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ウェイトバック集計のやり方

ウェイトバックの計算、間違っていませんか?では、ウェイトバック集計の設定に使用するウェイト値の算出方法について、 実数値のウェイトバック集計に注意では、実数値のウェイトバック集計を行う際の注意点について、それぞれ書きました。

今回は、ウェイトバック集計はどうやって行われているのかを書こうと思います。

私個人の経験になりますが、一般の書店で見かけるようなリサーチに関する本で、「ウェイトバック集計とはどういうものか」について書かれているのは見たことがあっても、「どのように行うのか」が書かれている本は見たことがありません。
(大学にあるような専門書には書かれているのかもしれませんが。)

また、ネットで検索すると大手調査会社を中心にウェイトバック集計についてのページが出てきますが、そこでも「どのように行うのか」が書かれているページは見当たりませんでした。(2016年10月4日現在)


さて、まずは「ウェイトバック集計」の確認です。

ウェイトバック
「データに重みを与える(重みを変える)」ものです。
「データに重みを与える」というのは「データを変える」ことではありません。
集計
「数字を集めて計上する」ことです。
データを積上げると言い換えてもよいでしょう。

よって、
「ウェイトバック集計」とは「データに重みを与えたものを積上げる」ことと言うことができます。

さて、「積上げる」という言葉を使いましたが、ウェイトバック集計のやり方を理解するためには、この「積上げる」というイメージが重要になってきます。

「集計」と言うと、エクセル上で「COUNTIF」や「SUM」などを使って、(「『1』が 10 件」などのように)値をカウントするような作業をイメージする方が多いのではないでしょうか?

ですが、
この方法だと正しくウェイトバック集計が行えず、実数値のウェイトバック集計に注意で例示したようなことになりかねません。

では、どうすれば良いでしょうか?


その答えは、「データを ON / OFF 化( 1 / 0 化)する」です。

MA(複数回答)データでよく見かけると思いますが、SA(単回答)データもこの形式に変換します。
この時点で、全ての選択肢ごとに 1 / 0 データの列ができているはずです

ここで、「1」をそのまま集計すると、普通に集計した時と同じ結果が得られます。
つまり、
「集計」は「『1』を積上げていく作業」とも言い換えることができます。

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次に、
「1」を各サンプルに与えられたウェイト値に変換します。

あとは、各列ごとに値を合計してください。
(ここでウェイト値を「積上げ」ています。)

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これを分析軸の項目ごとに行えば、ウェイトバック後のクロス表が作成できます。

この方法だと、
どんな組合せのクロス集計でも、正しくウェイトバック集計が行えます。

また、実数値の扱いについてですが、これは存在する実数値の種類を全て選択肢として起こしてから、上記の手順に移る必要があります。

ただ、手作業で行うのは困難な場合が多いと思いますので、現実的にはプログラムなどで処理することになるかと思います。


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