光を追い求めて.1

やりたくないことはやらず、自分の出来ることを磨いて認められたい。

家では満たされない欲求を職場に求め続けた私の話。



新卒で入社した職場は同期が多かった。研修の時間が長く、単調な作業が続いた為、毎日が眠気との闘いでもあった。

実業務に入るまでに、ミスをする度にきつめの言葉をかける先輩がいることを知り、同じチームの同期の中で彼女は怖い先輩という位置付けになった。

家で怒られることが日常茶飯事な私は、職場でも怒られては堪ったものではないと思い、必死にミスをしないよう注意していたところ、知らぬ間に同期とどんどん差が開いてしまったようで、内ひとりからライバル視された。

左斜め後ろに座っていた彼女から、圧を感じてストレスの溜まった私は、左耳が聞こえづらくなり、耳鼻科へ行くと突発性難聴と診断された。治っては再発を繰り返し、分からないことを上司に質問しに行っても、左耳の影響で回答が聞き取れず、結局自分で考える羽目になることが増えて大変だったが、もちろん同期には言えないままだった…

耳鼻科では「外出するな。睡眠を取れ。」と言われたが、(外出しないとか無理に決まってるだろ!)と思いつつ、出来る限り熟睡することを心掛け、早く席替えをしてくれることを祈っていた。

ただ、それでも怒られないようにと続けていた努力が報われ、かなり早い段階で上司からお声掛けがあり、私はステージアップすることが出来た。嬉しい反面、同期と同じステージで仕事が出来なくなりつつあることに、孤独感を覚えた。

同期と味わうことの出来ないこの感覚を共有出来る存在がいないことを悲しく感じていた矢先、職場である事件が起きたことにより、強制的に異動を言い渡されたのだ。


通勤時間の大幅な増加と仕事の範囲が狭まったことが、面白くなかった。ポジションとしては上がったものの、管轄が元々いた支社ではなく本社へ変わったことで、モチベーションの低下が顕著に表れた。

仕事量の増減に関わらず無駄話の多いスローペースな上司に、全く尊敬出来ない仕事スタイルを貫く管理職。給料泥棒たちと働くのが心底嫌になり、同じ仕事しか出来ず、スキルアップもやりがいも感じられなかった私は、管理職に辞意を表明することを決意。

別の方から出向の話もいただいたが、更に遠い勤務地だった為即座にお断りした。


そして、辞める直前に、「あそこの部署なら空いているんだけどなぁ」と言い出すネジの外れた管理職を無視し退社したが、制服のある職場だった為、制服を返却する必要があった。本社総務にアポを取り、クリーニングに出してから、後日返却しに本社へ出向いた。

中には入れないので通用口の外まで行きますとのことで、約束の時間より少し前から待っていたが、いくら待っても来なかった。しびれを切らして、警備員さんに事情を説明して職場のフロアに上がり、担当者を呼び出したところ、「あ。。よく上がって来れましたね」と言い出す始末。

心の中で、(アホだ、こいつ) と思いながら、もう二度と関わることもないと、ささっと返して去った。

そして、警備員さんにお礼を言って帰った。


そんな社会人のスタートから3年の出来事ーーーつづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?