平々凡々

かつて見た重戦車やモーニングスターはどこにもなくそれはもう数年が経とうとしていた。
だけどおしまいに歌われたそれはまだ失われてはおらず。それを聴く度におしまいを幻視するの。
貴女達は姿形を変えず今も居るけれど僕の知ってる貴女ではないの。
ついぞ会うことはなく、同じくして1914年からの4年の土を同時に踏むことは無かった。
けれどもそれは記憶に残り、そのおしまいを聴く度に貴女は戦車に跨り勇ましく指を掲げ、時に優雅に腰を置き、時にハッチに顔を出す。
どうして姿を消したのか僕には分からない。
でも、きっと。
またいつか会えると思って貴女達の戦歴を思い出したかのように入れるの。
出てくるのは懐かしき貴女達の顔、けれどもう進むこともない。

次に入れる時、貴女はいるのでしょうか?

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