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『手の甲で 拭く涙あり 浅き春』雪岡久代「手の甲で拭く涙」というのがうまい。 およそ涙を軽くコントロールするのが瞬きで流れる涙は指先で拭きとり、 間断なき涙は掌で拭い、それでも耐えきれない涙は手の甲で、となる。
善光寺本堂外陣に鎮座する賓頭廬尊者像 今や御本尊の如来様を超えるスター扱い テカテカで顔がへしゃげた高さ84センチの 木製の座像 荘厳さと無縁な脇役なのに十六羅漢の1人。 撫でれば病が治るご利益ありと 300年間に亘って参拝客から愛され続けられた「撫で仏」。
当初は住みやすかった我が家 忘れたころにやって来たお隣との紛争 私が父と二人で現在の練馬に移り住んだのはいまを去る58年前、昭和40年のこと。まだ周囲には畑も多く、まさに田舎の趣きだった。思い返してみると今昔の感がある。新潟で生活を共にしていた妹が結婚することになり、独り身になる父が教鞭をとる大学を定年前に退職し、東京でサラリーマン生活を送る私と二人暮しをする決意をした。