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南海電鉄ダイヤ「修正」に思うー大阪南部は危機的!?

先日、南海電鉄からダイヤ「修正」すると発表がありました。記事投稿日時点でダイヤ修正日は迫っています。

 どうやら外国人観光客を中心に関西空港から大阪市中心部への需要が回復しているとのことです。そのため、特急ラピートを2019年水準の本数(概ね30分に一本)に戻し、難波から泉州諸都市を抜け、関西空港まで結ぶ空港急行の8両編成での運行を増やすとのことです。
これについては例の騒動以前水準に戻る増便、なので「修正」の表現もまあ、納得できるかなというところです。

ラピート@新今宮

一方で、多奈川線については大幅な減便が発表され、平日で46本から26本に減り、主な内容としては、始発繰り下げと終電繰上と日中2本/時から1本/時に減便する内容です。
修正は修正ですが、気持ち的に一時間に一本化になり、運行間隔が以前より30分延びるのはかなりの修正に思えます。
それでもJR八高線や関西線の非電化区間のような大都市近郊のローカル線よりは多い水準です。
しかし、多奈川線は2.6kmという非常に短い路線で、深日ふけ港からの連絡船もない状況です。
観光を考慮しても、「無理すれば歩ける」、「バスで十分」とも思える距離です。
都市部からのアクセスと考えても、多奈川線との接続駅、みさき公園駅でも難波から50km少々離れています。
東京で考えても東京から高尾、品川から久里浜くらいの距離で、このあたりは減便もされている区間ですが、有名観光地で休日は多くの人で賑わいます。
なお、より難波に近い所から分岐する高師浜線は1.4kmの路線ですが、バス代行でも足りるレベル?ですが、鉄道高架化工事が進められています。

高師浜駅(高架化前)

多奈川線は和歌山に近い所です。しかし、和歌山も衰退傾向です。
市駅からは加太線、和歌山駅からは貴志川線が出ており、大きな観光地ではありませんが、観光で話題を呼んでいるので、わざわざ多奈川線に乗ろうとはならない気はします。

加太線

関空の開業や本四連絡橋の開業による人の流れの変化、周辺都市の衰退、みさき公園は再開発するとはいえ、観光開発の限界から多奈川線はかなり厳しい状況でしょう。
金剛バスの事業停止と合わせて大阪南部(泉南や南河内)は関西空港周辺以外、危機的状況といえるでしょう。

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