見出し画像

今すぐ勝てる!六角宝珠の女魔術師のススメ

お久しぶりです、ねくすとです。
今日は皆さんに今最もホットなデッキを紹介したいと思います。

【女魔術師】です。

『魔術師』という名詞の頭に『女』という名詞をわざわざ付け加えることは昨今のジェンダー問題の観点からすると『魔術師』が通常男性の職業であり、女性の魔術師は特殊であることを示唆しているようで非常にリスキーであるように思えますが、現代に『魔術師』という職業は比喩以外の表現では存在しないため、各種団体やフェミニストからの抗議の声を避けられています。大変結構。

@フェミニズムとの闘い

"女"魔術師を名乗るというそれ相応のリスクを抱えているわけですから、テキストは非常に優秀なものとなっています。
リスクヘッジではなくアイデンティティを重視した女というわけです。

本題へと入ります。
このデッキはDスタン開始当初からいわゆる『押し付ける』部類のデッキに分類されています。
対応力を犠牲にゲームの速い段階で自分の強みを相手に押し付けることに長けたデッキでした。
2弾までのプール時点では複数のストレス要素が存在し、トーナメント持ち込みに耐えうるデッキではありませんでしたが、3弾の追加でこの複数のストレス要素が一気に解消され、デッキ全体として飛躍的な進化を遂げることとなります。
寄与したのは主にこの2枚。

@令和のジャンヌダルク

このカード達の強みを理解するには2弾までの『女魔術師』について言及しなければいけないでしょう。

参考レシピ

2弾時点での『女魔術師』です。デッキとしてやることはDスタン開始当初から変わっていません。
①トリガーを上に盛って
②高パワーで殴りつけて6点入れる。
以上です。
ここに対して長々触れる気はありません、デッキの中身を見れば一目瞭然なので。

これを踏まえて先程の話へ戻りましょう。
2弾までの魔術師が抱えていたストレスについてです。

ストレス①:ゲームが進むにつれてハンドがトリガーだらけ。

このデッキはトリガーを盛ってなんぼなわけですから、当然ドライブチェックで入ってくるカードはトリガーがほとんどなわけです。
そんな状態でゲームを進めていけば後半ハンドがトリガーだらけになってしまうのは自明であります。
相手に積極的にリアを叩き始められると、アタッカーは尽き、ペルソナも尽き、打点は下がり、序盤に得た点数のマージンはそのままヒールが発動しない負の時間へと変換されていきます。



ストレス②:ペルソナライド出来ないターンの誤魔化し方が存在しない。

バスティオン、ロロネロル、ブルース、ニルヴァーナ。
環境の前線で戦っているカードが優秀たる所以の一つとしてペルソナライドがあくまで+αである事が挙げられるでしょう。
ターン中の前列1万パンプは当然魅力的ですが、引かなくても最低限テキストを行使することができます。
一転、女魔術師の4ターン目以降の非ペルソナターンは致命的です。
かといって山上から見つかった女魔術師をドライブで捲る行為はトリガーパンプが2倍になる『女魔術師』というデッキの出力を大きく下げてしまいます。


ストレス③:山上見たけど弱い、助けてほしい。

概ね助かりません。
2弾までの六角はライドターンにトップ3枚を見てノートリだった時、オーワインやペインキラーでずらすことしかできず、不確定な山を捲りがちでした。
3ターン目にオーワインを消費すると4ターン目以降のトリガー率も大きく下がります。



ナナフルとトトリスはこのストレス①②③を見事に解決してくれました。
ナナフルはトリガーをソウルに入れてハンドの回転率を上げるだけでなく、今まではオーワインで山下に落としていたカードをトリガー率を下げることなく拾うことができます。
トトリスは言わずもがなのペルソナサーチに加え、3ターン目のノートリをシャッフルによってケアすることができます。

加えて不足していたソウルを効率的に補給することが可能になり、新たに3弾で追加されたイーズロッドエンジェルやカカロネといったソウルが必要なパワーカードを採用することも可能になりました。

@ソウルを喰らう女

3弾の追加要素を説明し終えたところで現在の構築へと話を進めていきましょう。

1枚1枚採用理由を書き連ねる方式はあまり面白みがないのでデッキの基盤から肉付けしていく形で説明していきます。

①構築の軸

ペルソナライドが必要な女魔術師をフルで投入することに異論がある方は恐らくいないでしょう。
完全ガードはとりあえず4枚入れておいてください、ここで上手ぶると基本ろくな事が起こらないので。
そして我々には2弾までの魔術師の経験という足掛かりがあります。
ナナフルとトトリスという追加は先程説明した通り。2弾までの『女魔術師』のストレス要素の改善が期待できるこの2種を入れるところから今回は始めてみます。


②アイデンティティの投入



ナナフルやトトリスのようなカードはそのデッキのアイデンティティをより活かすためのカードであるため、本来手順①と②は逆なのですが、『前段までの改善点を先に説明する』というブログの構成上こちらの方がわかりやすかったためあえてこの方式を採りました。
4ターン目以降の打点形成に大きく寄与するオーワイン、カカロネを投入します。
魔術師としてのアイデンティティを形成する2種です。

③トリガー比率

デッキの基盤が出来上がってきたのでそろそろトリガー比をいじっていきましょう。

今回は星8引3治4の配分にします。
アマルティノアについては言及しません。あまりにも強力すぎるカードは採用理由を話す意味すらありません。

なので残りの8.3.4の部分について触れます。
・魔術師には直接リソースを増やすカードが少ないこと。
・ナナフルのテキストはハンドが多い方がバリューが高いこと。
・素引きした引トリガーをナナフルで綺麗に処理できること。
以上3点から今回は星8と治4の隙間には引を突っ込むことにします。
カカロネが1万ガードとして機能するため7.4.4の配分でも総ガード値としては全く問題が無く、序盤のリソースを考えると7.4.4の方が良いかもしれません。
今回は星をハンドに抱えられず六角のバリューが著しく落ちるリスクを重く見て8.3.4にしました。

④調整とメタカードの投入。

イーズロッド、プリスクリプションを投入しました。
イーズロッドは非常に器用なカードです。
・G3ライドターンやカカロネオーワインでトップが確定した状態のトップコール
・単純なトップチェック
・お願い1アド
主な使い方はこの辺りですが、特に①が強力です。
ストレス③で挙げた山上3枚ノートリ状態もその中にトトリスorオーワインが入ればイーズロッドコールからシャッフルor2枚ずらしで解消することができます。
明らかにケアの範囲が広がるので今回の構築では投入に至りました。
あとこいつアマルティノアでツインドライブできます、すげ〜。

プリスクリプションは単体で見ると貧弱なカードですが、
①最低値を底上げする役割
②特定のデッキへのメタ
の2つの役割があります。
しかし行うアクションは一緒です。ダメージから完全ガードを打てるようにすることです。

①は完全ガードに触れる領域を増やすことで下ブレを極力無くすこと。
②は対ロロネロルです。ダメージからなら完全を張れますからね。


@攻める女と受ける女

以上でデッキが完成しました。

皆さんはこの50枚を見て何を感じますか?
デッキパワーですか?それとも不安定さでしょうか?

冒頭の『最もホット』という非常に曖昧な表現だけでここまで読み進めていただいた皆さんには感謝の意を示すと共に『女魔術師』の環境的な立ち位置を説明していきたいと思います。

まず私の意見から。
非常に強いデッキだと思います。ライドライン順でTOP3には入ると考えています。

ただ同時に、このデッキの評価は個人の考え方に強烈に依存するだろうとも考えています。

結論から申し上げますと、このデッキは『全体面に52〜3%の勝率を出す』ように組まれているデッキだからです。
(55%だと強すぎ、盛りすぎ)

皆さんヴァンガードをやっていたらこんな場面に遭遇しませんか?

◯4ターン目までに完全ガードが1枚も引けなくて負けた。
◯相手に超トリを一方的に捲られて負けた。
◯3ターン目にダブクリされて負けた。
◯4ノーが通らなかった。

魔術師はこういう『不幸』に強烈に付け込むデッキです。
トップにトリガーを盛るという強制的に上ブレを発生させる性質と相手の下ブレの噛み合いが多発するデッキと言えます。

逆に言えばそれしかしていません。
トップにトリガーを盛ってめちゃくちゃな数字で殴りつけているだけです。
そんな場面が連続して発生すると案外それだけでヴァンガードはどんなデッキにも勝てます。
逆に言えばどんなデッキにも負けます。

特にこのデッキはゲームスピードを能動的に変えることが非常に難しいため、相手に突っ込まれた時に裏を焼きながら横を丁寧に処理してゲームスピードを遅くするなんてことはできません。
相手に突っ込まれたら相手より強い力で押し返すしかないのです。

私のデッキ評価基準は『有利対面の多さ』に比重を置いているので『女魔術師』の評価は高いですが、特定のデッキ以外に70%以上の勝率を出せるデッキ(ロロネロルやブルース)を好むプレイヤーの評価基準には当てはまらないでしょう。

しかし、もう一つ私がこのデッキを評価している点があります。
『ヒューマンエラーが発生しやすい』点です。

女魔術師のトリガー追加1万パンプは
◯2貫だと思ったら1貫だった
◯超トリ(5万ガード)で蓋したと思ったら貫通した

魔術師が環境に圧倒的に少ないことによる練習不足と大会の緊張から結構な確率でこういう場面に遭遇します。

しかも魔術師側は脳のリソースを殆ど使いません。並べてトリガー盛って殴るだけ。
この点を加味すると実戦値は55%デッキなのかもしれません。
難しくなくて相手にエラーが発生しやすい本番に強いタイプのデッキな訳です。
これって結構重要ですよね。


このデッキは今すぐ勝ちたい初心者、復帰勢、トリオの3枠目を探している人、格上に勝ちたい人には特にオススメです。
この記事はプレイガイドではないので込み入ったプレイは書きません。
と言うよりそんなものはありません、使っていれば自然に身につく知識で完結する簡単なデッキだと思います。
それでも分からないことがあれば私のツイッター(@FarEastBirds)かコメントで聞いてください。
魔術師とねくすとはいつでも貴方をお待ちしております。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?