機動警察パトレイバー/アニメ
機動警察パトレイバーの地上波アニメを見終わった。
個性的な登場人物や、パトレイバーという現実には存在しない巨大な作業機械による特殊犯罪に対峙する警察官といった構図が面白かった。事件に駆けつける過程で、パトレイバーがどのような場所でどのように使われているのかもわかってくるから、世界観にも馴染みやすい。
それから、主人公の一人であるのあちゃんが、操縦するパトレイバーのアルフォンスへ注ぐ愛情を通して、アルフォンスがただの機械ではなく温度を持った生き物のようにも見えてくる。少しだけ。
そんなわけで楽しく見ることができたのだけれど、いくつかの点で気になった。
特筆したいのは太田さんだ。
太田さんは、何メートルもあるパトレイバーで暴れて場を破壊し、それを契機に話を展開させる役割を持っている。例えば、職務中に民間人の車を破壊したことで、パトレイバー損害にかけられる保険の調査員がやってくる話。
太田さんはとにかく職務に熱心で、正義を求める。だから厳しい口調になるし優しい言葉をかけたりはしないが、のあが落ち込んだ際にはぶっきらぼうながら言葉をかけるし、仲間のことを思いやる。とてもわかりやすくいい人だ。
なのに、現場に入った途端、銃をぶっ放す。民間人が足元にいるのに無茶をする。人の生き死にに対して、あまりに無頓着だ。
これが序盤だけのことで、回を重ねるごとに慎重になるなど成長が見えるならいいのに、そんな様子はなかった。それが、仲間を大事に思い職務を忠実にこなそうとし、子どもに自分が壊してしまった自転車を買ってあげようとする太田さんを描くには、なんだかずっとひっかかりがあった。
これが、完全なコメディで、爆発しても次の話では何もかも元どおりという世界観なら気にも留めなかっただろうけれど、その破壊ぶりは物語に影響しているから見るのが辛かった。
と、上記では書き連ねだか、もう10年以上も前に放送したアニメを全話見れたのは、やはり魅力があったからにちがいない。そうでなければ途中で視聴自体をやめていた。
だから、よかったと思ったからこそ気になったのである。そうして、コメディとシリアスを並行して行う作品のバランス感覚について、考える契機を与えてもらえたことに感謝している。
次は映画版をみよう。
一番好きなのはのあちゃんでした。