母と兄弟とチキンバスケット
フライドチキン Advent Calendar 2019の4日目です。
3日目のふらふらさんによる記事のエモさに当てられて、急遽思い出を投稿したくなりました。(タイトルもパクりました)
私は田舎者です。実家は祖父母・両親と5人兄弟というステップワゴンにも乗り切れない大所帯、『貧乏子沢山』を絵に描いたような大家族でした。
子供はたまには外食したい。
母親はたまには家事を休みたい。
貧困というほどではないけれど、余裕があるわけでもない。
そんな家庭の母と子供にとって、ほっかほっか亭のチキンバスケットはご褒美でした。
「今日はチキンバスケット買って帰ろうか」
母が言うと兄弟全員のテンションが最高潮になっていたのをいまだに覚えています。
しかしテンションが上がるのも束の間、兄弟間では緊張が走ります。そう、チキンバスケットに入っているからあげは兄弟の人数では割り切れない…争いは避けられないのです。
納得するしかなかった末っ子時代
私が末っ子だった時「大きい方が多く食べる」という至極真っ当な理由で私のからあげは少なくなりました。からあげ1個でご飯を茶碗1杯食べてしまい、おかずが少なくともお腹いっぱいになれる性質も影響していたかもしれません。
からあげを1個多く食べる兄をうらめしそうに見ていました。
大きくなった中学時代
体の大きさもあまり変わらず、食べ盛りでもあるのでシンプルにじゃんけんをしていました。勝敗に一喜一憂していました。それはそれで楽しかった思い出です。
大人になってからあんなに本気でじゃんけんした記憶はないなあ…
地元を離れた大学時代
帰省したときに地元のレストランにいきました。ほっかほっか亭にも行きたいと思いました。しかしなくなっていました。田舎すぎて売り上げが少なかったのか閉店してしまったのです。
他店舗にしても、ほっかほっか亭・ほっともっとの分裂もあり、チキンバスケットは私の生活圏から離れてしまいました。
大人買いの社会人時代(今)
今、ほっかほっか亭・ほっともっと両方ともチキンバスケットを扱っています。値段は600円程度、社会人にとっては大きな金額ではありません。そう、今なら独り占めできるのです。
年月を重ね、改良されたとても美味しいからあげがたくさん…これが大人買い・大人食いというものか。なんて贅沢なのだろうか。
いや、それでも
地元で母と兄弟と分け合ったチキンバスケットはもっとよかった。記憶が美化されているだけなのだろう。そうかもしれない。いや、そうに違いない。しかしそれでも思い出の中のチキンバスケットはもっといいものだった。そんな思い出も悪くない。
〜終わり〜
書いてみて
これ黒歴史ですね。
チキンバスケットの味・評価等々は別の記事で投稿します。