(薬物事件)「17分間取り囲み、強制的捜索の疑い」 一部無罪判決
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警視庁が捜査した薬物事件で違法な所持品検査が行われたとして、東京地裁(赤松亨太裁判官)が被告の男(32)に一部無罪の判決を言い渡していたことがわかった。判決は26日付。関連する捜査資料を警察が裁判で隠そうとしたことも指摘した。 判決によると、男は2019年4月、東京都足立区内で職務質問を受けた。注射器を見つけられて逃走したが、しばらくして転倒し、取り押さえられた。後日、注射器の中身は覚醒剤と鑑定され、覚醒剤取締法違反(所持)の罪で逮捕、起訴された。 判決は、転倒現場で警察官が男の承諾を得ずに所持品を検査したとして、「多数の警察官が横たわる被告を17分間も取り囲んだ。強制的な捜索の疑いがあり、違法だ」と指摘した。さらに、こうした状況を撮影した写真を添付した捜査報告書を警察官が検事に「ない」と回答し続けるなどした点を踏まえ、「現場の状況を糊塗(こと)しようとしたと評価されても致し方ない」と批判した。 そのうえで「違法の程度は令状主義の精神を没却する重大なものだ」と指摘。被告は覚醒剤所持の事実を認めたが、違法な手続きで集められた覚醒剤などを証拠から排除して無罪とした。男は覚醒剤の使用の罪でも起訴されており、判決は使用罪の成立は認めて懲役2年2カ月(求刑・懲役3年)を言い渡した。(新屋絵理)
朝日新聞社
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