貧困でサイボーグになれない話

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娼という生き方、殺し方

あらすじ

誰もがサイボーグ化する時代、男娼をしているレオは足の不自由な妹ミカエラをサイボーグ化してやりたいと思っていた。そんな中レオの客Tに「うちにくれば今の給料の倍は出す」と話を持ちかけられる。
ある日レオはミカエラに「男娼の仕事はやめてほしい」と言われ、その言葉でレオはミカエラと言い争いになる。それを謝ろうと花を買い家に向かうレオ。しかし帰宅途中車椅子のミカエラとすれ違う。レオは驚き振り返るが、ミカエラはそのまま道路に飛び出し亡くなってしまう。しかしその死があまりにも不自然なことに気づく。死の謎を探るため金が必要になったレオは、ある日のTの言葉を思い出し“組織”に足を踏み入れていくことになる。

第1話ストーリー

人が当たり前にサイボーグ化する時代。身体を好きにカスタマイズし、病気になった箇所も機械に置き換えられるようになった。
しかしそれは中流から上流階級の話で、病気になり手術する金額よりサイボーグ化する方が安くつくため、どちらもすることができない貧困層はただ死んでいくしかなかった。

男娼をしているレオは自身が金を稼ぎ、足が不自由で車椅子生活の妹ミカエラをサイボーグにしてやりたいと思っていた。
そんなレオを頻繁に買うTという名前の男は「うちに来たら今の給料の倍は出すよ」とレオに話を持ちかける。しかし素性の全くわからないTのことをレオは不気味に思ってたためその誘いは断っていた。
ある日レオは自分を買った客に暴行され、酷い言葉を吐かれる。それに落ち込んで傷だらけの身体で家へ帰ると、その様子を見たミカエラに「もう男娼の仕事はやめてほしい」と言われる。レオは男娼の仕事をしていることをミカエラには話ていなかった。なのになぜ知っているのかという驚きと、恥ずかしさ、居た堪れなさから動揺してミカエラに酷い言葉を投げつけてしまう。悲しみの表情を浮かべるミカエラを見て、思わず家を飛び出すレオ。

大雨の中、日頃抑ていた感情が爆発し大声を出して泣くレオ。ふともう死んでしまおうと思い、向かってくる車に飛び出す。幸いにも車は停止し、車から男が降りてきた。その男はよくTを迎えにくるスーツの男だった。男はレオに気付き事情を聞くと「兄妹喧嘩をしたなら妹に花でも買って謝りに行ったらどうか」と提案する。

言われた通り花屋で一輪の花を買うレオ。これで関係が修復するといいと思いながら家へ向かう。すると帰路で車椅子のミカエすれ違う。驚き振り返ると、そのま道路へ飛び出しミカエラは亡くなってしまう。
ミカエラは自分のせいで自殺したのだと悲しみに暮れていたレオだったが、家からの道を考えると車椅子のミカエラだけでは到底できることではないと気付き、ミカエラは誰かに死ぬよう差し向けられたのだと気づく。
その犯人を探し復讐するため、自身も力を求めサイボーグになることを望む。しかし今の稼ぎではサイボーグになることは不可能だと思っていたところに、ある日のTの「今の給料の倍は出す」という言葉を思い出し、Tに接触しTの属している“組織に”足を踏み入れていくことになる。

第2話以降のストーリー

組織に入ったレオは様々な訓練を受けていくがすぐに人を殺すための訓練なのだと悟る。
レオは他の組員にどんなに馬鹿にされようとも、妹のことを思い出し、復讐心という強い気持ちを持っていたが、日々の心身が擦り切れる訓練に徐々に思考停止していく。

そんな苦しい日々の中でレオはとある女性と出会う。その女性はベラといい、レオにどうして組織に入って来てしまったのかと尋ねる。関係ないだろと突っぱねるレオを面白く思ったベラはレオを揶揄うが、最後に「この訓練が終われば仕事をさせてもらえるからそれまで励むんだね」と言い残し去っていく。レオは感じの悪い女だと思いベラの印象は最悪だった。

訓練も終わり初めての仕事をすることにったレオ。簡単な仕事だと言われたが内容は人殺しだった。
人を殺したことなんて当たり前にないレオは恐怖心でいっぱいだった。
パニックになりながらなんとか人を殺したレオだったが、殺し方が汚いという理由で殴られ報酬ももうことができず、また連絡するとだけ言われ取り残される。
食う金もなく、行くところもないレオは飢餓感と寒さで震えていた。しかしふと思いつく。以前のように身体を売ればいいのだと。
それからというもの身体を売り、食べる金とその日限りの暖かい家を手にする日々。

ある日、久しぶりに仕事が舞い込んでくる。そのターゲットはちょうど今の客だった。客のことなどどうでもいいと思っているレオだったため、隙を見てその客を殺してしまう。初めて人を殺した時は恐怖心でいっぱいだったのに、なぜ今回は簡単に殺せたのだろうと不思議に思うレオ。しかし、今度は問題ない殺し方だったと報酬をもらい「しっかり“仕事”をすればちゃんと金を貰えて身体を売らなくても暮らしていけるようになる」と思い、なぜ人を簡単に殺せたのかという疑問などどうでも良くなっていた。

自分に合った殺し方を学んだレオは、まずターゲットに近づき、身体を許したふりをしてターゲットが油断した隙に殺すというルーティーンを作った。そのうまい殺しぶりにどんどん仕事は増えていきどんどんもらえる報酬も増えていった。レオはゲームをクリアするような簡単な快楽を覚えていく。
しかし他の組員は、あまりにも軽く穏やかに人を殺すレオの様子を見て“快楽殺人者”だと不気味がっていた。


以上です。
よろしくお願いいたします。


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