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刹那にかける恋はなび パルヴィ√感想、備忘録



刹那にかける恋はなびあらすじ(公式サイトより引用)

204X年の日本。近未来スポーツである刃道<じんどう>は国民的なスポーツとして栄華を誇っていた。 中でも最も有名な刃道興行――それが『大奉演<だいほうえん>』。 《朱雀院撫子》はこの大奉演で、現役の学園生でありながらプロ剣士として華々しい成果を上げていた。 一方、主人公の《滝川一馬》は地下競技場で刃道の試合をして日銭を稼ぐ、うらぶれたプロ剣士。 剣の才はありながら武家の社会でつまはじきにされ、これまで日陰を歩き続けてきた。 そんな生まれも境遇も全く違う二人が、ある日、運命の出会いを果たすことになる。 「一馬さん、あなたの剣は本物です。私たちと一緒に大奉演でトップを目指しましょう!」 「……ああ、そうだな。それができたら最高だ」 刃道に魅せられた二人は互いの剣に惹かれ、求め合う。 滝川小鞠、英パルヴィも《チーム白狼》に加わり、やがて大奉演の舞台を大きく動かしていく。 勝てば栄光、負ければ転落。 厳しいプロの世界で己が信念を胸に、剣士たちは譲れぬ戦いに足を踏み出す。 剣士は刹那を生きるもの。逃した《刻》は戻らない。 さらば魂を燃やせ。 ――この刹那には、命を捧ぐ価値がある――

ネタバレなし感想

戦闘面の演出は流石にバトルモノなだけあって贅沢に一枚絵をふんだんに使って盛り上げてくるのでしっかり迫力ある。キャラもかわいいね。掛け合いも面白いし。
で、本筋のシナリオ。共通は言うこと無し。あの対戦カードを共通のラストで使ってくるのは意外だったが、一つの区切りとして圧倒的な盛り上がりを見せてくれる。
個別のパルヴィ√。こっちは少し物足りなかった。つまらないとは言わないが、共通の盛り上がりは超えてこなかった、というのが正直なところ。
「なんで?どこが?」ってのをネタバレありでぐちゃぐちゃ言ってきますので注意。

ネタバレあり感想

残念だったところ

「なんでこんなこと言うの……?」っていう。

①共通であれだけ刃道に燃えていた主人公が割とあっさり身を引いてしまい、ヒロインのサポート役に徹してしまうこと。
主人公は共通√で虐げられていた雇い主に反旗を翻し、その報復措置として罠にハメられ刃道を無期限謹慎処分の憂き目に遭うわけですが、これ、最後まで解除されないんですよね。元雇い主の当人は主人公の後見人みたいな立ち位置の人に成敗されるのですが、それも主人公たちは感知しないところで成されるようで。つまり、主人公は自身の無期限謹慎を解こうと行動はしない。共通√であれだけ血気盛んにライバルたちと刃を交えたカッコいい主人公がすっかり鳴りを潜めてしまう。これが違和感というか、残念というか。

②家族描写が少し物足りない
パルヴィの√は基本的に複雑な家族関係の因縁とその解消を描いているわけだが、家族関係の因縁に描写が足りないと感じる。というのも、家族関係は基本的に過去回想かヒロインの語りでしか描写されず、具体的な出来事が無いこと。つまり、進行形でヒロインたちを苦しめているという説得力がやや弱い。日常の舞台が学園であるからか、あるいは描写的に重くなりすぎるのを避けたのか……また、ラスボスのいぶきも、もう少し重責に苦しんでいる描写が丁寧だったら、ラストのパルヴィが刃道を捨て去る覚悟をしたところももっと盛り上がった。

良かったところ

①姉に始まったパルヴィの刃道が姉に終わるところ
姉に教わった刃道が姉を救うために捧げられ終わるところ。この構図はとてもキレイ。これは、単にパルヴィにとって一馬との約束や刃道が、いぶきより価値が低いものであったという話ではなく、パルヴィにとって姉と刃道は切り離し難いものであり、この「刃道と姉」という強固な呪いのような癒着を断つための決断が「刃道を捧げる」なのだと解釈した。こういうのすき(直球)。

まとめ

ラストは良かったが、そこまでの流れに少し残念なポイントがあり、タメがいまいち足りず、共通の 撫子 vs 一馬 のカードほどの盛り上がりを見せなかったのだと思う。
とはいえ、共通は面白いし、パルヴィ√も別個で見たら普通に楽しめるレベルなので、他の√も期待したい。


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