署名キャンペーンの経緯2

■ ビックリした、NHKの答え

集まった3万もの署名を「早くNHKに届けねば!」と、NHKに受け渡しの打ち合わせをしようと「NHKふれあい窓口」に電話したのですが、ここで予想外の答えが。

「NHKは放送局ですので、署名を持って来られても困ります。持ってこないでください。」と電話受付係の方に言われてしまいました。しかし、こちらも3万を超える賛同いただいた方の声を預かっている責任があります。そんなことでは引き下がれません。なので「わかりました。では、総務省に届けることにいたします。NHKの監督官庁は総務省ですよね?」と伝えると、「‥‥‥ちょっとお待ちください。上司に相談いたします」と。数分待つと男性の方が電話口に出られ「この窓口の営業時間は終わってますので、また明日朝おかけ直しください」と言われました。なので、翌朝、同じ「NHKふれあい窓口」にお電話して用向きをお話すると、再度「署名は持ってこないでください」と。これはもうこういうマニュアル通りの対応なのだと思います。でも、一本の電話も、一筆の署名も、同じ国民の声であることには変わりはないはずです。なぜ「署名は受け取らない」が窓口の答えなのでしょうか?

話を戻しますね。電話の相手に「こちらは昨夜そちらの職員さんに言われたとおり、電話をかけなおしているだけです」と伝えると、NHK広報局の男性の方がかわって出られ、要件をお伝えしたところ「こちらで受け取りの窓口を検討して、回答を後ほどご連絡差し上げます」と丁寧に申されました。はたして夕方、お約束どおりにお電話をいただき、「ただいま、NHK放送センターはコロナ対応中につき、来ていただくことはできないんです。ゆうパックなど送っていただけましたらお受け取りいたします」とのことでしたので、「わかりました、署名をお送りします。到着しましたら、お手数ですが受け取った旨を記したお手紙‥‥一筆で構いません。どうぞお送りください」とお願いし、了承いただきました。

この署名へのNHKとの話し合いが決まる20日夕刻までに、賛同者数は6万に達していました。特に、19日の17時から翌日朝までの増え方は凄まじく、わずか半日で4万筆が積み上がり、合計は5万に達していました。その後、増加のペースは落ち着きを取り戻し、夕方6万を超えました。いまだもって、このときの爆増(まさしく「バズる」という表現がぴったり)の理由はわかりません‥‥。賛同を送ってくださった、見ず知らずの、お一人お一人のお名前を見つめながら「あぁ…何も変わらないからやるだけ無意味だとか、最初から諦めることなんてないんだ。同じ思いの人が、この一つ一つの名前の向こうに、こんなにたくさんいるんだ。」と胸が熱くなりました。と同時に、署名を集める=「お名前を預かる」責任、というのも感じました。

さて、NHKに送るにも印刷しなくてはなりません。A4用紙の枚数にして2900余枚をどうやって印刷するか‥‥家庭用プリンターでは24時間くらいかかってしまいそう‥‥と困っていると、これも知人たちが印刷分担を申し出てくれて、なんとか印刷し終わりました。(高さにして25cmくらいあります!)果たして、これだけの、目に見える「民意」をNHKはどのように扱うのでしょうか?

■ まさかの急展開!?どうする?

準備万端、あとはNHKに発送するだけ。多くの署名に背中を押され、自然と力が入ります。しかし、この日(5/21)発売の週刊文春にはとんでもない記事が‥‥。まさしく「検察庁法」の改正により、検事総長への道が開かれるはずだった黒川弘務検事長(定年延長を根拠のない閣議決定によって留任していた本人)の賭けマージャンを報じていました。これによって、22日黒川氏は辞表を提出、同日受理。さらに「検察庁法改正を含む、国家公務員法改正の法案の廃案」を政府与党は検討している、との報道がなされました(5/22現在)。

事態があまりにも急速に動いていき、この署名が要望する国会はこの先もう開かれないかもしれません。法案自体が廃案になれば、当然、審議する国会も、放送の機会もなくなります。

■ 同じことを繰り返さないため、次に備えて

でも、「国民への影響が大きく、国民の関心も高い議案の審議がなされる国会」の中継を、NHKがこの先もしないのならば、同じ問題が残り続けます。この署名の意図は、「大切なことが審議される国会中継が見れないのは、困る」と、6万人を超える国民が意志を示した事実です。ですから、NHKには送り届けます!そして、NHKからどのようなお返事が来ても、このnoteに公開することをお約束します。

今回、検察庁法改正を強行採決しようとした政治が炙り出したのは、『唯一国会をTV中継できる放送局であるNHKが「大切な国会を放送しない」ことがある』ということです。これは「公共放送が国民を裏切った」と言っても過言ではないと思います。なぜならば、私たちの代表が討議する国会の様子を知ることができなければ、私たち有権者は目隠しをされ、耳を塞がれたに等しからです。そんな状態で私たちは自ら妥当な判断(政治選択、投票行動)ができるとでも言うのでしょうか?

憲法は私たち国民の「知る権利」を保証しています。私たちが知りたいのは「検察庁法の改正」の行方だけではなく、他にもたくさんある「国民にとって重大な議題が扱われる国会の審議」の模様を知りたい。

いい加減な審議がなされていないか?

(立法などの)根拠はあるのか?

与党が議席の数だけでまともな議論をせず、押し切って決めていないか?

そういった国会の様子を国民は自分の目で見て、耳で聞いて判断したい。全ての国民に対して、それを可能にできるのは公共放送NHKだけです。そしてNHKは国営放送ではなく、公共放送であるからこそ、私たちから受信料を得る大義名分が成立します。私たちの受信料がない民放の場合、安定した視聴率をとりにくい国会中継は難しいです。スポンサーの意向にも左右されるでしょう。国会中継は、NHKの第一の責務であり、存在意義であると言ってもいいと思います。

さて、今回の署名活動を機として作ったこの会は、残すことにいたしました。今回の「検察庁法」に限らず、また「放送されない国会」問題は起こる可能性があるからです。政治と国会の行方を見守りつつ、またNHKに「#国会中継してください」と言わねばならない日がくる気がしています。私たち国民は受信料を払っているスポンサーとして絶えず注視し声を届けなくてはなりません。

そのためにもNHKは、#国会中継してください !


>次回、「署名を届けた後、NHKから‥‥‥(仮題)」