声が小さくて何が悪い
「声は小さくても良いってわかってホッとしました。」
先日頂いたセミナー参加者からのご感想です。この感想を頂いて、やはり世間では「声は大きいほうが良い!」という風潮に肩身を狭くしてしまっている方々がいらっしゃるのだな、と思いました。
1. 小さな声が悪なのか?
先日、ホテルで働く方々に向けて
「マスクをしていても心が伝わる発声法」という少人数セミナーを開催しました。
少なからず打撃を受けているホテル業界で働く方々のために、声の部分でお役に立ちたいという想いで足を運びました。
セミナー後の参加者のご感想で
「声は小さくても良いってわかってホッとしました。」
というものがあり、やはり声が小さくて悩んでいる方は多いのだな...と改めて感じさせられたのです。
レッスンに通う生徒さんや、普段お仕事でご一緒させて頂く方々の悩みでも「声が小さいと言われる」といったものは少なくありません。
ですから、私はセミナーの冒頭で
「小さい声で大丈夫です」
「大きな声を出そうと思わないでください」
とお話しました。
なぜなら、大きな声はかえって嫌がれることもあるからです。
2. 大きな声が嫌われる例
1ヶ月ほど前に、ある企業からご依頼を頂きボイトレセミナーを開催しました。
セミナー前のヒアリングでは、
声が小さくて聞こえにくいスタッフもいる一方で、体育会系すぎて声が大きくお客様に迷惑がかかっているのでは...
と不安になるスタッフもいる、
というお話がありました。
会社としては、大きい声は「元気が良い」と捉えてもらえる場合もあるけれど、場をわきまえなければ「空気を読まない奴」になってしまい、マイナス要因になる、ということなのです。
このようなことからも、
話す声は「小さい声」「大きい声」という物差しではなく、「通る声」で話すことが重要です。
3. 「通る声」を目指しましょう
声が小さい人見ると、「大きな声を出しなさい」というアドバイスする人が多いです。
聞き手としては、声が聞こえないと内容が入ってこないため、ストレスになってしまうことも理解できます。(特に「聞こえないことを伝えられない相手」(上司や接待の場など)だと余計に困りますよね。)
そのストレスも相まって、言える相手には「大きな声を出して」と伝える場合が多いようです。
しかし、実は「大きな声を出しなさい」というそのアドバイス自体が、言われた人にはプレッシャーとなり、余計に力んでしまう要因になってしまうのです。
「大きな声を出して」と言われた方は悩まないでください。
「小さくても、通る声」であれば、相手には伝わります。
解決しなければいけない問題は「声の大きさ」ではなく「声質」なのです。
すなわち、相手に聞こえやすい声 =「通る声」を出せるようにすることなのです。
逆に言うと「大きくても通らない声」もあります。その場合、前述したような「嫌われる大きな声」となってしまいますので、やはり「通る声」が理想的ですね。
4. 声が小さいことで悩まないで
自分の声が小さいと悩んでいる人は「大きな声を出さなくても大丈夫」と自身に言い聞かせましょう。
「大きな声を出さなければいけない」という呪縛から解放されてください。
そして、小さい声を出している人に対してアドバイスする人は、けっして「大きな声を出しなさい」と言わないであげてください。(じゃあどう言えばいいの?という方はページ最下部へ)
逆効果になってしまう場合があります。
心がけて頂きたいのは「通る声」
話し手、聞き手...双方にとって、一番良いコミュニケーションのツールになるはずです。
「通る声」を出してみたい!という方は、是非このルーティン動画を試してみてください。
声が小さい人に何と伝えたら良い?
先程、けっして「大きな声を出しなさい」と言わないであげてください。
と申し上げましたが、じゃあ何と伝えたら良いのか?
「ゆっくり話しましょう」
と伝えてみてください。
ゆっくり話そうとすると自然に一つ一つの音を丁寧に発音するようになります。
声が小さくなってしまっているのは、無意識のうちに「どこかに自信がない」という意識が働いているのかもしれません。
「自信を持てるようにする」
それには、「大きな声でで話そう」とするより「ゆっくり話そう」とする方が効果的なのです。
要は自分に自信を持てれば良いのです。
「大きな声」に固執する必要はないのです。
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