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[コラム]フィールドを広く見せる仕掛け

 フリーローム型VRは、「フィールドを自由に歩き回れる」ことが最大のメリット。しかし実際には現実の部屋の広さという成約があるため、その空間をどのように広く感じさせるかが重要になる。

 『BIOHAZARD WALKTHROUGH THE FEAR』では、戦闘のための「広い空間」と、移動のための「狭い通路」を繰り返すが、この「狭い空間」において、若干複雑な移動を行うことで、実際に歩いた距離を惑わすようになっている。仕掛けを理解したうえでプレイすると、移動距離と風景の変化に矛盾があることがわかるが、何も知らずにプレイしているとほとんど気がつかない。

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(『BIOHAZARD〜』のフィールド。この中を歩き回る)


 「ZEROLATECY VR」の『Zombie Survival』では、実際には平面上で内周部、外周部をそれぞれ歩いているだけである。しかしVR空間上は上下2層構造で相互の移動にはエレベータを使用するという見え方になっているため、各層からの視界が開け、より広い空間を移動しているように錯覚する。

 2020年8月の1ヶ月限定でMAZARIAにてロケテストが行われた『スピード錯覚アトラクション PAC-MAN RACER』は、この距離感覚を実験的に極端に調整していた。徒歩では無く、自由に操作できるライドに乗車させることで、現実では5✗7mぐらいの広さのフィールドをかなりノロノロで走行していいるにも関わらず、20〜30mくらいのエリアをかなりのスピードで走行しているように錯覚させるものであった。

 他にも現実の向きとVR空間での向きを微妙に調整することでも距離感や広さを錯覚させることができる(ただし、調整を誤ると酔いやすくなるデメリットもある)。


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