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気になるヒト

ベレー帽とアラレちゃんの様なメガネ、オリーブ少女よろしくピンクハウス風のファッションに身を包んだギタリスト。
自粛期間中に夜な夜なYouTubeをDigっていると不意に遭遇した。

博多めぐみ。米米CLUBのオリジナルメンバーだ。

実は初めて見た訳ではなかった。
1987年放送の『夜のヒットスタジオ』に米米CLUBが初登場して「sûre danse」を披露したときのことを覚えている。
当時小学1年生だった僕は、カールスモーキー石井の妖しい水商売っぽさやその後ろで踊るシュークリームシュ、曲の後半に突如現れる隈取のハクション大魔王、ジェームス小野田に釘付けになってしまい、彼女の存在は記憶から消えていた。
改めて映像を見ると、確かにアクの強いメンバーの陰に隠れてはいるが、スカートをはためかせながらサイドステップを踏み、高速カッティングでビートを刻む。その佇まい、めちゃくちゃクールだ…

泉麻人が司会する当時のフレッシュでイケてるミュージシャンや芸人をフックアップしていた『冗談画報』や、Charと共演して「JUMPIN' JACK FLASH」と「星降る街角」のマッシュアップを披露した『Merry X'mas Show 1987』(この洋楽と歌謡曲のマッシュアップ企画ものは後々『THE夜もヒッパレ』に引き継がれていきますね)などなど、'88年に彼女が米米CLUBを脱退するまでのテレビ出演やライヴ映像がネット上には何本か残っている。

中でも白眉は、石川県で今も開催されている音楽フェスティバル、POP HILLでの'86年の映像だ。その年の出演は米米CLUB、PINK、爆風スランプ、BARBEE BOYS、アン・ルイス、RCサクセションという錚々たる顔ぶれ。
トップバッターだった彼らは、歌謡ファンク「Shake Hip!」とジェームス小野田ヴォーカルによる和製ファンカラティーナ「かっちょいい!」の2曲の模様が収められており、テレビ出演時よりもタイトでグルーヴ溢れる演奏を披露している。その中でもやはり彼女の一挙手一投足に目がいってしまうのは私だけだろうか。(蛇足ですが、福岡ユタカ、岡野ハジメ、ホッピー神山擁するPINKのエスノなニュー・ウェイヴも今聴くと最高です。)

でこの話のオチは、熱心なファンなら周知だったみたいですが、彼女は男性だということ。米米CLUBでの初ライブ時、他のメンバーの個性に負けないようにと自ら女装したのが好評で、そのスタイルになったとのこと。
インターネットも無く、情報の広がり方が今とは比べ物にならないくらい遅かったり隔たりがあった当時、熱狂的な博多めぐみ信者がその事実を知って膝から崩れ落ちたとか落ちなかったとか。
今でも彼女のことを女性だと信じている人がもしいたら、それはそれでステキですよね、ハイ。
女性だろうが男性だろうが、彼女がクールなことには変わらないわけだし。(田中)

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