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「好きな俳優」から発掘する ネットフリックスに潜むスゴイ作品。

ネットフリックスが発表した2019年の注目作品リスト「What's Hot? 2019」。ネットフリックス配信作品の中には、注目すべきスゴイ作品がまだまだたくさんあります。そこで今回、数ある作品の中からどう選んだらいいかわからないという人のために、映画監督の三宅唱さん、インデペンデント映画上映団体「グッチーズ・フリースクール」主宰の降矢聡さん、『みんなの映画100選』などを執筆するライターの鍵和田啓介さんの3人に集まってもらいました。「好きな俳優」をテーマに語り合い、隠れたスゴイ作品を掘り起こします。(撮影:岩澤高雄)

ネットフリックス作品で無言のコミュニケーションを取る元夫婦。

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鍵和田(以下、鍵) というわけで、今日は好きな俳優が出演しているネットフリックス配信作品について語っていければと。
三宅(以下、三) のっけから申し訳ないけど、ここ半年は撮影があったからネットフリックスをあんまり観られてないんだよ。だから、今日は教えてもらう立場に徹するんでよろしく。
降矢(以下、降) ズルいな〜。でも、最近観たなかで印象に残っているのは、ナタリー・ポートマンが主演しているSF『アナイアレイション 全滅領域』かな。監督はアレックス・ガーランドっていう『エクス・マキナ』の人。
 観てないな。どんな話なの?
 ある灯台のまわりのジャングルに“シーマ”と呼ばれる謎のゾーンができちゃって、ナタリー・ポートマン演じる元軍人やジェニファー・ジェイソン・リー演じる隊長を含めた5人の女性が探索に行くっていう話。すげぇでかいワニみたいな怪物が出てきたり、描かれるのはごく普通のジャングル探検なんだけど、なんかちょっと違う不思議な感じがあって。
 へー、面白そう。
 ナタリー・ポートマンって、プライドの高いお嬢様ってイメージがあったと思うんですよ。『ブーリン家の姉妹』とか。
 コースチュームプレイというか、着飾った上流階級の人のイメージがある。ケネディ夫人のジャクリーンを演じた『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』とか。
 でしょ? だけど、ある時期から体を張ったアクションもやるようになって、個人的にはそのナタリー・ポートマンがいいなと思っているんですよ。この作品も同じ系譜ですね。服装もスーツとかじゃなくて軍服だし。

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降矢聡(ふるや・さとし) 映画上映団体グッチーズ・フリースクール主宰、『ムービーマヨネーズ』企画・編集。『DVD&動画配信でーた』で、未公開映画についてのコラムを連載中。


 気になる。それにしてもジャングルはいいね。俺、これからの近未来SFの舞台はジャングルになると思っているんだよ。
 どういう現状認識?(笑)
 1980年代以降はサイバーパンクがSFの大きな世界観だったよね?
 『ブレードランナー』的なね。
 そう。だけど、日本の未来を予想すると現実はどう考えたってああはならないでしょう。人口も減って、きっと人間は一部地域に固まって、その地域はサイバーな空間になるかもしれないけど、それ以外の大半のエリアは植物が生い茂ったジャングルになるはず……という意味で、この映画は気になる。
 そういう映画って他にあったっけ?
 えーとね、『風の谷のナウシカ』(笑)。だけど、『ナウシカ』にはサイバー感がないじゃん? 『ナウシカ』からそろそろバージョンアップされるべきだし、されるはずだと思ってる。
 それでいうと、ある夫婦が離婚へと至る過程を描いた『マリッジ・ストーリー』って観た?
 観た! よかったですよね。
 スカーレット・ヨハンソンが妻を演じていて、職業は女優なんだよね。で、彼女が劇中で出演するSF映画も世界が森に侵略されるって話なんだけど、興味深いのは、この作品は監督であるノア・バームバックと、その前妻であるジェニファー・ジェイソン・リーの離婚劇をもとにしているってとこ。もしかすると、その元ネタって『アナイアレイション 全滅領域』なのかも。
 仲良いってことだよねえ(笑)。
 さらにいえば、ジェニファー・ジェイソン・リーも自身がプロデューサーを務めたドラマ『ユニークライフ』って作品で、家族や夫婦の問題を描いている。二人はネットフリックスの作品を通じて、無言のコミュニケーションをしているのかなと勘ぐりたくなる。
 実際、最近は『アベンジャーズ』シリーズなんかですっかりスーパーヒーローのイメージがあるスカヨハが……。
 『LUCY/ルーシー』とかね(笑)。
 あれ、スカヨハが超強いよね。もう人間の役はやらないのかなと思っちゃうぐらい。
 そのスカヨハが、今回は久しぶりに人間界に戻ってきてくれるんですよね。
 『マリッジ・ストーリー』では、ヒーロー役のときには見せる必要がなかった、寝起きとか家を出る前の姿が映ってる。俺、スカヨハと同い年だから、いつもクラスメイトとの再会の気分でみちゃう。
 あと、俳優の話でいうと、スカヨハの弁護士役でローラ・ダーンが出てくるんですね。なんだけど、彼女が最初に映ったとき、今まで思ったこともなかったけど、その手足がギョッとするほど長くて異物感がすごいんですよ。個人的にはそこも見どころです(笑)。

ブリー・ラーソンの初監督作『ユニコーン・ストア』。

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 2019年はブリー・ラーソンが初めて監督&主演をした『ユニコーン・ストア』も独占配信されたよね。これは3人とも観ていると思うけど、そもそもブリー・ラーソンってどう? 個人的に、すごく作品に恵まれている人だという認識なんだけど。
 いいよね。俺が最初にそう思ったのは降矢がグッチーズで上映した『スペクタキュラー・ナウ』(その後、『いま、輝くときに』という題名でソフトがリリースされた)。主人公の元カノを演じていたよね。
 僕が上映した作品でいえば『タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑』でも、主人公のマセた同級生として出ていました。
 あと『21ジャンプストリート』にも主人公が想いを寄せる女の子をやっていたし、『新しい夫婦の見つけ方』にもちょろっと出てた。
 『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』の、両親の離婚をきっかけに真実の愛を信じられなくなった主人公の妹もそうでしょ? あれもよかった。
 そうそう。『ルーム』でアカデミー賞主演女優賞を取って以降は違うけど、以前はそういう個性的なサブキャラのイメージが強かったんだよ。それで『ユニコーン・ストア』の話なんだけど。「The Criterion Collection」っていうアメリカの映画ソフト会社のウェブサイトに、著名人が「Criterion」がリリースしているソフトの中からベスト10を選出するってコーナーがあるの知ってる? その中でブリー・ラーソンは、1位にゴダールの『女は女である』、2位にブニュエルの『皆殺しの天使』を挙げているんだよ。
 めちゃめちゃシネフィルなんですよね。
 だから、『ユニコーン・ストア』もシネフィルっぽい作品なのかなと思いきや、直球ストレートのラブコメだっていう。それで自分的にはさらに好きになった(笑)。たぶん、個性的なサブじゃなくて、いわゆるラブコメのメイン役をやりたかったんだろうね。それこそ『エイミー、エイミー、エイミー!』の主役とか。
 初監督作品って、監督の欲望がストレートに出るところが面白いよね。
 この作品では、ブリー・ラーソンもよかったけど、彼女といい感じの関係になる工務店の男の子もよかった。子供の頃から好きだったユニコーンを追い求めてアクティブに動くブリー・ラーソンに対して、基本的にゆったりしゃべるところとか、何を考えているかわからない感じが。
 二人が出会うシーンもよかった。商品棚越しに会話しながら、ブリー・ラーソンが相手の男にウインクするんだよね。だけど、男は無反応みたいな。ロマンスの相手が、キラキラした男じゃなくてこういう地味なタイプというのが、今っぽいね。

我らが愛する、アダム・サンドラー。

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 女優の話に偏っちゃったので、ここらへんで男優の話もしようか。我らが敬愛するアダム・サンドラー主演のネットフリックスオリジナル作品はかなりの数あるし。
 しかも、ほとんどが彼の制作会社「ハッピーマディソン」が製作している。ファンとしてこれはありがたいですよね。
 (フィルモグラフィーを見つつ)本当だ。2015年からオリジナル作品が5本も続くんだね。
 すごいのは、どれもいつものアダム・サンドラー映画だってこと(笑)。全部観ているわけじゃないけど。年を重ねてこれから方向性を変えていこうっていう俳優が多いなか、アダム・サンドラーはネットフリックスと組むことによって、ずっと変わらないアダム・サンドラーであり続けようという戦略に出たのかもしれない。だとしたら、とんでもないなと。
 たしかに、かつてはそういう面があったと思います。だけど、最近のアダム・サンドラーは少しずつ変わろうとしているのかもしれない。それを予感させたのが、『マリッジ・ストーリー』と同じくノア・バームバックが監督した『マイヤーウィッツ家の人々 (改訂版)』。「ハッピーマディソン」製作じゃないっていうのもあるかもしれないけど、すごいシリアスな役だった。1月に配信される『アンカット・ダイヤモンド』でも、ギャングまがいの宝石商を演じているみたいだし。ちなみに、降矢さんがこれまでに観たアダム・サンドラー出演作の中で好きなのは?
 『サンディ・ウェクスラー』ですかね。売れないタレントとかコメディアンを「なんかやろうぜ!」ってくどいて回る、芸能プロダクションのマネージャーの話。
 僕も観た。アダム・サンドラーがうさんくさいけど憎めない役を嬉々として演じているのがいいんだよね。
 へー、俺、"マネージャー映画"は好き。歌手本人とかスポーツ選手本人が真ん中にいる「ザ・主人公」映画ではなくて、主人公を引き立てる脇の人とか仕事とかにスポットライトを当てる映画のことね。アダム・サンドラーの作品でいえば、『ウエディング・シンガー』とか。
 だったら、絶対に楽しめると思う。
 アダム・サンドラーといえば、オリジナル作品じゃないけど『スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと』を観たのよ。これがちょっと、信じられないくらい面白かった。正直、家でドラマとか映画を観ていても、よっぽどのことがないと感動なんてしないの。だけど、久しぶりに我を忘れてうっとりしたなあ。ネットフリックスがなかったら観てなかった気もするから、観れてよかった。

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三宅唱(みやけ・しょう) 映画監督。主な監督作に『きみの鳥はうたえる』(2018)、『ワイルドツアー』(2018)など。


 南米から米国に移民としてやってきた母と娘が、アダム・サンドラー演じる男の家族のもとで家政婦をするって話だよね。サンドラーは妻とうまくいってなくて、その一方で、家政婦に想いを寄せていくっていう。感動ポイントは何だったの?
 嫁さんが男と浮気をして出ていって、二人がいよいよくっつきそうになる一夜のシーンが、もうね。つまり、不貞の瞬間なんだけど、「ムードが高まりすぎでしょ!」っていう。家でテレビを観ていてムードを感じるという体験はなかなかできないと思うんだけど、この映画はすごかった。そこから、どうやればそんなムードを演出できるのか知りたくて、監督のジェームズ・L・ブルックスをまとめて観ようと思って、『幸せの始まりは』を観たんだよ。リース・ウィザースプーンとポール・ラッドとオーウェン・ウィルソンの。
 その3人の三角関係を描いたラブコメだよね。
 あー、観た! 結局、リース・ウィザースプーンはポール・ラッドを選ぶんだけど、オーウェン・ウィルソンは全然悪くない。むしろ終始いいヤツのまま恋に破れるっていうのが新鮮だった記憶がある。
 そう、それ! 誰にも聞かれてないからここで発表するけど、「2010年代ベストを10本選べ」って言われたら100%入れる。これを入れない2010年代ベストは存在しちゃいけないよ!
 2010年の作品だから、ギリギリ10年代だ。しかも、L・ブルックスはキャメロン・クロウやウェス・アンダーソンのデビュー作の製作総指揮も務めているんだよね。
 多くの人が今すごいと思っている監督を引き上げたのはL・ブルックスだったわけだ。
 確かにその一面はあるはず。
 そういう監督たちを通して、俺も知らず知らずのうちに影響を受けていたのかもしれないとも思ったり……。よかった。俺、今日はこれだけ言おうと思って来たんだよ(笑)。

“世界三代ジェニファー”とは?

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 ちなみに僕はアダム・サンドラー出演のオリジナル作品でいうと『マーダー・ミステリー』が好きだった。アダム・サンドラーとジェニファー・アニストンの夫婦がひょんなことから殺人事件に巻き込まれて、容疑者にされて逃げ回る中、ミステリー好きの妻が事件を解決しようとするっていう物語で。二人の丁々発止のやり取りを観ているだけで、幸福な気分になれる。この作品ではアダム・サンドラーにも増して、ジェニファー・アニストンがいつもどおりいい味を出しているんだよ。彼女はどう?
 もちろん、好き。
 僕の中では、年齢を重ねてもコメディエンヌとして、ラブコメ的なものに出続けてくれるありがたい存在ですね。
 まさに。かつてはラブコメでコメディエンヌを演じていても、あるタイミングでアカデミーを狙いにいくような作品にシフトしていく女優って多いじゃん? 最近だと、エマ・ストーンがその典型。個人的には「コメディエンヌのままでいてくれ!」って思ったりもするんだけど。その点、ジェニファー・アニストンはいつまで経ってもコメディエンヌ。2010年代のアメリカのラブコメを引っ張っていたのは、ジェニファー・アニストンと言っても過言じゃない。
 同感です。彼女はちょっと下品な笑いも普通にできる女優さんでもありますよね。そこも偉大。
 自虐ネタもこれみよがしじゃなくさらっとやって、痛々しい感じにならないしね。もともと美人女優として出てきた人には、それって酷なことかもしれないのに。
 俺、ドラマの『フ・レ・ン・ズ』からやり直そうかな。サッカーの監督ユルゲン・クロップはドイツ出身なんだけど、イギリスで「リバプール」の監督に就任するときに「英語は『フ・レ・ン・ズ』で覚えた」ってインタビューで言ってた。
 なにそれ(笑)。ちなみに、アニストン作品では『ダンプリン』もいい作品。元ミスコン女王という栄冠にしがみついている母と、容姿にコンプレックスがある娘の一筋縄ではいかない関係を描いた親子ドラマで、アニストンは母を演じているの。彼女はこの作品で製作総指揮もやっているんだよね。ところで、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジェニファー・アニストンと並んで、僕は“世界三大ジェニファー”と呼びたいのが、ジェニファー・ロペス。
 完全に忘れてた(笑)。
 俺、高校のクラスで一番かわいかった子がジェニファー・ロペスに似ていたんだよ。だから、親近感ある。
 そんな彼女が主演しているオリジナル作品が『セカンド・アクト』。監督はピーター・シーガル。
 『50回目のファースト・キス』の!
 マジか! それは観ないと。『セカンド・アクト』って“セカンドチャンス”的な意味なの? つまり、一回失敗した人がもう一度頑張る的な、アメリカ映画の王道の物語ってこと?
 だいたい合ってる。だけど、この作品の魅力は内容じゃないのよ。ジェニファー・ロペスとその女友達がみんなでキッチンで踊り出すシーンがあるんだけど、彼女のダンスだけキレが半端じゃないの。もう完全にカタギじゃない(笑)。さすがジェイローって思った。
 えー、観よう。
 (該当シーンを確認しながら)本当だ。最高だね。やっぱりキッチンは踊る場所だよな。
 ちなみに、このノリはジェイローがストリッパーを演じた『ハスラーズ』でも観られます。日本では2020年の2月公開かな。

キアヌは変な役がお好き。

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 男優の話でいうと、僕はキアヌ・リーヴスが気になっているんですよ。
 キアヌ、最高だよね。
 あの人って、よく変な役をやるじゃないですか。それはネットフリックスでも同じみたいで。『マッドタウン』っていう作品なんですけど、作品自体もいい意味で変なのでぜひ観てもらいたい。監督は『ザ・ヴァンパイア  残酷な牙を持つ少女』のアナ・リリ・アミリプールです。
 (予告編を観ながら)うわ、手と足が片方ずつない女の子が仰向けにスケボーに乗っている! 『ザ・ヴァンパイア』でも主人公のヴァンパイアの女の子はスケボーで移動していたけど、監督はスケーターなのか?(笑)。なんで手足がないの?
 テキサス州の無法地帯にスーキー・ウォーターハウス演じる女の子が入っていくんですね。だけど、そこにいるヤツらは、食べ物がないから人を殺して食っているんです。そいつらに襲われて、彼女は開始10分くらいで片腕と片足を奪われてしまうんですよ。
 ってことは、スプラッター描写多め?
 と思うじゃん? 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』的な復讐ものになるのかなって。だけど、全然そうはならない。無法地帯の近くにいくつかある集落に逃げ込んで、普通に暮らし始めるんですよ。そこが不思議なんです。
 で、肝心なキアヌは?
 その集落のひとつを牛耳るカルト教団の謎の教祖役(笑)。キアヌってイエス・キリストっぽいじゃないですか? だからすごい合ってる。
 雑だな! そんなヤツ、いっぱいいいるわ。
 キアヌの変な役シリーズでいうと、僕が知る限り彼はネットフリックスオリジナル作品に本人役で2本出ているんだよ。
 (笑)それにしても本当によく観てんなー。
 一つ目は『いつかはマイ・ベイビー』。アリ・ウォンとランドール・パークというアジア系アメリカ人の男女による、ポスト『クレイジー・リッチ!』とでも言うべきラブコメ。その中で、女のほうがちょっとだけ付き合うのがキアヌ・リーヴスなんだけど、これがすげぇ嫌なヤツで。
 ハリウッドでもっともいい人とも言われる、キアヌが!?
 そう、そのキアヌがスピっててマジでいけ好かないの。「小さい頃に好きだったのは、マザー・テレサだ」とか言ったり、「男は死と向き合え!」とか言ってランドール・パークとカンフーを取り入れた意味不明な喧嘩をおっぱじめたり(笑)。
三&降 (笑)
 で、もう一つは『ビトウィーン・トゥ・ファーンズ:ザ・ムービー』。『ハングオーバー』シリーズの問題児役でおなじみのザック・ガリフィアナキスが、地方局のトーク番組の司会者に扮してセレブに失礼をしまくるって作品で、そのゲストの一人がキアヌ。「1から100までのうち、いくつまで知っている? 50くらい?」とかって質問をされるだけなんだけど(笑)。

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鍵和田啓介(かぎわだ・けいすけ) ライター、編集者。『ポパイ』『ブルータス』『スタジオ・ボイス』などで主としてポップカルチャーについて執筆している。著書に『みんなの映画 100選』。


 それはヒドい(笑)。でも、何でもやるって意味ではやっぱりいい人なのかもしれない。その意味では、アダム・サンドラーとは正反対ですね。そのうちニコラス・ケイジみたいになるのかな。彼も仕事が来れば何でもやっているイメージがある。
 さて、そろそろ終わろうと思いますけど、言い残したことは?
 『マッドタウン』には、それとわからない感じでジム・キャリーが出てくるので探してみてください!
 なんだと! ジム・キャリー世代として、それは探さないと。
 あ、ジム・キャリーといえば、『ジム&アンディ』ってドキュメンタリー作品もあったな。彼はかつて『マン・オン・ザ・ムーン』って映画でアンディ・カウフマンという実在のコメディアンを演じたじゃん?
 懐かしい。1999年とかの作品ですよね。
 そうそう。このアンディ・カウフマンっていうのは、とんでもなく破天荒なコメディアンだったんで、ジム・キャリーも彼を演じきるために撮影中以外も破天荒に振る舞ってスタッフに迷惑をかけまくったらしい。その舞台裏を映したドキュメンタリーがそれ。ジム・キャリーはかつて二重人格の役を演じてたじゃん?
 あー、『ふたりの男とひとりの女』ね。
 『ジム&アンディ』では、まるでそれを地でいくようなジム・キャリーの二面性を確認できるっていう(笑)。
 ネットフリックスってマジで信じられないくらい何でもあるんだね。


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