見出し画像

畦地梅太郎の展示

畦地梅太郎の展示に行ってきた。
最終日になんとか間に合った。

はじめから終わりまで徹底して木版画を追求した作品群はどれもいいなあと思う作品ばかりで部屋に飾りたくなるようなものがとても多かった。
初期の方の作品で昔の何かの本で見てずっと好きだったけど作者名も作品名も記録し忘れててわからずじまいだったのが畦地梅太郎の作品だったのか!と知ることができたものがあった。

木版画の版と版の色の重なったところ、すこしずれてできたすきま、そういうところもすごく好きだ。なぜかそういうところに気持ち良さというか手作業ゆえにできたそのディテールにグッとくることがよくある。
古い印刷物の版ズレとかが今でも好まれたりしてるのは予定調和ではないアクシデントを楽しんでいるんだろう。いびつだったり歪んだりしてるものは人の心を捉える力があると思う。

40代までは山を描いてきていたが50代になって山男の絵を描き始めてる。
全体を見ても山男のシリーズが一番いいと思える。
山、というモチーフに神秘性や驚き、畏怖を見出し表現してきた作者がさらに踏み込んで山男というモチーフにたどり着いたのはすごいと思う。 そのモチーフにたどり着いた喜び、興奮、が絵から溢れてるようだった。
線も形もどんどん実験してるが自信に満ちている。とにかくバリエーションが多い。

山男という畦地梅太郎にとっての「神」を発見したのかもしれない。
山男の絵はまるで宗教画のように見えてくる。

帰りにミュージアムショップで雷鳥の置物を買った。これも畦地梅太郎の作品に度々登場する生き物でシンプルなデザインが民芸品のような素朴さと愛嬌もあってとてもかわいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?