〈質問シリーズ〉酸性還元のメリットとデメリット

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酸性領域パーマ、酸性矯正はキャッチフレーズ

うなぎの旬は冬で、夏場は味が落ちる。
また、江戸時代などでは、うなぎは脂っこい食べ物(現代は他に脂っこい食べ物が増えたため、うなぎはどちらかといえばあっさりしたものに分類される)であるために、やはり夏場は胃もたれして敬遠される。

夏にうなぎを売るために、かの有名なキテレツ斎様が頭をひねりました。
「夏の土用にうなぎを食べて精をつけよう!」
土用の丑の日ですね。
(本当は平賀源内です)

今や、夏の土用の丑の日は、うなぎ店に行列が出来るほどとなりました。
世の中の祭りの大半は、主催が「商工会議所/青年会議所」だったりします。
名物のほとんどは、こじつけや町興しなど商業的理由であって、名産品とは無関係なことが多いです。
盛岡冷麺、仙台牛タン、クリスマスやバレンタイン、姫路ゆかたまつり etc..

酸性領域パーマやコスメパーマなども、そういうことです。
ペッ、pH移行Tri還元は違うんだからねッ(〃∇〃)

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髪にとっての酸性とは

髪の等電点(髪にとっての中性)はpH3.5~4.5だと言われてます。
それ以上での施術は、アルカリ施術で、髪は膨潤します。

また、"使用する処理剤にとっての中性"という考え方も重要で、
例えばアルカリで活性化し、酸性で固形化するものなら、
それがpHどのくらいが一番効率的か、どのくらいまで活性が保たれるのかは、理解しておいたほうがいいですね。

そういった包括的最大公約数の中で施術することが大切です。

ここで一番重要なのは、還元に対しての酸化。
そして処理剤の浸透です。
例えば本当に髪にとって酸性、pH3.5未満で施術したとすると、
還元時点ですでに髪はしっかり収斂してしまうため、
酸化剤も処理剤も入りづらくなります。

特にPPT類は酸性で固形化、定着するものも多いため。
毛髪内に浸透する前に固形化してしまい、水洗で落ちてしまいがちになる。
そもそも浸透し、定着するためのスペースが、収斂のためになくなってしまっている可能性もあります。

酸化剤が浸透できないとなると、酸化不足の懸念もあります。

つまり、酸性施術は、いろんな処理剤が非常に使いづらい。
特にインナーに入れたいものが入らない。
結果として、アウター用皮膜だけで終始する施術が多いんです。

例えばpH6.5のベース剤にGMTを10%ミックスすると、
pHは5近くに落ちることが多いです。

すると、髪の等電点から1ちょっとだけ上がるアルカリ施術だと言えます。
髪はやや膨潤しますので、処理剤も少しは入りますが、
ph8などの本格的なアルカリ施術に比べるべくもありません。

もう一つ考えるべきは、pkaです。

pka

還元剤比較

酸解離定数の略ですが、
ここではかんたんに、その還元剤が一番活躍するpHはどこか。
それが、施術に使用するpHとマッチしていれば問題は少ない。
ずれていると、還元効率がさがり、うまく矯正やパーマがかかりません。
結果として必要以上に還元剤の使用濃度を上げてしまい、のちのダメージに繋がります。
還元剤の多くは、アルカリで活性し、還元効率が上がりますから。

pHごと還元効率 1

アルカリと酸のダメージ

アルカリダメージはキューティクルが剥がれたりビビったり、過膨潤などで弾力を失ったりと、目立ちやすいダメージが形態です。
酸ダメージは、過収斂などにより、艶が出てサラサラになりますが、毛髪内組織は破壊されています。

低いpHでの施術だと、その時の目立つダメージは少なく、むしろサラサラに仕上がります。

ですがその実、種類は違えど、ダメージは同様にあると思ったほうがいいでしょうね。

更には、低いpHで活性する還元剤、
つまり酸性施術に使われる還元剤は、エステル系(GMTやスピエラ)が主です。
それ以外の還元剤は酸性領域では極端に還元力を失います。

髪の大部分を構成しているコルテクスには2種類あります。
オルトとパラ。

オルトとパラ

オルトコルテクスは水が浸透します。
日々のシャンプーなどで浸水し、CMCや柔らかいタンパク質、アミノ酸などが流失していきます。
ダメージ毛の毛先にはほとんど残っていません。
エステル以外の一般的な親水性還元剤は、このオルトにしか浸透できません。

逆にエステル系はパラコルテクスにもオルトにも浸透します。
パラコステクスは日本人の髪の7割を占める結晶状で水が浸透しないタンパク質。

例えばパーマを、還元剤を効かせすぎて失敗した場合、
アルカリ領域で親水性還元剤の場合、アルカリ×還元剤の相乗効果でビビったりはしますが、髪を構成しているタンパク質の30%程度にしか影響は少ない。

酸性×エステルの場合、
パラの70%+オルトの30%で、髪の全体がダメージしてしまい、取り返しのつかないことになることが多い。

エステルビビリは直らない、というのはそういうところに起因しています。

そういった様々な要素を含め、しっかり考えて施術する必要があります。

pH移行Tri還元とは

我田引水ではありますが、
pH移行Tri還元とは
①浸透効率が良くアルカリダメージが少なく、かつ還元剤が活性しづらい酸性領域で薬剤を塗布
②pHを徐々に上げることで、浸透させた還元剤を必要なだけ活性させて還元をすすめる
③pHは1st+2ndの混合結果になるので、8程度までしか上がらないため、アルカリ×還元剤の相乗ダメージの懸念が少ない
④結果として8程度まで上げるため、処理剤はしっかり毛髪内に入る

という効果を狙っています。
結果として、ハイダメージから健康毛まで対応できる施術です。

僕の感覚では、
・酸性領域施術は健康毛向け。ダメージ毛の補修はできない。同じ部位には重ねて施術がしづらい。深層エリアにダメージ。

・アルカリ領域施術はダメージ毛向け。処理剤を駆使して髪の仕上がりをコントロールする。ミスしない限りダメージは表層で済む。

という感じです。

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