たゆたえども沈まず【ヨリヨクラボ メルマガ】
こんにちは。ネクスウェイの松波です。
夏もそろそろ終わりですね。
激動の上半期もそろそろ終わろうとしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日は先日読んだ「たゆたえども沈まず」という、原田マハさんの小説について。
これは19世紀末のパリを舞台にした、
日本画商の林忠正と加納重吉、画商テオドロス・ファン・ゴッホ、とその兄フィンセント・ファン・ゴッホの物語です。
ゴッホといえば「ひまわり」や「アルルの女」で有名な、ポスト印象派の画家ですね。
ゴッホは、印象派すら認められ始められたばかりのこの時代、
精力的に筆を執り続け、無名のまま37歳の若さで亡くなります。
それでも描かずにはいられない、と
道を貫き続けるゴッホと、それを支えた人々の息遣いとともに、
どんな苦境に追い込まれても、決して沈むことのない兄弟の力強い愛を感じられる作品です。
「たゆたえども沈まず」というのは、
16世紀から存在する、パリ市の紋章にある標語のことです。
「どんなに強い風が吹いても、揺れるだけで沈みはしない」ことを意味しています。
もともと水運の中心地だったパリにおいて、水上商人組合の船乗りの言葉でしたが
戦乱、革命など歴史の荒波を生き抜いてきたパリ市民の象徴となったそうです。
そんなパリの様子に今の自分たちを重ねてしまうのは、少し行き過ぎているかもしれません。
でも、不安なことの多い今、
自分たちの船をどう前に進めたらいいんだろう、どう舵をとったらいいんだろう、
などと、迷うことが多くあります。
迷ったり、うまく出来ない度に、自分の未熟さに反省する日々ですが
「たゆたえども沈まず」
この言葉に、とても励まされました。
この夏は、帰省も旅行もできませんでしたが
本で世界を、時代を、旅することができました。
自分のできなさに、落ち込んだとき
強がってはいても、リモートワークのストレスで限界になるとき
実は、電子契約や電子印など、新しいやり方に戸惑い悪戦苦闘したとき
この夏も、本がくれる世界や言葉に助けられました。
まだまだ出会えていない素敵な本が世の中にはあります。
皆さんのオススメの本がありましたら、是非、教えて下さい。
次回は、前回、素敵なお父様との話をしてくれた瑞希ちゃん!
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