スモークレス灸の温度変化
昨年秋ごろより東京有明大鍼灸センターの備品をお借りして台座灸の温度調査を試行してみました。
鍼灸研修のすきま時間での調査だったため、時刻や場所が一定できず開始時温度や室温などにかなりばらつきがあり、しかもお灸2壮ずつのデータだったためいつの日かしっかりと調査したいと思っておりました。
今年になって長生灸Non-smokeが発売されたり韓国灸も入手できたりして俄然やるきスィッチ入りまくりなのですが、いかんせんお灸温度計が手元にない。
でも欲しい・・・
もっと温度データ調べてみたい・・・というわけでお手製のお灸温度計を夏休みの工作よろしく作成しました。
竹版に温度端子を埋め込むよう溝をほり埋め込んで固定しただけです。
赤ガイドラインを目安に台座灸を温度端子先端にちょうどおけるようにして測定開始です。
今回は猛暑でエアコンつけっぱなしということもあり、有明大よりも室温湿度などもほぼ一定、28-29℃、60%前後となっております。
まだ途中経過なのですが、前回より多く各3壮ずつ、9種類のスモークレス台座灸の温度データが集まりました。
台座灸の種類は「せんねん灸奇跡ライト」「レギュラー」「ハード」「長生灸Non-smoke」「カマヤミニスモークレス」「カマヤミニスモークレス強※」「富士柔スモークレスマイルド」「レギュラー」「韓国灸miniMOXA」の9種類です。
カマヤミニ強※というのは中の炭化もぐさの押し出し量を少なくした場合のことです。
結果ですが最高温度が低いのは韓国灸で36.3度でした。
TOP画像の赤線グラフですが低いだけでなく持続時間がとびぬけて長いのがお分かりいただけると思います。
ただし個体差が大きく、3つほど調べたなかで一番高いのが38.4度、一番低いのが32.8度ということでばらつきが多すぎました。
原因は以下の写真で解説です。
左右ともに完全燃焼して冷えた状態の韓国灸です。
紙筒灸のカマヤミニと見かけは似ているのですが、韓国灸の炭化もぐさは接着剤で張り付けてあり動かせません。
そしてその接着剤がコーティングされてない部分だけが燃えるようになっておりその範囲の個体差がそのまま温度差につながっている感じです。
低温で長時間ということもありお灸サークルでも人気者で早速、欲しいという方が何人もいらっしゃいましたがこれは問題点ですね・・・
もう少しデータ数を増やして調査したいと思います。
次に温度が低いのは長生灸Non-smokeの36.9度、グラフでは黄色の一番小さな山です。
こちらはばらつきも少なく個体差は許容範囲でしたが、やはり「小さな山」が物語るように早く火が回り4分程度で温感がなくなりしかも低温なので熱刺激量が少ないという印象でこれがそのまま効果につながりはしないかと危惧されます。
まだ3壮づつの中間報告となりますが、今年度の新参者?である韓国灸と長生灸Non-smokeは最高温度こそ低温タイプと共通してますが立ち上がりや持続時間などは好対照で9種の中で一番、立ち上がりが早く持続時間が短かったのが長生灸Non-smoke、立ち上がりが一番遅く持続時間が一番長かったのが韓国灸といづれもこれまでにない特徴でありスモークレス灸がいよいよ層が厚くなり充実してきたなぁという感想です。
私の夏休みの自由研究!
一酸化炭素中毒に留意しながらもっとデータ集めていきたいと思います!