ローソンの一番くじ

僕が高校3年生の頃のお話。

当時、よく仲間たちとコンビニの駐車場で車を止め車内で喋ってました。バイト終わりに集合して次の日学校とかお構いなしに朝方まで遊んでいるときもありました。

そんなある日、4人で車内で喋っているときに僕が「ローソンで今リラックマの一番くじやっとる。1等賞はぬいぐるみやで」と友達の1人に伝えました。なぜ伝えたか。それはそいつの高校1年生からずっと片思いしている女の子がリラックマが好きだったから。その話から僕らは急遽近くのローソンへ移動することになり、一番くじを引くことになりました。

元々はそいつだけが一番くじを引いて、あとの3人は眺めているだけという想定でしたが、なぜかローソンの1番くじの1等賞のぬいぐるみが2個ありました。1等賞とは...?
そして2個あったことから、なぜか僕も一番くじを引くことにしました。僕も当時めちゃくちゃ好きな子がいて、その子とはくっついたり離れたりを繰り返していました。その時期はもう半年ぐらい口も聞いてない状況でした。だから、この1番くじの一等当ててあの子にプレゼントしよう!話すきっかけにもなるし!ということで僕も一番くじを引きました。

その時の僕の所持金は5000円、友達の所持金も5000円ほど。どっちが先に1番くじを引けるか、賭けている後の二人。

案の定、5000円では1等賞は出ず、友達も所持金全部使い果たしました。僕らの手持ちにはD賞やE賞ばかり。が、僕らもここで諦めるわけにはいきません。車を走らせて家までお金を取りに帰りました。残りの二人に誰もくじを引かないか見張りまでつけて。そして給料日前もあり、全財産は1万ちょっと。同じく友達も1万ちょっと。これで1等賞引けるか?と思いながら引けなかったら、僕とあの子の運命はそれまでってことだ。とかなんとか勝手に思ってたり。

そして、なんと僕は残り1000円のタイミングで1等賞を当てました。その時の友達の顔ときたら(そいつはまだ当ててなかった)

まぁ一人で喜ぶのもなんか悪いので、友達も1等賞ひいてくれ!と思って3人で応援してました。コンビニの店員さんも、もう早く1等賞引いてくれって感じで、今思うとご迷惑おかけしました。

なかなか1等賞引けない友人はお金が尽きてしましました。

実は僕まだ残り1000円持ってました。もともと、友達が好きな子にあげる話でここにいて、1番くじをやることになったのに、僕だけ1等賞とってもな~と思い、残りの1000円を友達に託しました。

そして1回500円なのでラスト2枚を店員さんにお願いしました。そしておそるおそるめくっていきます。1枚目は、なんとE賞。もういらねぇ。

そしてラスト1枚........なんと1等賞!!
今思い出してもその時の僕らも盛り上がりといったら今こうして書いてるときでもニヤニヤしてしまうほどの盛り上がりです。

もうその日の帰宅時の車内はウキウキでラブソングを4人で熱唱しながら帰りました。

ちなみにドケチで有名な友人の1人は僕らが外した券の「もう一度チャンスがあるよ!」とか書いてる応募ページにひたすらアクセスしてました。当たったら彼女にあげるそうです。全外れしてました。

僕は次の日、早速リラックマのぬいぐるみを学校に持っていきました。いつも財布しか入っていない鞄にぎゅうぎゅうに押し込んで。

いざ、渡そうと思うとなかなか渡せませんでした。タイミングばかり見計らって、気づいたらもう終わりのホームルーム直前。
ここで渡さないと絶対渡せないと思い、勇気をだして、リラックマのぬいぐるみを渡しました。

僕「これあげる。1番くじで当たった」

彼女「え?1番くじ?」

僕「うん」

彼女「ありがとう。でも、私リラックマ特に好きとかじゃないけど」

僕「うん、それは知ってる」

僕らはたまに、このローソンの1番くじの話を集まるとします。
あの時、僕の好きな子にも友達の好きな子にも年上の彼氏がいました。
年上に対してかなり劣等感を抱えてました。
だから、僕らは一番くじに執着してたのかもしれない。
友達が言った「大人になったらきっと好きな子に振り向いてもらおうと思って、一番くじをひいたりしないと思う。」とかなんとか。

大人になった今なんかちょっとわかる気がする。今好きな人が出来ても、一番くじでどうにかなるとは思えないし、その発想すら思い浮かばない。なんだろう、僕の語彙力では説明できないや。

ちなみに、友達はその好きな子に8年ぐらい片思いしてました。僕は結局今隣にいるのはあの子じゃない。まぁそんなもん。

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