語彙力

覚えてなんかいやしないのだ。

過去の僕の目の前にあった椅子の種類なんて。
当時それが何かを突き止める術があろうと今の僕の記憶ではそれがなんだったのかだなんて。
それは『椅子』だった。
覚えているのはくつろげるように手を置く場所があったとかそれくらい。
その手を置く場所の名称すら僕は知らないの。

思い出というのはオレンジ色のフィルターが掛かってるものでは無いと思う。もっと言語化出来ず輪郭がモヤモヤしてて、けれど確かな一部は脳で組み立てることが出来てる。
あの時のテーブルは平行四辺形だったよ。でも地につく足が中心の一本足なのか隅の四本足なのかが覚えてないの。

なんていうのかな、あれは。

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