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Fukushimafrogs美馬由理さんインタビュー

プロフィール

美馬由理さん

アメリカのワシントン州にあるオリンピックカレッジに通う大学2年生。大学ではコミュニケーションスタディを学んでおり、主にジャーナリズムや論理思考、対人スキルを学んでいるという。現在は日本で生活しつつリモートで授業に参加する傍ら、Fukushimafrogs(※)に所属し、うつを未然に防ぐためのサービスを開発している。

※人財育成を通じて未来を作り上げるプロジェクトを公募し、全国frogsプログラムを展開する株式会社FROGS(沖縄県)の福島拠点。詳細: https://www.frogs-corp.jp/


留学、そして海外での生活

高校時代は学校のプログラムでオーストラリアへの留学と、留学団体を通してイタリアへの留学を経験した。そうした経緯から大学進学を考えた際に、日本だけではなく海外での学習も体験したいとの思いがあった。また、外から日本を見てみたいという希望もあり大学留学を決意したそうだ。実際に大学では発言の仕方や考え方など、今までとは違った生活スタイルを体験している。授業では1~2時間かけてテキストを読んだり講義を受けて、課題を毎週出すというようなアウトプット中心の授業スタイルだという。

美馬さん
「社会人になる前の学習が全部日本だと、日本しか知らない自分になるんじゃないかっていう気がして、もう少し違う国で授業を受ければ違った勉強のスタイルや社会の動きを学べると思ったので、大学では違った場所から日本を見てみようと思って留学しました」

現在は日本で生活しているが、アメリカではワシントン州のブレマートンという街に住んでいた。州最大の都市であるシアトルからフェリーに乗って1時間弱の距離にブレマートンはある。自然が豊かな学園都市で、ストレスが溜まったときなどには川沿いで過ごしたり、夕日を眺めたりと、大自然とともに過ごしているという。


自身の体験とFrogsでの活動

美馬さん
「日本に帰ってきたときに、母がFrogsに関する面白い記事を見つけて置いておいてくれて。それがFrogsとの出会いでした」

Frogsとの出会いは、日本に帰国した際に偶然見かけた新聞記事だったそうだ。Frogsのプログラムは半年間のプログラムで、プログラム期間の終わりにすべてのチームが成果を発表することになる。現在はその発表に向けてうつを未然に防ぐサービスのプロトタイプやサービスを作っているという。

実際に昨年美馬さんご自身がうつという状況に直面し、自分の辛かった経験を良いものに変えていきたいとの思いからサービスの展開を立案したという。ご自身が直面した際には、自分自身の性格からはうつになるということが想像もつかず、まずうつという状況に気づかなかったそうだ。気づいたきっかけは、息抜きに出かけても楽しくなかったり、いなくなりたいという感覚があったり、今まではあったモチベーションがなくなったりということだったそう。そうした状況を後々になって考えてみると、自分はうつだったのではないかと気づいたという。しかし、そのような境遇にあっても、自分の置かれている状況について周囲と話そうとは思わなかったという。そういった経験から、自分でも気が付かないうちにうつになりかけていたり、なっている人がいるのではないかと思ったそうだ。

美馬さん
「私自身もあまり他の人とうつについて話そうっていう考えが今までなかったので、他の人からそういう話を聞くこともなかったですし、今までの自分の性格からは想像がつかなくて特に友達にも話さなかったです。でもうつになりかけたり気づいていないけどなってる人たちっていうのはいるんじゃないかなと思っています」


うつを未然に防ぐ

現在は市場サーチなどを行いながら、日本ならではの自己開示が苦手な人が多いのではないかという考えから、声というポイントに着目している。動物に話しかけるというコンセプトで、その一日にあったことを声に出して発することで気持ちが軽くなるようなアプリサービスを考案しているという。話しかける相手として動物を選んだことについては、何でも話を聞いてくれる、動きがある、人間ではない、等の点から、ペットというところに着目したのがきっかけだそうだ。

美馬さん
「うちにペットがいるっていうこともあるんですけど、人間じゃなくて、でもなにか動きがあって日常にいるものってなったときに、ペットということを思いつきました。他にも返答が返ってくるとなると違うものがいいのかなとか苦戦しているところです」

今のプロジェクトを進めていく上で、コミュニケーションスタディという自身の専攻に関連させたプロジェクトをやりたい気持ちがあった。そうした学びの視点では、人間関係の選び方の大切さを学んだそうだ。プロジェクトを進めていく上で、プロジェクトに対する熱量が同じくらいで、かつサービス自体に何かしらの思い入れがあるという仲間とやっていくことが大切だと感じており、そういったメンバーを募集しているという。
自身の体験やこういったプロジェクトを作っていることもあり、ストレスや健康などにかかわるアプリやデバイスなどにも興味があるそうだ。最近ではスマホで自律神経やストレス度を計ることができるアプリを使用したり、AIを搭載し健康チェックや管理ができる鏡といったものにも興味を惹かれているという。


今後について

現在2年生の美馬さんだが、3~4年生の間で現在のプロジェクトを具体的な形になるよう進めていきたいそうだ。卒業後はアメリカで1年間の滞在猶予があるため、その間にインターンなどを経験し、現地での就職に挑戦しようと思っているという。


むすびに

自身のうつという経験から生み出されるプロジェクトは、きっと多くの人々を影ながら支えてくれることだろう。海外での経験を学生としての経験のみならず、卒業後のキャリアにも活かしてくれることを思うと期待が膨らむ。そんな美馬さんの今後とプロジェクトの発展を楽しみにしたい。

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