人生でいちばん髪が短い夏【ヨリヨクラボ メルマガ】

こんにちは。ネクスウェイの米澤です。

私史上、髪をいちばん短く切って過ごした夏が終わろうとしています。

執筆している今日は9月9日、出勤しているということはつまり、
地元のお祭りは結局、開催されませんでした。

もうすぐ始めてから1年になるこのメルマガを皆さん毎週読んでくれていたらいいな…、
という期待と甘えを少し横において、前提を少し、書きますね。


これまでにも何度か触れてきましたが、私には一年に一度、
物心ついたころから誕生日よりもクリスマスよりも待ち望む日があります。

国の重要無形文化財と、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている、
地元の自慢のお祭りが催される3日間です。
(「何祭りって言うの?」とよく聞かれるのですが、名前が無いのです…。
登録上の名前には馴染みが無く、地元ではみんな愛情をこめて“お祭り”と呼んでいます)


毎年9月7・8・9日の3日間、新卒1年目の頃から生意気にもしっかりお休みをいただいて、
大学入試の年以外は母のおなかの中の頃から一度も欠かさず参加してきたお祭りが、
今年は、コロナウイルス感染拡大防止のために中止になりました。

300年以上続いてきたと言われていて、
正式に記録が残る約150年前まで遡っても、中止は初めてのことだと言います。

…そんなこととは比べようもないですが、私のこの短い人生でも、
こんなに短い髪で夏を過ごしたのは初めてのことでした。

お祭りでひっつめのお団子頭にするために、どんなに夏が暑い年でも
9月までは我慢して髪を伸ばしてきたのです。


夏の初めに中止を知って髪を切った時から分かっていたはずなのですが、
いざこうしていつも通り出勤していると
新規メールを立ち上げる度、カレンダーを確認する度、
いつもは特別なこの日付が目に入るにつけ、
なんとも言えない虚無感か徒労感か、…そんなようなものに襲われます。

地元・角館ではこの3日間は毎年学校もお休みになり、
世界が全部止まっているように感じていたのですが、
そんな9月の3日間も実は当たり前に日常が回っていたんだよなぁ、ということを
お祭り歴30年を目前にして、当然ながら思い知る初秋です。


…ただ、人生で初めて9月の2週目を東京で過ごしてみて
良かったこともありました。

大好きな原作を、大好きな脚本家さんが舞台化し、大好きな劇団の劇団員が多く出演した
舞台・かがみの孤城(辻村深月さん原作/2018年本屋大賞)の東京千秋楽を、観劇できたのです。

大学進学を機に上京してきてから、
私は週末の多くを舞台観劇に費やしてきたのですが、
それもコロナでかなり状況が変わりました。

しかし、そんな中で感染拡大防止を徹底し、開幕に至った今回の舞台。
企画が立ち上がった時にはこんな世の中になっているとは誰も想像していなかったはずですが、
しっかりと対策された会場に、安心して舞台の世界に入り込むことができました。

主演が元乃木坂46で初代センターを務めた生駒ちゃんだったこともあってか
会場は超満員。左右前後を一席あけた配置とは言え、
お客さんで埋め尽くされた劇場に入っただけで、いつ振りかの光景でまず泣きそうに。

名古屋・大阪会場がこれからなので内容には触れませんが、
ものすごく、良かったです。
(感想がシンプルでごめんなさい。購入したDVDが年末に届くので、
気になる方や原作好きな方、ご連絡いただければお貸しします(笑))

日常が少しずつ形を変えながらも戻ってきて、
好きな舞台を見れて、感想を言い合える人がいて、
こんな風にメルマガにも書けるって、
何気なくも本当にかけがえがないなとつくづく思います。

いつもだったらあるはずのお祭りがコロナによって無くなって、
だからこそ観に行けた、コロナの中で開幕した舞台。

これを見ることが出来たから、
来年はお祭り、きっとあるんじゃないかなあ、なんて思えたりもするのです。


さて、来週はちひろちゃんがお送りします!


追伸:
前回「うちの父の話をします」に感想をお寄せくださった皆さん、
本当にありがとうございました。

書いてはみたもののいざ配信時間が近づくと気恥ずかしく、
落ち着かない気持ちで配信されるその日を過ごしておりましたが
思いがけず沢山のご感想やそれぞれのご家族のエピソードをお聞かせいただいて、
安心するとともに父をまた誇らしく思えた次第です。

当然、習慣の朝の電話で、メルマガにモーニングコールのことを書いたこと、
皆さんからのご感想を父にも伝えました。

感情の起伏が激しくなるのも脳卒中の後遺症ですが、
それを抜きにしても、涙もろいこともやっぱり元々の父の個性で、
その日は嗚咽で尚更聞き取りづらい父の発音に苦しめられながら
いつもより長く10分以上は話していたと思います。
(出勤日だったら遅刻するところでした、在宅勤務の日で良かった…!)


私のお祭り好きも、完全に父の血と英才教育に拠るものです。

元々は無病息災をお祈りするのが目的のお祭りです。
今年は大々的な開催は見送り、代表者が神社と寺院にお参りするのみとなりましたが、
地元に暮らす人々や各所から神仏に手を合わせ祈る角館の出身者が
この3日間、私だけでなく沢山いたはずです。

だから、きっと流行り病も落ち着いて、来年地元の皆に会えることを信じたいなと思います。
その時のためにまた一年、笛と三味線を練習するばかりです。

わげしゅ、来年みんなでかだってじらけよでな!

【毎週読者アンケート】(リンク埋め込み)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfpzGwbX4YOtH-uSygnnfp-GVsaQukSQXPjCOp5cr42sKp5zA/viewform?vc=0&c=0&w=1
※お寄せいただいたコメントは、毎週メンバー全員で拝見しています。
【1分以内】で終わる簡単なものなので、ご協力お願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?