【コント台本】大事な話②(無料)
子(部屋に入ってくる)
父「ああ、ツヨシ。来たか」
子「何?急に改まって大事な話って」
父「まあいいから、座りなさい」
子(座る)
父「お前ももう先月20歳になって大人になったわけだから、そろそろ全て正直に話しておこうと思ってな」
子「…なに?」(不安そう)
父「落ち着いて聞いて欲しいんだが...実は…お前は、お父さんとお母さんの、本当の息子なんだ」
子「ん?……ん?」
父「いいか?今まで黙っていたが、お前は実の息子だ」
子「そのつもりやったけどなあ…」
母「隠すつもりはなかったの、いつ打ち明けるべきか悩んでいる間に20年経ってしまって…」
子「え、え、どういうこと?どういうこと?おれ今打ち明けられてる?アカン、全然飲み込まれへん」
父「だろうな。無理もない。突然こんなことを言われてビックリしただろう」
子「いやまだ、ビックリもできてないかな」
父「だが本当なんだ。お前とはしっかり血が繋がっているし、顔はお母さん似だ」
子「うん、そこは疑ってないねんか。わざわざ言わんでいいやんって話」
母「ツヨシが子供の頃、初めて『ママ』って呼んでくれた時、なんて言うか、しっくりきた」
子「だと思うよ。実母だもん」
母「正直に言うと、そこまで喜びも感じなかった」
子「え、それはホンマに言わんでええやつちゃう?」
母「あとね、お母さん本当は女の子が欲しかったの」
子「それも言わんといてくれる?なんかさっきから正直に言わなアカンみたいなんが、裏目に出てもうてるよ?」
母「女の子で…双子」
子「たたみかけるね。え、今日はおれ傷つけられる日?」
母「たまに思うの。あの頃のお父さんとの二人だけの時間、もうちょっと続いても良かったかなぁって」
子「目の前の息子に言うことちゃうで?」
父「母さん、それは言っても仕方ないだろ」
子「仕方ないとか言っちゃう?」
母(泣きながら)「ゴメンね・・・」→(うつむく)
子「どういう感情で泣けてんねん」
父(泣いている母親の肩を軽く抱いて頷く)
母「ダメだよねお母さんが泣いちゃ。でもこんなことを打ち明けられたツヨシのことを思うと胸が苦しくて…」
子「全部原因自分やで?」
父(優しく抱き寄せ、そのまま喋り始める)「ずっと黙っていて本当にすまない。だが、今までお前に注いできた愛情に偽りはない。これだけは信じてくれ」
子「人生で初めてやわ。こんなに親を遠くに感じるの」
オチ①
(携帯が鳴る)
子「はいもしもし?警察?はい、え、両親が?交通事故??死んだ!?
(目の前の両親を見て)本当のお父さんとお母さんじゃ、ない。」
オチ②
(携帯が鳴る)
子「ん?お婆ちゃん?はいもしもし?うんツヨシやで。え?本当のお婆ちゃん?いや遺伝かい!!」