〜いまここでそう決めてしまえることが、この曲をすきになった意味なのかもしれないなって思う。世界はかっこいいひとのことを見逃さないって、わたし信じてる。


あらためて、『DRAWING』リリース、そしてたくさんのあたらしい未来があること、おめでとうございます。みんなのこと、わたしのよろこびだと呼ばせてね〜 また!