似非MBTI診断を作ろう!!!!!


はじめに

突然だが、私は非常に天邪鬼のひねくれものである(逆張りなどという芸のない日本語は使わない)。なので、昨今のネットに溢れる似非MBTI診断が非常に気に食わない。最近は”MBTI”が使えないからと言って「16タイプ診断」などと言っているものもある。賛否両論とは言え、あれは心理学者が必死に考案した学術研究の成果の一つであるのに、ネットで簡単にできるわけがない。手軽にできる、ソースも不明な性格診断に自己規定され言動を支配されている人々を見るにつけ、意地の悪い気持ちが浮かんでくる。

ということで、インチキなMBTI診断でもつくってみようかと考えた。

もちろん、私は専門家でもなんでもない。科学哲学に興味がある学部二年の冬休みのただの哲学科学生だ。従って、ここに書いてあることは「ネットに氾濫するそれっぽい体裁の似非MBTI診断の作り方のあてずっぽうな推測」であり、専門的見地から正しい監修と指導の入ったMBTI 診断を何ら批判・揶揄するものではないことはご理解いただきたい。

また、ソースも一切示さないし、示す気もない。だって似非だもん。「似非診断の作り方」なんて文章がまともなソースを引用しだしたら、それこそ失礼だ。

それでは一緒に作っていこう。

1.二択の質問を4つ作ろう!

まずは、人の性格に当てはまる、反対の二択の質問を4つ作ろう。

私は

①外交的か内向的か
②論理的か感覚的か
③協調的か孤立的か
④現実的か夢想的か

の4問にした。微妙に被っているものもありそうだが、まあそんなものはどうでもよいのだ、どうせ似非なのだから。

重要なのは、4問である、という点だ。これらの質問の回答パターンの組み合わせが16通りになる、ということが重要なのだ。

そう、これが診断結果の16通りにあたる。

2.この16通りの回答に属性を割り振ろう!

この似非診断の16種の結果は、内容がイメージしやすいためか、職業のようなものが割り振られている。
したがって、それを参考に上記の4つの質問パターンの16の結果を当てはめていく。
例えば、

①外交的で ②論理的で ③協調的で ④夢想的

なら

ENFP 運動家

という調子である。これを16通り考える。これも大体のイメージで良い。診断に詳しい人なら簡単に終わる作業だろう。

3.具体的な質問を考えよう!

次に、質問が4問では寂しいので、最初に考えた質問をベースにして質問をかさ増しする。

この時、コツは「具体化する」ことである。

例えば、①外交的か内向的か であれば

・大人数で集まると喋れなくなる はい いいえ
・友人は多いほうだ はい いいえ
・みんなで騒ぐのが楽しい はい いいえ

みたいにして、わかりやすい状況を作ってあげる。これで質問を無限に生成できる。
すべて ①外交的か内向的か について聞いているだけだが、一気にどこかで見たような質問になった。
これを好きなだけ繰り返し、質問を増やしていく。

時折、

・狭いところが落ち着く はい いいえ

のような、一見①っぽいが無意味な質問なども混ぜるとより良いだろう。

4.質問に点数を割り振ろう!

ここから先は、診断結果を出すための点数計算を行う。したがって、診断を受ける人からは見えない部分となる。

・大人数で集まると喋れなくなる はい いいえ
・友人は多いほうだ はい いいえ
・みんなで騒ぐのが楽しい はい いいえ

先ほど考えたこの三問の回答に、それぞれ点数を割り振る。

・大人数で集まると喋れなくなる はい いいえ
→「はい」なら-1点、「いいえ」なら1点

・友人は多いほうだ はい いいえ
→「はい」なら1点、「いいえ」なら-1点

・みんなで騒ぐのが楽しい はい いいえ
→「はい」なら1点、「いいえ」なら-1点

これで、
合計点が3~1点なら「外交的」と診断
合計点が-1~-3点なら「内向的」と診断
するようにプログラムする。
こうしてすべての質問に点数を割り振り、最初に考えた①~④の質問に結果が出るように調節する。

この時、合計が0点(どちらでもない)という結果が出ないように、質問の数を奇数にすることが重要である。
また、無意味な質問を混ぜた場合は、その質問のすべての回答を0点にすればよい。

完成!

これで、質問に回答すれば自動でタイプが診断されるようになる。

例えば、先ほどの質問に誰かが答えるとする。

・大人数で集まると喋れなくなる→いいえ
・友人は多いほうだ→いいえ
・みんなで騒ぐのが楽しい→はい

→1点

①外交的か内向的か→外向的


という具合である。これを4つの質問の数だけ作る。

そうすると、

①外交的で ②論理的で ③協調的で ④夢想的

という結果が出て

→ENFP 運動家

といった具合である。最後にそれっぽい解説を、ネットに転がってる診断サイトを参考に錬成すれば、完璧だ。

おわりに

以上、「ぼくのかんがえたさいきょうの性格診断のつくりかた」だ。
楽しんでいただけただろうか。

もちろん、まだまだ改善の余地はある。

例えば、選択肢を「あてはまる、ややあてはまる、どちらでもない、ややあてはまらない、あてはまらない」の五択にするのは有効だと思う。ただし、これはかなり点数計算が面倒になるので、省いた。

また、診断結果の解説文に心理学の入門書で聞きかじった知識を差し込むのも良いだろう。「心理学に基づいて~」なんて枕詞を入れられるようになる。

いずれにしても、エセでよいなら、馬鹿な私でも作り方を思いつくようなモノがネットには溢れているのである。
こんなもの有難がったって仕方がないだろう。

自身のパーソナリティについて真剣に悩んでいるのなら、ネットなんぞ捨てて専門家に相談しに行くべきだ。
この手の診断の悪質な点は、「心理学に基づいて~」だとか「最新の研究を参考に~」などと書いていたり、直接書いていなくとも、ほのめかしていたりする点である。
そんなソースもわからんエセ科学など論外だろう。

ネットに転がっているインチキ診断を信じ込み、「自分らしさ」を決めつけ、知らず知らずのうちに自身の行動の選択肢を狭めてしまうのは非常にもったいない。
エセ診断を信じ込んで「わたしはENTPだから〇〇なんだよね」などと言って自分の可能性を押し込めてしまうのは、あまりに悲しいではないか。

人間というものは、もう少し多様で自由な存在ではないだろうか。

いずれにしても、この記事を楽しんでいただけたなら幸いだ。

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