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赤ブーイベントでプチオンリーをやってみた備忘録

この文章は2024年9月22日に東京ビッグサイトで開催された同人誌即売会で初めてカップリングプチオンリーを主催した、その備忘録になります。


そもそものきっかけ

私が現在二次創作しているCPですが、10年の歴史があるにもかかわらずリアルイベントでのオンリーは過去に一度も開催されたことがありません。コンテンツ初期からそこそこ創作者数の多いCPであるにもかかわらず、です。いや、毎回そこそこのサークル数があるからこそ、あえてオンリーを開く必要がなかったとも推測されます。

ちなみにジャンルは、2024年で10周年を迎えた男性アイドルコンテンツになります。(トップ画像からわかる人にはわかっていただけるかと思います)コンテンツ全体としては来年で20周年という、結構な老舗ジャンルです。

ところがこのCPで、2023年の12月にWEBプチオンリーが初めて開催されました(主催は私ではなく他のかたです)。これが楽しかった!

「いやーこうなったら次はリアルイベントがあるといいなあ、あるなら出たいな」

そんなことを思っていた矢先、とあるフォロワーさんが年明け1月末開催プチの、本部手伝いを募っておられました。
「プチオンリーに向けていろいろ準備しておられたし応援したいかも」という軽い気持ちで「やります」と手を上げ、結果……

現地プチオンリー楽しいな!
もしかして自分でもできるのでは??

と、こんな気の迷いからスタートしました。

まず、やらないことを決める

とはいえあんまり背負い込むと燃え尽きそうだし自分の新刊も出せなくなるし、金銭的負担が大きすぎても何だかちょっと違う気がするし……
ということで、主催の労力と負担を大きくせずにオンリーを開催するために「これはやらない」というのを先に決めてしまうことにしました。

新刊カードは集めない

新刊カードシステムを知らない方へ簡単に解説すると、赤ブーさんのイベントで賛同印刷会社を利用して新刊を出した場合、投票引換券(通称:新刊カード)がもらえます。これを一定数集め投票すると希望のオンリーイベントを開いてもらえる、という制度があります。この制度は現在かなり盛んに利用されています。

しかし「オンリーやりたいかも」と思った時点で私の手持ちの新刊カードは「1枚」でした。協力を募ればある程度は集まったでしょうが、集めて投票して……という手順を踏めば、オンリー開催は一年以上先になりかねない。私がオンリーをやりたいのは「今」なので、今年中に確実に開ける有志プチオンリーのほうが圧倒的に都合が良かったです。

もちろん、自分で会場を借りて個人主催イベントを開く、という方法もあり、都内で即売会に使える会場なども調べてもみました。ただこれは私個人の完全なワガママなんですが、「個人主催CPオンリーって同じ日に他CP、逆CP、他アイドルの本が買えないじゃないか、それは悲しい」ということで、赤ブーさんのジャンルオンリー内でプチを開く、というのが自分的にベスト、という結論になりました。

あと、赤ブーさんの投票オンリーだとタイトル名の最終決定権がない(提案は可能)、ロゴもおまかせ、というのはだいぶ、嫌でしたね……納得いかないタイトルつけられたら悲しいので……

記念アンソロを作らない

アンソロ原稿に時間を割いていただくよりはできるだけサークル参加してほしい、個人の頒布物を充実させてほしい、というのが一番の理由です。もちろんプチ内でアンソロ企画をする!というかたがおられれば応援は最大限するつもりでした。

また、私は漫画原稿を扱ったことがないので、漫画込みのアンソロ編集は正直自信がありませんでした。ただし、アンソロ関係をまるっと経験者にお願いできれば、プチ記念アンソロの発行も可能だったと思います。
                       

グッズを売らない

通常オンリーイベントというのは、アンソロとグッズの頒布による売り上げでかかる費用を相殺する、というのがセオリーかと思います。
ただしこれは当然在庫を抱える・赤字をより増やしてしまう・本部の人手もそこそこ必要、というリスクも伴うわけで、今回グッズ頒布はしない、という方針を決めました。

ただし記念グッズが何もないのは寂しく、結果的にはノベルティをちょっとだけ作りました。ノベルティについては後述します。
                                                                                                                                                                            

やることを決める

プチオンリー支援をできるだけ活用する

アンソロとグッズを売らない、ということは、準備に費用をかけられない、ということでもあります。それでも「プチやってるぞ!」という雰囲気はしっかり出したい。

まずは大陽出版さんのプチオンリー支援を最大限使わせていただきました。
こちらは、パンフレットを刷るとB2サイズポスターとテーブルクロスをサービスしていただけるというものです。本部に大きなポスターは絶対ほしかったので、大変ありがたかったです。

赤ブーさんの有志オンリー支援もフル活用させていただきました。
主な支援は
・フライヤー印刷500枚無料
・当日ホール入り口に大看板設置
・当日好きなBGMを一曲流せる
の3つです。(他には本部スペースとして1スペース無料、も利用しました)

フライヤー、500枚は多すぎなんですが、「プチのフライヤーを配布します」と告知すること、それ自体がプチオンリーの宣伝にもなったと思います。5月のスパコミで配布したほか、6月に開催されたジャンルの個人主催イベントにも置いていただきました。

大看板はねえ、本当に大きかった!朝東4ホールに着いて真っ先に目に飛び込む位置に設置されていたので非常にテンション上がりました。みなさん写真を撮って楽しんでくださったのも良かった。自CPの大きい絵は最高です!

そしてBGM。最高でした。リクエストした曲のイントロが始まった時点で私は本部から離れた場所にいたんですが、にもかかわらず辺り一帯が「わあッ」と沸いたのがわかってうれしかったな!この曲が流れることは事前に旧ツイッターで告知しており、なんとこのためにUO持参して現地で折ったかたもおられたそうです。本当にありがとうございます!!!

プチ当日のXのトレンド

この曲が流れたことで曲名が一時的にトレンドワードになりました。月出してよかった!

記念パンフを作る

アンソロを作らない代わりに、記念となる印刷物は何かしら作りたかったです。前述の大陽出版さんの支援を利用しました。数年後に見返したときに「このサークルさんが出てくださってたな」と懐かしんでいただけること間違いなしです。
また、当日現地に来られない方も参加できるように、アンケート企画をやりました。「二人の秋デートはどんな感じ?」とか「好きな劇中劇・派生は?」とかそんな感じです。また「二人に歌ってほしい曲」はサブスクのプレイリストも作って事前配布しました。聞きながら原稿してくださったかたもおられたようです。

プチをやるぞと告知してから当日までの間、どうしても数ヶ月あいてしまうので、このアンケート企画はその間の話題提供としても十分に機能したと思います。

共通の装飾を用意する

コストをかけずに「プチオンリーやってる」雰囲気を出す方法として、
グラフィックさんのチラシ・フライヤー印刷「A3寸延」という、幅450mmの商品を教えていただきました。
サークルスペースは1サークルにつき90センチ幅なので、このA3寸延を2枚ずつ貼ってもらうとちょうど1サークル分になります。

サークル様にお送りした、横長帯貼り方の図


実際に貼ってもらうと参加サークルがわかりやすい上にずらーーっと列でこの帯が並ぶ様が壮観でした!
机の前に貼ってもらうため机上の頒布物の邪魔になりにくいし、比較的安価なのでおすすめです!

悩んだところ

日程を決める

当ジャンルは大変ありがたいことに公式が非常に元気で、現在大きな公式リアルイベントが年に何度もある状況です。ありがたいのですが、日程かぶりが怖い。少なくとも、最も大きなイベントである周年ライブには絶対重ねるわけにいかないと思い、赤ブーさんのジャンルオンリーがある幾つかの日にちから候補を見ておき、最終的にはライブの日程が発表されてから正式決定しました。

ただ、ジャンル公式だけでなく中の人(CV担当の声優さんお二人)も結構頻繁にリアルイベントされるんですよね。結局、プチの日には中の人お一人のライブイベントが重なってしまいました……そっちにも行きたかった人には大変申し訳ないけど、これはもう仕方がないと思っています。

コスプレイヤーさんが本を買ってくださるきっかけを作りたい

最近、「同人即売会はコスプレイベントではありません」
というある方のツイートが軽くバズっていました。
これについては「即売会主催会社が更衣室と撮影スペースを用意してるんだから堂々とコスプレしたらいい、以上」としか思わなかったのですが、
その一方で前々から「レイヤーさんにもっと本を手に取ってもらえたらなー」という気持ちもありました。

本を見てほしかったら話しかけたらいいやん、と思われるかもしれないですが、サークル側としては話しかけるきっかけがないんです。CP話を書いている立場上、相手のかたがこのCP苦手だったら申し訳ない、という気持ちが真っ先に働くので、こっちからは「うわーかっこいい、衣装作り込みすごい、小物どうなってんの……」と机の向こう側から見ているだけになってしまう。(なので話しかけてくださるコスプレイヤーさんはほんとありがたいです)

そこで、「当CPのコスプレでプチのパンフを買ってくださった方にはノベルティをプレゼントする」という企画を考えました。これは結果的には非常にうまくいったように思います。体感、かなり多くのコスプレイヤーさんが記念パンフを手に取ってくださいました。ありがたい~!

とはいえレイヤーさんだけ優遇するわけにはいかない、コスプレされないかたにも当然ノベルティを渡したい……ということで追加したのがドレスコード企画でした。
これは当CPのふたりの個人カラーである「赤いものと青いものを着けてパンフを買ってくださればノベルティをプレゼントする」というものです。
当日は、服はもちろんのこと、ネイルや靴下、アクセサリーでうまく取り入れてくださるなど、それぞれのかたの工夫が見ていて楽しかったです。

当日企画はこんな感じで告知してました


【余談】この夏開催された関連コンテンツのARライブで「ドレスコード:ブラック」というのがありました。実はこれが発表される前から前述の企画は考えていたので「私、某社長と気が合うのか?」と密かに思ってしまいました。

課題

お一人にかかる負担の軽減

今回のプチオンリーでは、ノベルティ一点を除きイラスト関係をお一人の方にお願いしたのですが、これ…すごく負担が大きかったのでは……?というのが反省点です。ポスターや大看板なんてものすごく絵がでかいしな……もう少し他の方にも分担すればよかったかもしれません。

告知関係の画像作成

プチの情報提供は旧Twitterをメインとしましたが、画像もあったほうが拡散されやすいので、重要なことはなるべく画像もつけて流していました。ただこの画像を作るのがまあまあ大変で……画像を作ること自体はわりと好き楽しいんですけど、時間がない中でそれをやるとなるとそこそこの負担でした。自分じゃ絵も描けないですし。
この手の画像をもっと簡単に作る方法を編み出したいです。

企画HPはどうするのがいい?

今回企画用のHPはWIXで作りました。それほど知識があるわけではないのでまあまあ時間がかかってしまいました。とはいえ情報がまとまっている場所があると、自分自身で見返せるのはよかった。ただ、次があるならnote等でもいいと思いました。
何にせよ「とりあえずここを見れば書いてある」場所はあったほうがいいけど、HPという形じゃなくてもいいかもしれません。 
 

最高だったこと

当時、欠席サークルがひとつもなかった!
これだけでもう「やったぜ」という気持ちでした!実は海外から参加してくださったかたもおられたんですよね……うれしすぎる、遠くから本当にありがとうございます。
あとは通路をカニ歩きして「新刊ください」をして回るだけでした。(この時、すごくうれしそうな顔してたらしいです、恥ずかしい。)

また「今までWEBだけだったけど初めて現地参加しました」「○年ぶりにサークル参加しました」というかたがチラホラおられたのもうれしかったです。このプチオンリーが参加のきっかけの一つになれたとしたら、主催としてはこんなにありがたいことはありません。
買い手としても「最近サークル参加しておられなかったかたの幻の既刊をご本人から直接買える」のは最高でした!

結論:有志プチオンリーもいいぞ

オンリーを開くにはいろいろ方法がありますが、主催の負担・責任という面から見ると
負担・責任が軽い → 重い 順に
 赤ブー投票オンリー → 赤ブー内有志プチオンリー → 個人主催オンリー 
かなと思います(あくまで超ざっくりした個人的所感で、細かいことは省いてます)

ということで、有志プチオンリー、割といいとこ取りできてお得だと思います。支援をフルで使ったことで金銭的負担もかなり少なく開催することが可能でした。もちろん沢山グッズ作る、飾り付けもいろいろやる!というのもありです。

難点は、当たり前ですが「赤ブーのイベントがある日・ある場所でしか開催できない」ことでしょうか。このあたりの自由度は、個人主催で開くオンリーには当然敵いません。

赤ブー内有志プチオンリー自体は前々からある形式ですが、投票オンリーが増える中「新刊カード集めなくてもできるよ!」ということはもっと周知されてもいいかなと思います。

以上長々と書きましたが、今後オンリーイベントをやってみようかな?という方の参考になれば幸いです。


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