配達遅延:Uber Eats配達員が石野さんのつけ麺を捨て置いたトラブルについて
Uber Eatsの配達員を副業として始めて1ヶ月(200件配達程度、稼働60時間程度)の新米ではありますが、本件について思うところがありましたので筆をとりました。いつもはウーバーイーツでの体験や登録方法などのブログを書いていますが、noteも試してみたくなったので
石野さんの該当ツイートには、罵詈雑言のようなリプも来ている最中、いち配達員として、申し訳ないと思いつつも私の知り得る現状をご報告とともにまとめさせていただきました。
私自身、配達を行っているため、どうしても配達員よりの目線になりがちで、言い訳のように見えてしまうかもしれませんが、できる限り問題点を洗い出してみたいと思います。
石野さんご本人からお返事いただき、推測が一部誤っていた部分がありましたので、一部の該当箇所を訂正いたしました。(総論としては書いてあることは変わっていません)
大前提として、配達員の行った行為は言語道断、絶対に許されざる行為
刑法に触れるかは微妙なラインだと思いますが、少なくとも民法には触れる行為だと思いますし、職業における倫理観・道徳観からいって言語道断の行為です。
私たち配達員は、このように自らの行いによっては、世間の目にさらされる事を強く自覚する必要があります。
もちろん、上司や煩わしい人間関係のないUber Eatsですが、古い言葉を借りれば「お天道様が見ている」です。Uber Eats特有の自由度の高い仕事に魅力を感じるのであればこそ、「お天道様」ではありませんが「世間の目」というものは意識したいものです。
一般的な社会常識として配達員は冷静にお客様の意見を聞くべき
お客様であっても、何もかもを受け入れるべきとは私自身思っていません。
衣類品のチェーン「しまむら」で起こった土下座強要のように、度を越したクレーム、強要罪や脅迫に該当するような暴言は、毅然とした態度で接し、場合によっては警察を呼ぶなど、一般的な社会通念に従った行動が配達員にも求められるはずです。
暴言や度を越したクレームに対して、同じような暴言や暴力で返しては、こちらの正当性もなくなってしまいます。
また、一般的なバイトや会社員であっても、理不尽に誰かから怒られることはあります。例えば、同僚が起こしたトラブルが原因でも、自分自身が謝らなければならないことは、どんな仕事においても起こりえます。
もちろん、こちら側(今回であればUber Eats、配達員、飲食店)に一切の否がなくとも八つ当たりのようなことをする注文者様は一定数存在します。
ですが、同じ土俵に立ち、同じ行為を同じようにし返すことは、お客様にすることではありません。法に触れかねない行為があれば、警察や弁護士に相談することで対応するほかありません。会社組織であれば、上司や法務部などが対応を変わってくれますが、個人事業主である以上、これらはすべて自身で対応するか、法に触れるか微妙な範囲は我慢するしかありません。
ここまでが、本件の配達員に対する私の見解です。一般常識の範囲だと思います。本記事では配達員についても言及していますが、その配達員自体を擁護したい訳ではありません。
Uber Eatsの構造的なトラブル要素を洗い出してみたいと思います。かなり長くなってしまいましたが、石野さんに起こったトラブルは、簡単には解決できない要素をはらんでいます。
本件に関係しそうなUber Eatsの構造的なトラブル要素は5点
道の混雑などは関係無さそうと石野さんのTweetがありましたので、今回は省きます。
Uber EatsのAIがお届けまでの時間を算出して提示していますが、AIの予測を外れる要素が多分にあります。
0.基本情報として:配達員のキャンセルの種類
事前にお伝えしておくべき【配達員によるキャンセル方法】があり、3種類に大別できます。
A:配達のリクエスト(配達員にとって最初の呼び出し)のキャンセル
B:お店に着いてからのキャンセル
C:お店で商品を受け取ってからのキャンセル
Cはお店で商品を受け取ったにもかかわらず、配達完了せず、キャンセルした場合で、基本的には重めのペナルティが存在しています。(数回でアカウント停止)
BとAにも弱めではあるものの、ペナルティがあります。弱めとはいえ、繰り返すと配達依頼が来にくくなったり、平均を大きく上回るキャンセルの場合、アカウント停止がほのめかされています。(もちろん、挽回のチャンスはあるらしいですが……)
ここから5件の要因に掘り下げてみます。
1.ダブルピックの可能性🤔
ざっくり言うと、1件のお店に発生した2件の注文を、配達員に一気に配達させる仕組みです。
矢印を進行方向だと思ってください。
実例1:お店 → 注文者A → 注文者B
これなら基本的には効率がいいですが、AとBにかなりの距離があるとBの方はどうしても多めに待つことになります。もちろん3者が一直線に並ぶ訳は無いので、寄り道している、変なところで停止していると見られてしまいます。
印象が悪いのは当然です。
最悪なパターンはこれです。
実例2:注文者A←お店→注文者B
お店からAに配達後、Bに配達します。
ABそれぞれが近ければ問題ありませんが、平気でAに10分くらいの配達が組まれる場合もあります。するとAとお店の往復で20分+お店からBの距離を足した時間が加算されます。
もちろん、簡略化していますので、多少近いルートは存在していますが、ABが真逆側にあることは往々にしてあります。
ちなみにですが、AとBの配達順番も選択権は私たちにはなく、AIが勝手に割り振ります。
こちらは石野さんも把握済みで、配達員が逆方向に向かっていたとのことなので、今回の配送の遅延の要因として一番可能性が高く、遅延時間の多数を占めている可能性が高いです。
もちろんですが、配達員がダブルピックを受諾する責任もあるので、この遅延は配達員にも責任の一端があることは間違いありません。
<強制ダブルピックのバグ?>
ダブルピックは、押し間違えしやすかったり、1回のリクエストを1回押したつもりにも関わらず、詳細を確認すると2件の配達になっていることがあります。
Uber Eatsのアプリのバグの可能性もありますし、2連打している可能性もありますが、個人的にはバグの要素があると感じています。
ダブルピックが発生すると、1件分の配達が余分に時間がかかるので10-30分程度配達が遅延します。
2.ロングピックだった可能性🤔
配達員がお店に向かうまで:ピック
配達員が注文者様に向かうまで:ドロップ
通称ロングピックという配達員からはあまり好まれない配達リクエストがあります。(ピック距離は配達料金報酬に無関係のため)
通常5分前後のピックが一般的ですが、10分前後のピックが提示されることもあります。
10分くらいの距離大した事無さそうですよね!
確かに!!
ですが、このピック時間は車を前提とした時間らしく、自転車では間に合わない時間が表示されます。(8/30頃のUber Eatsの社員さんによる説明会での発言)🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔😂
ただ、最近はやや改善されているのでは?と個人的に感じています。(電動チャリで全速力&右左折が少ないルート&信号などに引っかからなければギリギリ到着できる表示時間)
配達員が足りない時間やUber Eats全体で注文数が多い時間帯などは、ロングピックがどうしても発生してしまいます。
余談ですが、Uber Eatsは現金払いも受付可能になっています。配達員は現金払いを受け付けるか選択式なため、相対的に配達員が少ない傾向があります。現金払いですと、ロングピックになる=配達に時間がかかりやすくなる=お届けまでに時間を要する可能性が上がります。
ロングピックは配達員が敬遠する傾向があり、最初のリクエストが拒否されると、更に条件の悪い(遠い)可能性のある次のパートナーへのリクエストが飛びます。配達員が決まるまでのタイムラグも生じることになります。
2つ目の理由のロングピックは、配達遅延に5-20分程度の影響を及ぼします。
3.お店の受け渡し遅延の可能性🤔
配達員あるあるですが、配達リクエストを受けてお店に急ぎ目に到着してみたら、20分待たされたなんてことは結構あります。
体感値で10件に1度は10分以上待たされます。
お店が混雑していると致し方ない部分もありますが、確信犯的にUber Eatsの注文を後回しにしている店舗は見受けられます。
<特に麺類は配達員が来てから作る傾向が高い>
商品の特性上、お店側としてもできたてを配達させたいという思惑も強いことも理解できます。
そして、配達員の到着時間はお店側から予測しにくいため、到着してから作るほうが無難という動機に繋がります。
一応、私が把握しているルール上は、お店側からの配達員の手配は、商品完成後だったはずなので、厳密にはルール違反だと思われます。
3つ目のお店での受け取り遅延は状況によりまちまちです。
私の体感値ですが、配達件数全体の5-10%で、10-20分以上の遅延が発生します。
ラーメン屋さんだと10分以上の待機が30%くらいありそうな感覚です。(まだ10件もラーメン屋さんを配達していないので母数が少ないですが、配達員の口コミなどではラーメン屋さんは汁漏れのりすくもあり、避けたい人が多いようです)
配達員はどうするかって?待ちぼうけです。他のお客様の邪魔にならない店内か、店外で待機します。
この記事を最終校正している間に、石野さんがツイートされました。
補足をすると、配達員の場所が出た確認できたタイミングがピック完了時(お店からの商品受け取り完了時)です。
上記から推測させていただくと、配達員がお店から商品を受け取った時点で最初にAIが表示した到着予定時間を過ぎていた可能性が高く、お店の提供が遅かった可能性がかなり高いです。
上記ですが、石野さんご本人からお返事いただきましたので追記します。
純粋にダブルピックで、配達員が迷ってしまった結果のようです。
ダブルピックの2軒目にされてしまった注文者様でも、1件目の配達から、配達員のピンは確認できたはずです。この仕様も微妙で、2件目の注文者様は逆走する配達員を見ることになります!
どうですか?
腹が減ったからアプリを立ち上げて、もしくはお昼ごろに届く予測をしてアプリで注文します。
配達予定時刻間際になって、猛烈に配達員が遠ざかっていく……イラッとしませんか?
仕組みを予め知っている私もイラッとします。しかも空腹。場合によってはご飯後の予定やすべき予定があるのに!ってことはめっちゃありえます。
最後にもう1点だけ、遅延の可能性が残っています。
4.受けキャンが起こっていた可能性🤔
配達員は、各所で配達リクエストをキャンセルすることが可能です。
Aタイミングの拒否ではなく、リクエスト受諾直後〜お店に着き「配達を開始する直前」まで(画像中のBまで)を受けキャンと呼んでいます。
※画像は「B:お店に着いてからのキャンセル」と記載していますが、正確には「B:お店に着くまで(Cの商品受け取り直前まで)にしたキャンセル」が【受けキャンに該当】します。
こちら、しゅんすけさんに、リクエストとキャンセルの境界について丁寧に教えていただきましたので、上記表現を一部修正しました。
(私たち配達員が)配達を受け付けた後のキャンセルをする
=受け付けキャンセル
=受けキャン
※受けキャンをするとそこまでの労力(ピック料金)は発生しないため、完全に機会損失です。
損切りとでも言えば伝わりやすいでしょうか。
<受けキャン発生時の遅延(一部想像)>
配達員Aがお店に到着する(1-10分)
↓
商品がいつまでも完成しない(10-20分)
↓
仕方なく受けキャン
↓
次の配達員割り当て(0-5分程度?)
↓
配達員Bがお店に到着する(1-10分)
※受けキャンは配達員にペナルティがあります。ピック拒否(A)はリクエストがなりにくくなる程度の軽微なペナルティであり、アカウント停止など、アカウントに傷がつくようなものではないそうです。
C:お店から商品受取後のキャンセルは、ペナルティが更に重く、数回でアカウント停止になります。(記憶では2-3回だったかと……)
追記:画像中では「C>B>Aの順で重いペナルティ」と記載しましたが、重み付けを正確にするのであれば、C>B>>>Aの順で重いペナルティになります。
配達リクエストの拒否はかなり軽微なペナルティですが、受けキャンはそこそこUber Eats側に嫌われている行為のようで、サポートから指摘を受ける可能性があるとのことでした。
・今回の配達遅延の原因は、、、
1.【確:ダブルピック】
2.+ロングピック
3.+お店の受け渡し遅延
4.+受けキャン
1+2~4の複合によるものだと考えられます。
配達予定時刻の30分オーバーだとさすがにロングピックだけで無いことが多く、2-4のどれかが加わった複合的な要因で到着予定30分オーバーにつながったと考えるのが正しいかと思います。
追記:========================
こちらの推測も単純にダブルピックの1−2件目の間で配達員が迷った可能性が高そうでした。
注文時から10-15分で配達員が表示されたということはピック自体スムーズだったと思われます。今回の配達先は六本木周辺とのことで、坂道も多く、長いトンネル?など一度迷うと目的地につきにくい場所であることも事実です。配達員としては同情する部分もあります。(ただ、配達員が結果として起こした商品の投棄は許されることではないですが。)
追記おわり:========================
ダブルピックをUber側が指定するのは、配達員が足りていない可能性が高く、どうしても2件持っていった方が効率がいいと判断している可能性もあります。
ちなみに、配達員が全く足りていないと、注文を受けて30-60分後にUber Eatsから強制キャンセルの連絡が来ることもあるそうですが、以下の記事の方は90分後に強制キャンセルの憂き目にあったそうです……。
冷めきったご飯が1時間後に到着するのがマシなのか、強制キャンセルの方がいいのか、、、利用者目線では悩ましいですよね。
せめてさっさと教えてくれれば釜寅でもピザーラでも頼むのに、最悪頑張ってコンビニでも。
※余談ですが、配達員によっては特定のお店を受けキャンすると決めている方がいます
・梱包の悪いお店(漏れの発生しやすいお店・中身が偏りやすいパッケージを改めない特定のお寿司チェーン)
・配達員を極端に毎回待たせるお店
・配達員をアゴで指図するようなお店
これらのお店は、Uber Eats配達員の気持ちはさておき、自身のお客様を待たせる・商品の状態が悪化する負の連鎖をご自身で招いていることを理解してほしいのが多くの配達員の意見だと思うのですが、Uber Eatsの仕様上なかなか改善に繋がりにくいのが現状のようです。
配達員が避けるお店
= 配達遅延の要因が増える
= お客様を今以上に更に待たせる
= Uber Eats上のお店の評価は下る
= その他のお店レビューが荒れることも
我々配達員を見下してようと何でもいいのですが、私たちの配達先には注文者様がいます。そしてその注文者様はお店にとってのお客様の一人であることは間違いありません。
私たちを含めてのお店の評価にもなってしまう点は、理不尽な点は店舗側にもあると思います。
梱包は資材の選択を含め、お店側に決定権があり、どんなに丁寧に運んでも漏れるもの・中身がグチャグチャになってしまう寿司容器というのもあります。もちろん、配達員の乱暴な運転などの影響もありますので、すべての漏れや商品の破損がお店側の責任とは思っていませんが、しっかりした梱包をするお店の商品は、カレーや汁物・寿司などでも基本漏れや破損は生じません。
5.配達員は、注文者様の注文時間が知ることができない仕様🤔
5つ目は、直接的な遅延の原因ではありませんが、注文者様と配達員の間で感情のすれ違いが起こりやすいと私自身感じているため、5つのUber Eatsの構造的な問題点に入れました。
注文者様は、当然ですが、注文した時間は把握されていると思います。
また、注文時に到着予定時刻が表示されています。
お店側も、注文時間が表示されていたと記憶しています。
配達員側は、、、
一切の情報がありません!
注文者様が注文した時間、配達予定時刻 配達員はどちらも知りえません!!
私は、お届け時に「お待たせいたしました」を枕言葉にしていますが、実際問題どの程度お待たせしているのか知りません。
A:何人もの配達員がリクエストを拒否していた場合
B:前の配達員が受けキャンしていた場合
C:飲食店側が混雑しており、Uber Eatsの調理を後回しにして完成後に配達員を呼んだ場合
担当の配達員は、全く知らない状態で、注文者様がヒートアップしていることが考えられます。
たとえ、配達員自身が商品受け取り→配達完了まで10分で完了できても、注文からは1時間経っていることもありえます。
となると、唐突に怒られてしまう可能性が格段に上がります。
注文者様にとって、新人だから、知らなかったから、といって言い訳もできないと私自身は思っているので、まずは「お待たせいたしました」からお伝えしつつ、場合によっては状況をお伺いするようにしています。
ちなみに、お店側は配達先の注文者様の住所や届け先の距離はわからない(らしい)です。
要はお店から5分のお客さんなのか、20分先のお客さんなのか不明です。
麺類なら、お店から配達先の場所のおおよその距離・時間が出ていれば調理に工夫をすることも可能だと思うのですが…。
※明らかに長時間お店で放置されていたであろうピックは、お店に受注時間を確認するようにしています。心構えができるだけでも全然違いますし、少しでも気を和らげてもらう心配りもできる……ように努めています。
長くなりましたが、商品配達の遅延にまつわるUber Eatsの構造的な問題点は以上になります。
「だからなんだよ!Uber Eatsがクソってだけじゃん!!」
、、、という声が聞こえてきそうです。
確かにおっしゃるとおりの部分もあります。
私自身からのUber Eatsへの要望
もちろん、アンケートなどで改善の要望は出していますが、Uberは動かないだろうなと思っているところも多分にあります。ただ、簡単に改善できそうなものも存在しています。
A:ダブルピックを廃止してほしい
B:どうしてもダブルピックを組むなら、近い注文のみにしてほしい
C:配達者由来でないバッドは取り消せるようにしてほしい
D:お店へのルールの徹底(配達員の呼び出しは食事の完成後、受けきれない注文を受けずに一時的に閉店させる、梱包の悪さを改善させる仕組み)
E:注文者の注文した時間を表示してほしい
F:キャパオーバーな場合、注文を受け付けないという勇気を持ってほしい(お店もUber Eatsも)
Aは配達員側のわがままに見えるかもしれませんが、得をしているのは実はUberだけなんです。
Uber Eatsは配達員への支払い料金を以下のように設定しています。
お店からの商品ピック料金(固定)+配達距離(お店から配達先まで)
Uberにとってダブルピックはピック料金(固定)を節約できます。
このピック料金は固定なので、ダブルピックの場合1/2に節約できます。
お店は、遅い・冷めているなどの評判の低下リスクが増し、注文者は配達が遅くなります。
※配達員は合計の配達件数のインセンティブがあるため、メリットもありますがバッドの率が格段に上がるため、配達金額の下落を加味すると差し引きややマイナスといった印象です。
※Uber Eatsも評判を落とすという意味ではマイナスでは?
かなり前からダブルピックの件は改善されていないようですので、総合的にプラスと判断しているのではないでしょうか。
配達リクエストは、緩めとはいえキャンセルのペナルティが基本前提の設計になっています。せめて配達員由来でないバッドは取り消せるようにしてほしいです。
お店はキャパオーバーの時に、受付停止をできたはずです。
それをしないということは、配達遅延はお店側の責任です。
また、Uber Eats側も大雨・台風時などは受付停止をしますが、もう少し細かくダブルピックを大量発生しないと回らない地域の受け付け量を減らすなどはアプリ側・サーバー側の対応でしてほしいものです。
ただ、お店・Uberどちらも売上下落直結のお話なので、判断がしにくいというのも一定の理解はできなくもないです。
この状況を放置して売上を取りに行く行為は、注文者様の離反、配達パートナーへの無駄な負担を招き、結果的に売上の源泉である注文者様の離反を招き、配達員という実働部隊の負担増にも繋がります。
新人でダブルピックを受けて怒られた人などは、もうUberなんてやるかよ!ってなりそうです。
あ、ちなみに私も本当の1回目のダブルピックは受け取りまで15分、2軒め配達まで40分くらいでした。内心の不満はあったかもしれませんが、お二人とも思い出に残っています。その時は、「こんなもんか〜」と思っていましたが、今考えると怒られても仕方のない状態でしたが、満面の笑みで商品を渡した記憶があります(苦笑)
これらを踏まえた上で、Uber Eatsサポートの石野さんへの対応は適切だったのかを考えてみたいと思います。
Uber Eatsサポートの石野さんへの対応
いくつかの石野さんのツイートをたどってみました。
1回目のサポートへの電話で「配達遅延」にまつわるトラブルについては解決済みのようです。また、返金や商品の受け取り拒否については、サポートの返答で一定の納得を得られたと見受けられます。
以下のツイートを拝見する限り、石野さんが破棄・投棄された商品を発見した後のUber Eatsサポートの対応に大きな問題を感じられているようです。
おそらく、1.配達担当パートナーの連絡先の開示、2.破棄された商品の回収と謝罪(配達員もしくは、直接雇用の社員などに対応させる)、3.配達員に連絡後、何らかの結果報告、これらを求められたのかと想像しました。
仮定ですが少し掘り下げさせていただきます。(ですので、石野さんがUber Eatsのサポートに要求したわけではないものが含まれる可能性が多分にあります)
1(配達員の個人情報の開示)は個人情報の兼ね合いから難しいと思われます(ですが、警察が介入するか、裁判所への開示請求が通れば応じるはずです。配達員の個人情報をむやみに開示することは、Uber Eats側も法的に守らなければならない範疇です。企業がどんな形であれ、預かっている個人情報の本人以外への一方的な開示は、個人情報保護法で禁じられていたはずです。)
2(破棄商品の回収)に関しては、依頼の仕方によっては、少し行き過ぎのようにも感じます。
少なくとも、利用規約上の立て付けは、その様な責務を負っていないため、強い申し出は強要などに該当してしまう可能性が生じそうです。ただ、石野さんの先程のツイートを見ると、
配達員に聞き取りをして、原因報告した上で謝るなり、改善策を提案するなりして、捨てられた食べ物引き取るぐらいはできるはずで、それすらせずに警察行け
原因報告や改善案の提案をする気のないUber Eatsサポート→じゃあ捨てられた物くらい回収したら?という流れのようなので、回収を強制しているニュアンスではないように見受けられます。
3(結果報告)双方の意見確認は、Uber Eats側が当然すべき。
お店と配達員をマッチングして、配達先をマッチングしているというのが建前ですが、配達キャンセル時の返金処理やサポートをUber Eats側は行っています。
今回の件も同様に事実確認はすべきだと思います。
たとえば私が配達先が不在で20分経過しても電話にも出てくれない事態がありました。当然ですが、サポートへ連絡し、その食べ物は自由にしてOKと判断され、注文主には事後でサポートが連絡しているはずです。
要は事実(状況報告)の受け渡しをしています。
これに習えば、事実がサポートにとっては確認できないのであれば、双方に意見を聞くことは最低限必要ではないでしょうか。上記の例では確実に双方に連絡を行っています。
もちろん、調査の結果を開示できない場合もあるかもしれませんが、最低限確認くらいは必要だと思います。
ただ、石野さんの発言を見る限り、サポートは、対応の入口である配達員への【事実確認自体を拒否】している様子がうかがいしれます。
※先程の注文後90分後に無通知キャンセルされた方のブログにある通り、Uber Eatsサポートは、完全にマニュアル内の対応しかできないようです。
サポートは権限が全く無く、マニュアル外の対応はすべて担当者に報告というルールなのだと思われます。
Uber Eatsのサポートは何をすればよかったのか?
Uber Eatsサポートの石野さんへの対応は、マニュアル通りと言ってしまえばそれまでですが、もっとしっかりとした説明ができれば、感情面のもつれは生じなかったのではないかと感じました。
例えば、「個人情報の件は日本の法律上、本人以外への開示ができません。」、「配達員には事実を確認します。」、「本人からの謝罪と商品の回収を打診します。ただ、契約上から強制はできないため、本人からの返答・謝罪は確約できないものの、事実を確認後、Uber Eatsから再度ご報告します。」といったところでしょうか。
実際問題、Uber Eatsのサポートはテンプレ返しが多いと聞きますし、私自身のメールの問い合わせもスルーされたり、催促してようやく返ってくる事もありました。別件で電話サポートを2件受けた際は、どちらもしっかりとしたやり取りができる人でした。ですので、当たり外れが大きいか、テンプレ返答以外の回答はすべて担当部署に報告という形なのかもしれません。
※Uber Eatsのサポートを一定の擁護をすると、イレギュラーな対応は権限すら無さそう(人による?)で、後日マニュアル化して改善しているように感じる部分はあります。昔よりも返金の対応や配達員に起きたトラブルなどの解決提案はマシになっているそうです。
配送業のラストワンマイル問題
配達員を行っている私が言うのもなんですが、日本の「配達業」というものが限界に近いと感じています。
労働人口の減少と人件費の高騰が前提にあり、日本特有の狭い国土に密集した住宅で置き配が難しい状況などが加味され、個人宅への配送の質の維持や件数の維持はコストとの帳尻が合わなくなってきていることが取り沙汰され、配送料金の値上げなどに返ってきています。
大手の運送業者・大手のデリバリーなど、配達員を直接雇用してる会社は、Uber Eatsに比べ様々なコストを負担しています。
このコストが今現在、帳尻があっている理由は、マスでこなしているからだと思います。全国チェーンという基盤・全国の配送拠点こそが、今現在のまだ安価な配送料を維持できている根幹にほかなりません。
ただ、その反対の小規模な店舗自体のデリバリー外注へのニーズや顧客の多様な食べ物をデリバリーしてほしいというニーズが存在していることは事実かと思います。また、近場のマックなどであればUber Eatsなら10-15分程度で到着することもあります。
※ちなみに、Uber Eats競合の出前館(夢の街創造委員会株式会社/LINEデリマ・dデリバリーも配送は出前館)はアルバイトを直接雇用していますが、2018年8月の通期で増収減益、赤字に転落。しっかりと決算報告を読み込めば原因は書いてあると思いますが、人件費の高騰は大きいと予測しました。
ドローンなのか、AI配達ロボットなのかわかりませんが、テクノロジーが解決するか、法整備が追いつきコスト面からUber Eatsなどが淘汰されゆくのか、どちらでしょうか?
私はテクノロジーによるラストワンマイルの解決には10年単位かかると思っており、淘汰の方が早い、もしくは利用者が「高かろう(安い場合もある)、やや悪かろう(ムラあり)、でも便利」で妥協しつつ使われていくサービスなのだとの結論に至っています。
今回の石野さんと同じ状況が私自身に起きたら、当然憤りや怒りを禁じえません。ただ、時代の徒花的なサービスとしてUber Eatsは、それなりの存在として認知されていくのではないかと思っています。
マイナスイメージや個々のコスト感覚を上回る利便性がそこにあるからです。
法整備と各国のUberへの突き上げは、今後も続くでしょうが、日本のUber eats単体では収支がプラスらしく、無くなるということは直近では考えにくいように思われます。
また、Uber Eatsは配達員獲得に向け、紹介コードを使った高額な友だち紹介インセンティブを提供(東京は諸条件クリアで8万円)するなど、人員の確保に積極的です。配達員が増え、低評価な配達員の淘汰?が進みつつ、店舗側の改善、アプリの改善、AIの改善などが進むことで、似たようなトラブルが軽減できる事も考えられます。
ただ、積極拡大中の今は悪目立ちしている部分も多分にあると思います。
新参者の私ではありますが、配達員の先達から聞くと過去のUber Eatsの対応、店舗の対応(容器の改善など)はだいぶ良くなったと聞きます。
もちろん、トラブルに合った方々には一配達員としても申し訳なく思うのですが、改善はゆっくりとではありますが、行ってきた過去があるようです。
新人獲得のためのインセンティブなどを鑑みるに、人員を増やすパワーゲーム(+TVCM)でまずは乗り切ろうという雰囲気を感じなくも無いですが……。
時代(法律)が追いつきUber Eats(シェアエコ的なもの全般)が淘汰されるのか、利用者の我慢が臨界点を超えて淘汰されるのか、非人力配送までのつなぎとしてUber Eatsが持つのか、皆さんはどのようにジャッジしますか?
今回石野さんに起こったトラブルは、配達員の増加や評価の仕組みやアプリの機能面で、徐々には改善されていくとは思うものの、直接雇用の支配下にあるアルバイトへの指導的なものは構造的にUber Eatsは取り得るはずもなく、残念ですが100%回避する方法は現時点ではありません。
気になる方は使わない、出前館や大手デリバリーチェーンを使うというのが最適解かと思います。
その上で、これらを加味してもUber Eatsを使う人は使うというのが私の見解です。
高級な賃貸でも買い物という視点では不便なタワマン、どうしても外に出たくない日、子育て中のマック需要(ハッピーセットの需要って結構あります)、多様な小規模店舗の飲食店をデリバリーしたい、などなどのニーズに加え、契約形態の違いによる小回りの良さ・中長期で同業他社と比較した際の安さなどUber Eatsが優位な点が存在しています。
あるとすれば、Uber Eatsなどに直接雇用並みの待遇(労働保険や社保の適用)の法整備→コスト高→同業他社との熾烈なシェア争い→衰退
という流れも考えられますが、今の政権は、副業推進、業務委託契約の推進の傾向から見るに、期待薄ではないでしょうか。
今回のような様々なトラブルや社会的な非難が増えたとしても、「気軽な便利さ」にはかなわないのではないでしょうか?
その一例として、私もAmazonの販売者側との一方的な契約形態、商品価格を安値への誘導、日本の物流に安値乗り、法人税の迂回、倉庫従業員の酷使など気に入らない部分はあれど、便利さから使ってしまっているのが現状です。
Amazonだけでなくブラック企業で話題になったすき家は?ユニクロは?ワタミは?バイトテロにより、話題になった各飲食店は??Apple税・Google税とも呼ばれるアプリ内課金で30%海外に徴収され続ける日本企業を憂う、などなど。様々な問題やトラブルを経ても、利便さに私たちは大局的には流され使ってきているのが現状です。便利な選択肢があり、それを経験してしまうと元には戻れないのが世の常です。
かなり私情も入っていますが、世情を鑑みてもゆっくりと改善しつつ、伸びていくサービスだというのが私の見解です。本記事の前半で書いた「お天道様が見ている」を自身の胸にも刻み、ご注文いただいた方に、少しでもUber Eatsで頼んでよかった、そう思っていただけるように、ゆるくではありますが、Uber Eatsに関わっていきたいと思います。
最後にはなりますが、約220送迎(配達)で、75件のグッドを頂いています。評価の合計数が100件を超えると評価していただいている方の割合はわからなくなってしまいます。ただ、現状であれば率も把握でき、配達した方の約30%の方に評価いただいた結果は配達員として、オッサンであっても嬉しいものです。(評価率が高いか低いかは他のパートナーさんに聞いたことがないので普通かもしれませんし、低いかもしれません。)
何を言いたいのかといいますと、ちょっとした評価を喜びにして、配達をしている人間も少なからずいるということです。
始めてバッドが付いたときは、軽く凹みました。ただ、ダブルピック+道に迷った結果で、お待たせしたことは間違いない事実ですので、気をつけようと努力はしています(ダブルピックを極力避けるなど)。
もちろん、お金のための仕事ですから仕方ないですし、マイナス評価自体もなるべく気にしないようにしています。
デジタルな評価なんてくだらないですかね?
私は結構気にしています。もちろん、プラスの方を重点的にですが!
2%の人にバッドされても、30%の人が好意的に捉えてくれたら気持ちは前向きになります。
そんな、重い意味でグッドボタン押している人ばかりじゃないことも重々承知していますし、Uberの手のひらで踊っている猿回しの猿で結構。
私の根が単純なだけかもしれません。たった1ヶ月、それも副業として60時間くらいやっただけで、こう思ってるんだから、専業の方は評価をより気にしているのではないでしょうか?
だから、配達員がスレて、対応が悪くなったり、下手に気を使って焦って交通ルールを守らない人が増えやすいんですよ!
※配達員個人に起因するマイナス評価は受け入れるべきと思っています。注文者様ではなく、あくまでUber側に言いたいことです。
繰り返しになりますが……総まとめ+αです。
<こうすればUber Eatsちょっと良くなる!>
・ダブルピックを廃止してほしい(近くて迷惑がかからない距離ならまだOK)
・お店での待機由来での遅延は配達員へのバッドが取り消せるようにしてほしい(そのバッド店につけてよ)
・お店へのルールの徹底(配達員の呼び出しは食事の完成後、梱包の悪さを改善させる仕組み)
・注文者の注文した時間を配達員にも表示
・サポートの質を上げる
・配達員は配達バッグにIDを掲示するルール
・キャパオーバーな時に注文を店舗は止めるルールの徹底
・Uber自身も注文過多な地域の受け付けを一時停止するなどの徹底
これらは配達員視点ではありますが、注文者様に対してもお届けが早くなり、責任の所在が明確になります。
また、「配達バッグにIDを掲示するルール」を設ければ、乱暴な運転や交通ルールを守らない配達員を町中の人にとっても確認・報告する手立てができます。名前は微妙だとしても「123456」といったIDをワッペン?のような後付させることは簡単だと思います。こうすれば交通ルールへの配慮は多少抑止力になると思います。(※現実的でなさそうではあります。例:指定の配達カバンも強制ではなく、配達に困らないカバンならOKというルールがあるようで雇用ではないから、の根拠としているのかもしれません。)
石野さんに来ている配達員とぼしき方々のリプ
配達員らしき人がTwitterで「こんなところがUber悪いの!」とリプした事に対し、石野さんは「Uberに直接いいなよ」的なことをおっしゃっていました。
わかります。
おっしゃるとおりです。
そして、「配達員に謎の結束力がある」的なこともおっしゃっていました。
お店の商品が完成が遅くても配達員についてしまう仕様由来のバッド、そもそもキャンセルさせにくいサービス設計なのにダブルピックを組ませようとする仕組み、バグ?っぽい動作でダブルピックになってしまうなど、一定の理不尽さがUber Eatsにはあります。
もちろん、石野さんを含めた、注文者様が配慮すべき内容ではありません。
ですが、謎の結束力は、きっと色々な理由でUber Eatsをやっていて、仕事だから仕方ないとある程度割り切っている理不尽さには、とりあえず目を背けて、ちょっと付いたGoodを励みにしたり、たまに話す機会のあった配達員同士で辛さを共有したりしているんだと思います。
Uber Eats配達員は縛られたくない、もしくは縛られることを嫌ってこの仕事を選んでいる要素が強いと個人的に思っています。
Uber Eatsを部分的に好きなようで、嫌いな部分も当然目立つ、好きだけど嫌い、的な。(アオハルかよ。)
人嫌いだけど、人恋しい(ヤマアラシのジレンマかよ!)
故に、今回のような心無い配達員が注目を集めると心がざわつくのだと思います。これらが、変な結束力になっているだと思います。
クソリプの多くは、「俺はこんなひでぇこたしねぇ!!」からくる骨髄反射ではないでしょうか。
自身の正義だと思っているナタを振り回しやすくなったSNS社会です。道具は人を傷つけるツールにもなるいい実例です。
でもって、程度の差こそあれ、生活の糧にしているUber Eatsに対して、世論が否定的に傾いてしまう焦燥感もあるかもしれません。
当然ですが、少しでも世間に理解をしてもらいたいなら、まずは自分の発言方法の見直しから、というのが社会的通念ですよね。
「配達歴1ヶ月程度の新米が何を生意気なこと言うの」と諸先輩方には怒られそうですが、、、
(諸先輩方の苦労やサポートへの押し問答・ユニオン結成の件などマシになってきた今現時点も過去があったからこそだと感謝しています。過去の情報などを確認するとかなり辛いぞ…、もっと理不尽だったぞ……と感謝せずにはいられません。 例:店舗の容器改善、保険の適応、アプリの改善など)
じゃあ自分はどうなのよと振り返ってみれば、この文を書いている時点で石野さんからしたら余計なお世話だと思います。また、捉え方によってはUber Eats本体に石を投げているようにも見えてしまうかもしれません。
このアホみたいに長い文は、石野さんに向けてのようで、石野さんのバズに乗じたUberへの意見提案です。直接サポートやアンケートに書いてもなかなか改善されないと配達員からは聞きます。ただ外圧(ユニオン結成の件など)に対しては、改善も早いようです。
石野さんのお名前を表題に勝手に入れ、図々しくもありますが、そんな意図で書かせてもらいました。
乗りたいんですビックウェーブ。
ソフトバンクだけに。
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